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十四章:運命
第110話 賭け
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ただただ過ぎていく時間の中、部屋のベッドに腰を沈めながらクリスはジレンマに苛まれる。ネロと手を組めば少なくとも自分と親しい間柄の人々は死なないだろう。だが、魔術師達を見殺しにするという選択肢が、果たして騎士団やそこに属する者達にとってどう映るかが怖かった。それにレグルやヴァインは少なくとも助からないだろう…彼らを裏切ってしまうのである。
しかし断った所で、勝算があるわけでもない。自分の知る人物の亡骸を呆然と見つめる。そんな悪夢が再び引き起こされてしまう。
「…クソ」
弱音を漏らした。他者からの軽蔑と引き換えに被害を最小限に抑えるか、それとも真っ向から抗うか…いっそ開き直って自分だけ生き延びてやろうかとも考えてしまう。そう、自分はそもそも雇われの身である。恩義を感じる必要などない。報酬を貰い、仕事をする。そうしたギブアンドテイクの関係で今日まで戦ってきた。利益が無いのであれば付き合ってやる必要など無い。
”そんな独りよがりな考えで生きていった先に何があるのだろうか”
クリスがヤケになろうとしていた矢先の事であった。ふと目に入ったジョンお手製のお守りを見た直後、クリスの脳裏にそんな考えが湧いてくる。他者を捨てる事が出来る者は同じように捨てられる。類は友を呼ぶという言葉がある様に、そのような考えしか出来ない人間の元には同じ理念を持つ同類しか集まらない。いつの世もそれだけは変わらなかった。
自分はその瀬戸際に立たされているのだと、クリスは改めて感じた。目的のためならば他者を利用し、用済みになれば切り捨てる事さえ厭わない男に付くか、少なくとも酌量の余地は与えてくれる組織に味方するか。だが、いずれにせよ碌な結末を迎える事は無さそうであった。
考えろ。他の突破口が無いものか。クリスはネロの誘いになびいていた自分を恥じながら、ジョンから貰ったお守りを握りしめて思考を巡らせた。自分に好意を向けてくれる数少ない友人を見殺しにしかけていた自分を殴りたいという気持ちで一杯になりながら、他の方法を探そうとする。
あの時の会話からして、ネロの眷属というのは自分が山脈の麓で遭遇した化け物である事は分かり切っている。身体的な能力だけで言えば手に余る相手だが、魔法は効く。騎士団による実験でそれは確認済みだった。問題はその数である。ホワイトレイヴンや守り人…ついでにブラザーフッドがいない状況となっては、傍観を決め込んでいた他の勢力たちも加勢してくれるかもしれない。それでも相手側の戦力が未知数である以上、どれだけの事が出来るかは断定できない。ひとまずは足止めくらいならばと気休め程度に見積もるほかなかった。
もっと違う部分から考える事は出来ないのかと、必死にクリスは記憶を掘り起こす。ネロは何を語っていたのか。そこを思い返していく内にクリスは何か引っかかるものを感じた。さらに根本的な問題、「そもそも彼の話が真実なのかどうか」という点である。
嘘を証明する難しさはあるが、本当かもしれないと感じさせる点については心当たりがあった。ギャッツとの戦いの後に乱入した際に見せた再生能力、あの正体不明の化け物、その化け物が各地で出没しているという報告…断言できる程ではないにしても彼の話は真実である可能性が高い。
そうだった場合、彼が簡単に説明していた世界の創造にまつわる話も事実なのだろうか。つまり始祖の悪魔も実在していたことになってしまう。
「待てよ…」
その直後、クリスはグレッグが以前語っていた民話の一説を突如として思い出した。
『”運命”の手を訪れた者は彼らと対峙し、やがて己に課せられた使命を知らされるだろう』
阿保らしい。おとぎ話を真に受けている場合じゃないだろう。クリスはすぐさま心の中で否定した。だが、なぜかその思い出を切り捨てられなかった。僅かではあるが、「おとぎ話が真実である」という点に希望を抱いていたのかもしれない。始祖と呼ばれる悪魔たちが本当にいるのであれば、すぐにでも彼らに縋りついて助けを求めたい。そんな甘ったれた妄想紛いのアイデアが自分の中で膨れ始めた事を、クリスは確かに感じていた。
「…俺にどうしろっていうんだ」
気が付けば深夜になっていた。クリスは一言呟いてから立ち上がって外の景色を見る。数日も経てば、この街…いや世界そのものの生死が決まるのだ。その漠然とした不安と八方塞がりな現状を前にして、クリスは段々と僅かな可能性に賭けたいという思いを強めてしまっていた。
――――翌日、騎士団本部はざわついていた。困惑や怒り、失望…ありとあらゆる負の感情が一人の人物に向けられていたのである。
「いなくなった…!?」
メリッサが会議室にて声を出した。
「部屋にこれが残されていたそうだ」
気が沈んでいるのか、暗い表情をしたデルシンがクリスの書き置きをテーブルに乗せる。大したことは書いておらず、「必ず帰って来る」とだけ走り書きされていた。
「馬も一頭盗まれ、奴の装備が保管庫から消えていたとは…フン、土壇場で日和ったか」
イゾウはついでに盗難に関する報告を付け加え、それ見た事かと呆れたように悪態をつく。私情を抜きにしても逃走した事に対する軽蔑があったらしい。
会議自体はネロによる攻撃から街を防衛する方針を決めてお開きとなったものの、メリッサは椅子に座ったまま書き置きを見つめていた。
「何かの間違いだよね…」
そう言いながら伝言が書かれた紙を置いて、メリッサは奇妙な喪失感を抱えたまま席を立った。
――――その頃、クリスは馬を操って平原を駆け抜けていた。
「本当にアホだな… !何考えてんだよ… !」
自分で決めた事だというのに、必死に自身を責めながら馬を急かす。そうでもしなければ己がやっている事の馬鹿馬鹿しさに耐えられそうになかった。
やがて焼き払われた密林に辿り着くと、馬から飛び降りて守り人の拠点へと通ずる抜け道を探し始める。そして見つけるや否や、恐ろしい速さで駆け上がって行った。
「ガーランド殿!?一体なぜ…!?」
「教えろ… !”運命の手”にはどうやって行けば良い!?」
拠点にいた長老は驚愕していたが、クリスは焦燥感を顔に出しながら彼へ何度も尋ねる。やがて拠点の裏方にある封鎖された扉へと案内された。
「ここから先に待つと伝承では語られています…しかしガーランド殿、正気ですか ?」
「正気だったら来てないさ…だが、もう方法が無い」
長老や他の付き添い達が心配する中、クリスはほぼ丸腰に近い状態であるにもかかわらず扉の前に立つ。拳銃は持ってきていたが、弾薬は決して多くない。
「…行くしか無いんだ」
取り返しのつかなさをヒシヒシと感じつつ、クリスは重い扉を開く。そこから先にあるのは、整備などされている筈が無い霜の降りている岩肌と、遥か先にある頂きの見えない山々であった。残された時間の少なさを改めて確認した後、クリスは無言で振り返りもせずに歩き出した。
しかし断った所で、勝算があるわけでもない。自分の知る人物の亡骸を呆然と見つめる。そんな悪夢が再び引き起こされてしまう。
「…クソ」
弱音を漏らした。他者からの軽蔑と引き換えに被害を最小限に抑えるか、それとも真っ向から抗うか…いっそ開き直って自分だけ生き延びてやろうかとも考えてしまう。そう、自分はそもそも雇われの身である。恩義を感じる必要などない。報酬を貰い、仕事をする。そうしたギブアンドテイクの関係で今日まで戦ってきた。利益が無いのであれば付き合ってやる必要など無い。
”そんな独りよがりな考えで生きていった先に何があるのだろうか”
クリスがヤケになろうとしていた矢先の事であった。ふと目に入ったジョンお手製のお守りを見た直後、クリスの脳裏にそんな考えが湧いてくる。他者を捨てる事が出来る者は同じように捨てられる。類は友を呼ぶという言葉がある様に、そのような考えしか出来ない人間の元には同じ理念を持つ同類しか集まらない。いつの世もそれだけは変わらなかった。
自分はその瀬戸際に立たされているのだと、クリスは改めて感じた。目的のためならば他者を利用し、用済みになれば切り捨てる事さえ厭わない男に付くか、少なくとも酌量の余地は与えてくれる組織に味方するか。だが、いずれにせよ碌な結末を迎える事は無さそうであった。
考えろ。他の突破口が無いものか。クリスはネロの誘いになびいていた自分を恥じながら、ジョンから貰ったお守りを握りしめて思考を巡らせた。自分に好意を向けてくれる数少ない友人を見殺しにしかけていた自分を殴りたいという気持ちで一杯になりながら、他の方法を探そうとする。
あの時の会話からして、ネロの眷属というのは自分が山脈の麓で遭遇した化け物である事は分かり切っている。身体的な能力だけで言えば手に余る相手だが、魔法は効く。騎士団による実験でそれは確認済みだった。問題はその数である。ホワイトレイヴンや守り人…ついでにブラザーフッドがいない状況となっては、傍観を決め込んでいた他の勢力たちも加勢してくれるかもしれない。それでも相手側の戦力が未知数である以上、どれだけの事が出来るかは断定できない。ひとまずは足止めくらいならばと気休め程度に見積もるほかなかった。
もっと違う部分から考える事は出来ないのかと、必死にクリスは記憶を掘り起こす。ネロは何を語っていたのか。そこを思い返していく内にクリスは何か引っかかるものを感じた。さらに根本的な問題、「そもそも彼の話が真実なのかどうか」という点である。
嘘を証明する難しさはあるが、本当かもしれないと感じさせる点については心当たりがあった。ギャッツとの戦いの後に乱入した際に見せた再生能力、あの正体不明の化け物、その化け物が各地で出没しているという報告…断言できる程ではないにしても彼の話は真実である可能性が高い。
そうだった場合、彼が簡単に説明していた世界の創造にまつわる話も事実なのだろうか。つまり始祖の悪魔も実在していたことになってしまう。
「待てよ…」
その直後、クリスはグレッグが以前語っていた民話の一説を突如として思い出した。
『”運命”の手を訪れた者は彼らと対峙し、やがて己に課せられた使命を知らされるだろう』
阿保らしい。おとぎ話を真に受けている場合じゃないだろう。クリスはすぐさま心の中で否定した。だが、なぜかその思い出を切り捨てられなかった。僅かではあるが、「おとぎ話が真実である」という点に希望を抱いていたのかもしれない。始祖と呼ばれる悪魔たちが本当にいるのであれば、すぐにでも彼らに縋りついて助けを求めたい。そんな甘ったれた妄想紛いのアイデアが自分の中で膨れ始めた事を、クリスは確かに感じていた。
「…俺にどうしろっていうんだ」
気が付けば深夜になっていた。クリスは一言呟いてから立ち上がって外の景色を見る。数日も経てば、この街…いや世界そのものの生死が決まるのだ。その漠然とした不安と八方塞がりな現状を前にして、クリスは段々と僅かな可能性に賭けたいという思いを強めてしまっていた。
――――翌日、騎士団本部はざわついていた。困惑や怒り、失望…ありとあらゆる負の感情が一人の人物に向けられていたのである。
「いなくなった…!?」
メリッサが会議室にて声を出した。
「部屋にこれが残されていたそうだ」
気が沈んでいるのか、暗い表情をしたデルシンがクリスの書き置きをテーブルに乗せる。大したことは書いておらず、「必ず帰って来る」とだけ走り書きされていた。
「馬も一頭盗まれ、奴の装備が保管庫から消えていたとは…フン、土壇場で日和ったか」
イゾウはついでに盗難に関する報告を付け加え、それ見た事かと呆れたように悪態をつく。私情を抜きにしても逃走した事に対する軽蔑があったらしい。
会議自体はネロによる攻撃から街を防衛する方針を決めてお開きとなったものの、メリッサは椅子に座ったまま書き置きを見つめていた。
「何かの間違いだよね…」
そう言いながら伝言が書かれた紙を置いて、メリッサは奇妙な喪失感を抱えたまま席を立った。
――――その頃、クリスは馬を操って平原を駆け抜けていた。
「本当にアホだな… !何考えてんだよ… !」
自分で決めた事だというのに、必死に自身を責めながら馬を急かす。そうでもしなければ己がやっている事の馬鹿馬鹿しさに耐えられそうになかった。
やがて焼き払われた密林に辿り着くと、馬から飛び降りて守り人の拠点へと通ずる抜け道を探し始める。そして見つけるや否や、恐ろしい速さで駆け上がって行った。
「ガーランド殿!?一体なぜ…!?」
「教えろ… !”運命の手”にはどうやって行けば良い!?」
拠点にいた長老は驚愕していたが、クリスは焦燥感を顔に出しながら彼へ何度も尋ねる。やがて拠点の裏方にある封鎖された扉へと案内された。
「ここから先に待つと伝承では語られています…しかしガーランド殿、正気ですか ?」
「正気だったら来てないさ…だが、もう方法が無い」
長老や他の付き添い達が心配する中、クリスはほぼ丸腰に近い状態であるにもかかわらず扉の前に立つ。拳銃は持ってきていたが、弾薬は決して多くない。
「…行くしか無いんだ」
取り返しのつかなさをヒシヒシと感じつつ、クリスは重い扉を開く。そこから先にあるのは、整備などされている筈が無い霜の降りている岩肌と、遥か先にある頂きの見えない山々であった。残された時間の少なさを改めて確認した後、クリスは無言で振り返りもせずに歩き出した。
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