36 / 102
#035 『カトウ様』
しおりを挟む
トゥルルルル・・・ トゥルルルル・・・
かちゃっ。
「はい、もしもし。こちら○○マート××支店でございます」
『うぇれれれれれれれれれれれれ!!!』
「! ――ああ、カトウ様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております」
『アフ――――――、うぅっふ、うぅっふ、うぅっふ・・・』
「恐縮でございますが、ただいまこちらには ヤマモトヒロタダ様はご不在です。どうかお掛け直しの程、お願い致します」
『ぶるぁぁ? えぅぅぅぅ・・・・・・』
「繰り返させて頂きます。ヤマモトヒロタダ様は、こちらとは違う場所においでです。どうかお掛け直しの程を」
「ひぅ、ひぅ、ひぅ・・・ グぇぇぇぇ・・・!!」
かちゃっ。
ツ――――――。
「・・・ふぅ・・・」
※ ※ ※ ※
――柴本さんが昔、北海道に住んでいた時。
彼の勤めるコンビニには2週間に一回ほどの割合で このような奇妙な電話がかかってきたという。
必ず非通知なので、向こうの電話番号はわからない。
男の人の声ではあったが、理性をなくした獣のような唸り声ばかりだった為、年齢その他は 受話器越しにまったく想像しようがなかった。
そして。
この〝カトウ様からの電話〟には 必ず上記のような受け答えをしなければならない。
そして、掛かってきたら直ぐ、店長に連絡を入れなければならない。
「店長。あの、さっき〝カトウ様〟したっすけど・・・」
「ええっ?! この間の電話からまだ○○日目じゃないか・・・わかった、ありがとう」
店長は、いつも携帯している手帳に、電話があった日と その時間とを、細かくメモしていた。それでもって、決まったようにこう質問してくる。
「応対は間違わなかっただろうね?」
「は、はい。それはもちろん・・・」
「・・・くれぐれもお願いするよ、くれぐれも、だよ?もし一言でも間違ったら、とんでもない事になるんだからね。頼むよ?わかった?!」
いつも口を酸っぱくして そう念を押してきたという。
シクッたらどうなるんすか、と聞いても、「知らない方がいい」の一点張り。
柴本さんは それが苦痛になって、結局そこには一年ほど勤めて辞めてしまった。
「もし応対を間違えたら・・・どうなっちゃったんでしょうね・・・ 辞める時、無理言って聞いときゃ良かったかな」
――他店舗より、時給の方は かなり良かったそうである。
トゥルルルル・・・ トゥルルルル・・・
かちゃっ。
「はい、もしもし。こちら○○マート××支店でございます」
『うぇれれれれれれれれれれれれ!!!』
「! ――ああ、カトウ様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております」
『アフ――――――、うぅっふ、うぅっふ、うぅっふ・・・』
「恐縮でございますが、ただいまこちらには ヤマモトヒロタダ様はご不在です。どうかお掛け直しの程、お願い致します」
『ぶるぁぁ? えぅぅぅぅ・・・・・・』
「繰り返させて頂きます。ヤマモトヒロタダ様は、こちらとは違う場所においでです。どうかお掛け直しの程を」
「ひぅ、ひぅ、ひぅ・・・ グぇぇぇぇ・・・!!」
かちゃっ。
ツ――――――。
「・・・ふぅ・・・」
※ ※ ※ ※
――柴本さんが昔、北海道に住んでいた時。
彼の勤めるコンビニには2週間に一回ほどの割合で このような奇妙な電話がかかってきたという。
必ず非通知なので、向こうの電話番号はわからない。
男の人の声ではあったが、理性をなくした獣のような唸り声ばかりだった為、年齢その他は 受話器越しにまったく想像しようがなかった。
そして。
この〝カトウ様からの電話〟には 必ず上記のような受け答えをしなければならない。
そして、掛かってきたら直ぐ、店長に連絡を入れなければならない。
「店長。あの、さっき〝カトウ様〟したっすけど・・・」
「ええっ?! この間の電話からまだ○○日目じゃないか・・・わかった、ありがとう」
店長は、いつも携帯している手帳に、電話があった日と その時間とを、細かくメモしていた。それでもって、決まったようにこう質問してくる。
「応対は間違わなかっただろうね?」
「は、はい。それはもちろん・・・」
「・・・くれぐれもお願いするよ、くれぐれも、だよ?もし一言でも間違ったら、とんでもない事になるんだからね。頼むよ?わかった?!」
いつも口を酸っぱくして そう念を押してきたという。
シクッたらどうなるんすか、と聞いても、「知らない方がいい」の一点張り。
柴本さんは それが苦痛になって、結局そこには一年ほど勤めて辞めてしまった。
「もし応対を間違えたら・・・どうなっちゃったんでしょうね・・・ 辞める時、無理言って聞いときゃ良かったかな」
――他店舗より、時給の方は かなり良かったそうである。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる