5 / 151
友情編
第2話「男女交われば即セッ○スは間違っているけど、オタク交われば即性癖語りは合っている気がする」②
しおりを挟む
「人間は時折意味の分からない行動を取るものだって理解はしているけど、それにしたって、君の今日の行動は意味が分からない。突然息も絶え絶えに走り寄ってきたと思えば、こうして放課後ティータイムにお誘いするなんて。これがそれなりに好感度の高い出会い方をした同士ならともかく、よりにもよって大学内の変人枠の僕に対してだ。君は男に対する警戒心が薄いわけではないと思っていたのだが――」
「台詞が長い! わかってんのよそんなことは!」
私はくどくどと疑問をぶつけてくる河野にそう押し返した。
その後私たちは、(どうやら友人と話していたらしい河野を無理矢理引きはがし)ファミレスへと来ていた。河野は未だに「んんんんん」と唸りながら頬をしきりにつねっているが、私としては現在極めて重要な局面に居るため、月の表と裏並みの温度差に違和感を覚えざるを得なかった。
「――結構イケるな、コレ」
河野はとりあえずで頼んだエスカルゴを食べて呟いた。私はそのふざけた態度に声が出せずにいた。
――いや。河野が如何にこの状況を軽くとらえていようと、それは別段、彼に否のある話ではない。
そもそも、彼にとってはこれは予定にないイベントで、更に言えば半ば無理強引に連れ込まれたわけでもあるのだ。むしろ露骨に怒りを態度に表していないだけでも極めて温情的とも言えるだろう。
つまりは、声が出せないでいるのは、私の決心が鈍いからだ。
だって、突然連れ込み言おうとしているのが「物語の作り方を教えてくれ」なのだ。いくらなんでも不自然すぎる。
――だけど、そういうのも全部全部、覚悟してコイツを連れ出したんだ。私は心の中で『よし』と呟いて、大きく息を吸い、勢いに任せて口走った。
「――あんたの小説、読んだ」
河野の表情がわかりやすく変わる。一瞬ぽかんと口を開けて止まったかと思うと、それが見る見るうちに喜びの笑みに変わり、かと思えば照れを隠すように目を伏せ、口元を押さえて笑いを隠そうとしていた。なんだコイツ面白いな。
「えっ、あ、ああ……えっと、何を読んだの?」
「スプラッター×ゴースト」
「あ、ああアレか。珍しいね、あのサイトだともっとこう、『追放された俺は新たなパーティーで成り上がる』的なのを読む人が多いのだけど」
「なんか流行ってたね。いや、まあ、そういうのも嫌いじゃないけど、なんかこう、グロそうだから読もうって思った」
「なんか意外だ。君は明るい話を好むと思っていたが」
「私は人が死ぬ作品の方が好き。人間はもっと死ぬべき」
「ヤバい発言にしか思えないな。まあ僕も同じだが。えっと、なんだろう。とにかく、その、読んでくれてありがとう。……まさか本当にそうしてくれるとは……」
「そ、それでね!」
私は話がズレていきそうだったのを声を張り上げ無理矢理戻す。河野が「あっ、ハイ」とやけにかしこまった声を出した。
「えっと、その……。アンタの作品、すっっっごく面白かった」
「うぇっ!?」
「いやもう、お世辞とかじゃなく! なんというか、暗くて重たい話なのに、その割にはしっかり明るい要素もあって、なんかこう、内容の割に読後感はスッキリしていたというか。とにかく、凄かった!」
「あ……えっと、その……」
河野が顔を赤くしどうすれば良いのかと言いたげに体をモジモジさせた。なんだコイツちょっとかわいいぞ。これで風体がショタっ子だったら襲っていたかもしれない。
「……そ、それほどまでに、好きになって貰えたのは……なんというか、その、感謝の極みだ。ちょ、ちょっと恥ずかしいな……」
「そ、それで! その……えっ、と……」
私は続きの言葉を言おうと、口を動かした。
……しかし、
「……あの、んっ、と。なん……て、言えば……」
出てきたのは、無意味な言葉ばかりだった。
やっぱり、どうしても言えない。『物語の書き方を教えてくれ』なんて、それも、ただの知り合いでしかない男に言うなんて、できない。
だって変じゃん。おかしいじゃん。意味がわからない。どうせ『何言ってんだこいつ』って顔をされて、なんだかんだとすげなく断られるだけだ。それで、翌日にはコイツの友達とやらの間で、笑い話にされるだけだ。
……無理だ、言えない。私はそして、とうとう、声さえ出せなくなった。
――と。
「……言い難いことがあるのかい?」
河野が、少し前のめりになって、私に話しかけた。
「そうか。……なにが言いたいのかはわからない。だけど無理に言え、とも言わない。そこは君の判断だし、別になにも今日じゃなくてもいい。気持ちの整理がしっかりとついてからで僕は全然構わない。
ただ、これだけは言わせて欲しい。君が例え、どんなに突飛なことを言おうと、僕は話を聞く。頷くし、肯定するし、時には自分の意見も言わせて貰う。だから差し支えがないのなら、ゆっくりと、話して貰えたらありがたい」
河野は私の目をしっかりと見据え、どうやら、その言葉に嘘偽りは無いのだと言うのが伺い知れた。
――だから、だろうか。私は不思議と安心して、いつの間にか……
「……私に、ストーリーの作り方を教えて欲しい」
自分でも驚くほど自然に、そう声を出していた。
言ってから、途端に顔が熱くなった。
いや何言ってんだ自分、いくらなんでもおかしすぎるだろ。うわ、言わなきゃよかった。クソ。私の中で後悔の念が溢れて、思わず目を伏せる。
しかしふと河野に目を向けると、奴はぽかんとした表情で、しかし嘲笑するような雰囲気は感じ取れず、ただただ予想外のことに困惑しているだけと言った風な――少なくとも、一切悪意の無い顔で私を見ていた。
「えっ……と、それは、その――僕に、物語の指導をしてほしいってことかい?」
「そ、そう。いや、意味わかんないこと言ってるってのはわかってるけど、でも、私はそれだけ――」
「ま、まいったな……。いや、あの、嫌だとかじゃなく。その、そう思ってもらえるほどに気に入って貰えただなんて……。嬉しいけど、ちょっと、まずい。死にそうだ」
河野はそう言って天井を見上げた。
死にそうって、お前。こうも眼鏡をクイクイさせながら謎データを使って未来を読んでそうな話し方をする割に、語彙力もクソもない表現をするんだな。私は河野の意外な発言に思わず笑いそうになった。
「それで、返事は?」
「えう、えっと……。……なんか頼まれてる側なのに主導権を握られてるな」
「どうでもいいでしょ。それで、その――どう?」
「――返答に困るな」
「やっぱダメか……」
「そ、そういう意味じゃない。いや、なんというか。その、僕としては大丈夫。むしろ、僕が紡いだ創作理論を、別の誰かに話すことができるとなれば、有り余る承認欲求を満たせるという意味でも、願ったりかなったりだよ。
だけど問題は、僕が教えられるかっていうところだ。そも、君に理解できる表現ができるかわからない。どうしても感覚的な面も含まれるから」
「その辺は頑張る」
「あとは、そうだな。そうなると、君はこんな頭のおかしい腐れ陰キャに付き合わなきゃならなくなるが。それでもいいかい?」
「漫研のオタクくんどもに比べたらかわいいもんよ。いや、ていうか、もう、全部全部大丈夫よ。それで私は夢への活路が拓けるんだから。――ダメ?」
私はダメ押しに上目遣いをする。河野は露骨に私から目線を逸らし(意識してやがるなコイツ)、少し唸り声をあげてから、大きくため息をついて答えた。
「いいよ。こうも真剣に言われて、断るのもなんか気が引ける」
「っしゃ! ……どうでもいいけどさっきの『全部全部大丈夫』って、エロ同人だとまずい展開になるよね」
「残念だけどここは現実だ。というか思ったけど言わなかったことを言うな」
「あ、意識してやがったんだ」
「うぐ……あのだ。一応言うけど僕も男だからな。ある一定の警戒心は持っておいた方が良い。それこそ本当にエロ同人みたいにしたらどうする?」
「スタンガンをちん〇にぶっ刺す」
「臆面なく物騒なことを言うな!」
河野が結構ガチな感じのツッコミを入れた。私はそれを聞き「うはは」と笑った。
「くそ、完全に玩具扱いだ」
「ごめん、なんか『あ、いじれそう』って思っちゃってさ」
「……オタクのくせに陽キャのような距離の詰め方をするね」
「陰キャだけど陽キャグループにいたしね、私」
「たまにいるねそういう奴。いや、まあ、どうでもいい。……とりあえず、君の現状が知りたい。なにか、作品はないかい?」
私は河野の言葉を聞いて「あ、あるよ」と答えた。
とりあえずスマホを開き、アルバムアプリを開く。
すると流れてくる流れてくる、大量の自作BLの数々。私はアプリを閉じて引きつった笑みを河野に向けた。
「アッハハ、あんましアルバムの中見られたくないしさ、LI〇E交換しない? そしたら画像送ってあげられるからさ」
「いきなりLI〇E交換か」
「いいじゃん、言うて会ってから2週間以上経ってるし」
「んー……君は本当にオタク側の人間か?」
「だから陰キャだけど陽キャの中にいたんだって。コミュ力は上がったけど、大変だったのよ? 興味もないお笑い芸人とか人気俳優の情報を追うのは」
「僕なら3日と持たず飽きる」
「好きでもないテレビを見続けるのはキツかった。いやまあ、そんなのはどうでもいいから」
そう言って私はスマホを取り出しLI〇EのQRコードを河野に見せつける。河野はやれやれと一度ため息を吐くと、スマホを取り出し、同じくLI〇Eを開き、私のQRコードを読み取った。
「ん、おっけ。……『いつかハゲるところ』……なんっつー名前だ」
「また髪の話している」
「〇Fファンにぶっ殺されるわよ」
「そういう君は普通に姫川詩子、か」
「陽キャの本名率と陰キャのペンネーム率異常よね。いやまあいいけど。んじゃあ今画像送るわ」
「うん」
そう言って私はシュッシュッポンと(いやこれはLI〇Eじゃないな)私が描いた漫画の画像を送り付けた。
河野は届いたのを確認すると、「ん、オッケーだ。それじゃあ読んでいくから、待ってて」と私に言った。
「お、おう、どんとこい」
……今更ながらに怖くなってきた。私は少し青ざめながら、精一杯の虚勢を張った。
「台詞が長い! わかってんのよそんなことは!」
私はくどくどと疑問をぶつけてくる河野にそう押し返した。
その後私たちは、(どうやら友人と話していたらしい河野を無理矢理引きはがし)ファミレスへと来ていた。河野は未だに「んんんんん」と唸りながら頬をしきりにつねっているが、私としては現在極めて重要な局面に居るため、月の表と裏並みの温度差に違和感を覚えざるを得なかった。
「――結構イケるな、コレ」
河野はとりあえずで頼んだエスカルゴを食べて呟いた。私はそのふざけた態度に声が出せずにいた。
――いや。河野が如何にこの状況を軽くとらえていようと、それは別段、彼に否のある話ではない。
そもそも、彼にとってはこれは予定にないイベントで、更に言えば半ば無理強引に連れ込まれたわけでもあるのだ。むしろ露骨に怒りを態度に表していないだけでも極めて温情的とも言えるだろう。
つまりは、声が出せないでいるのは、私の決心が鈍いからだ。
だって、突然連れ込み言おうとしているのが「物語の作り方を教えてくれ」なのだ。いくらなんでも不自然すぎる。
――だけど、そういうのも全部全部、覚悟してコイツを連れ出したんだ。私は心の中で『よし』と呟いて、大きく息を吸い、勢いに任せて口走った。
「――あんたの小説、読んだ」
河野の表情がわかりやすく変わる。一瞬ぽかんと口を開けて止まったかと思うと、それが見る見るうちに喜びの笑みに変わり、かと思えば照れを隠すように目を伏せ、口元を押さえて笑いを隠そうとしていた。なんだコイツ面白いな。
「えっ、あ、ああ……えっと、何を読んだの?」
「スプラッター×ゴースト」
「あ、ああアレか。珍しいね、あのサイトだともっとこう、『追放された俺は新たなパーティーで成り上がる』的なのを読む人が多いのだけど」
「なんか流行ってたね。いや、まあ、そういうのも嫌いじゃないけど、なんかこう、グロそうだから読もうって思った」
「なんか意外だ。君は明るい話を好むと思っていたが」
「私は人が死ぬ作品の方が好き。人間はもっと死ぬべき」
「ヤバい発言にしか思えないな。まあ僕も同じだが。えっと、なんだろう。とにかく、その、読んでくれてありがとう。……まさか本当にそうしてくれるとは……」
「そ、それでね!」
私は話がズレていきそうだったのを声を張り上げ無理矢理戻す。河野が「あっ、ハイ」とやけにかしこまった声を出した。
「えっと、その……。アンタの作品、すっっっごく面白かった」
「うぇっ!?」
「いやもう、お世辞とかじゃなく! なんというか、暗くて重たい話なのに、その割にはしっかり明るい要素もあって、なんかこう、内容の割に読後感はスッキリしていたというか。とにかく、凄かった!」
「あ……えっと、その……」
河野が顔を赤くしどうすれば良いのかと言いたげに体をモジモジさせた。なんだコイツちょっとかわいいぞ。これで風体がショタっ子だったら襲っていたかもしれない。
「……そ、それほどまでに、好きになって貰えたのは……なんというか、その、感謝の極みだ。ちょ、ちょっと恥ずかしいな……」
「そ、それで! その……えっ、と……」
私は続きの言葉を言おうと、口を動かした。
……しかし、
「……あの、んっ、と。なん……て、言えば……」
出てきたのは、無意味な言葉ばかりだった。
やっぱり、どうしても言えない。『物語の書き方を教えてくれ』なんて、それも、ただの知り合いでしかない男に言うなんて、できない。
だって変じゃん。おかしいじゃん。意味がわからない。どうせ『何言ってんだこいつ』って顔をされて、なんだかんだとすげなく断られるだけだ。それで、翌日にはコイツの友達とやらの間で、笑い話にされるだけだ。
……無理だ、言えない。私はそして、とうとう、声さえ出せなくなった。
――と。
「……言い難いことがあるのかい?」
河野が、少し前のめりになって、私に話しかけた。
「そうか。……なにが言いたいのかはわからない。だけど無理に言え、とも言わない。そこは君の判断だし、別になにも今日じゃなくてもいい。気持ちの整理がしっかりとついてからで僕は全然構わない。
ただ、これだけは言わせて欲しい。君が例え、どんなに突飛なことを言おうと、僕は話を聞く。頷くし、肯定するし、時には自分の意見も言わせて貰う。だから差し支えがないのなら、ゆっくりと、話して貰えたらありがたい」
河野は私の目をしっかりと見据え、どうやら、その言葉に嘘偽りは無いのだと言うのが伺い知れた。
――だから、だろうか。私は不思議と安心して、いつの間にか……
「……私に、ストーリーの作り方を教えて欲しい」
自分でも驚くほど自然に、そう声を出していた。
言ってから、途端に顔が熱くなった。
いや何言ってんだ自分、いくらなんでもおかしすぎるだろ。うわ、言わなきゃよかった。クソ。私の中で後悔の念が溢れて、思わず目を伏せる。
しかしふと河野に目を向けると、奴はぽかんとした表情で、しかし嘲笑するような雰囲気は感じ取れず、ただただ予想外のことに困惑しているだけと言った風な――少なくとも、一切悪意の無い顔で私を見ていた。
「えっ……と、それは、その――僕に、物語の指導をしてほしいってことかい?」
「そ、そう。いや、意味わかんないこと言ってるってのはわかってるけど、でも、私はそれだけ――」
「ま、まいったな……。いや、あの、嫌だとかじゃなく。その、そう思ってもらえるほどに気に入って貰えただなんて……。嬉しいけど、ちょっと、まずい。死にそうだ」
河野はそう言って天井を見上げた。
死にそうって、お前。こうも眼鏡をクイクイさせながら謎データを使って未来を読んでそうな話し方をする割に、語彙力もクソもない表現をするんだな。私は河野の意外な発言に思わず笑いそうになった。
「それで、返事は?」
「えう、えっと……。……なんか頼まれてる側なのに主導権を握られてるな」
「どうでもいいでしょ。それで、その――どう?」
「――返答に困るな」
「やっぱダメか……」
「そ、そういう意味じゃない。いや、なんというか。その、僕としては大丈夫。むしろ、僕が紡いだ創作理論を、別の誰かに話すことができるとなれば、有り余る承認欲求を満たせるという意味でも、願ったりかなったりだよ。
だけど問題は、僕が教えられるかっていうところだ。そも、君に理解できる表現ができるかわからない。どうしても感覚的な面も含まれるから」
「その辺は頑張る」
「あとは、そうだな。そうなると、君はこんな頭のおかしい腐れ陰キャに付き合わなきゃならなくなるが。それでもいいかい?」
「漫研のオタクくんどもに比べたらかわいいもんよ。いや、ていうか、もう、全部全部大丈夫よ。それで私は夢への活路が拓けるんだから。――ダメ?」
私はダメ押しに上目遣いをする。河野は露骨に私から目線を逸らし(意識してやがるなコイツ)、少し唸り声をあげてから、大きくため息をついて答えた。
「いいよ。こうも真剣に言われて、断るのもなんか気が引ける」
「っしゃ! ……どうでもいいけどさっきの『全部全部大丈夫』って、エロ同人だとまずい展開になるよね」
「残念だけどここは現実だ。というか思ったけど言わなかったことを言うな」
「あ、意識してやがったんだ」
「うぐ……あのだ。一応言うけど僕も男だからな。ある一定の警戒心は持っておいた方が良い。それこそ本当にエロ同人みたいにしたらどうする?」
「スタンガンをちん〇にぶっ刺す」
「臆面なく物騒なことを言うな!」
河野が結構ガチな感じのツッコミを入れた。私はそれを聞き「うはは」と笑った。
「くそ、完全に玩具扱いだ」
「ごめん、なんか『あ、いじれそう』って思っちゃってさ」
「……オタクのくせに陽キャのような距離の詰め方をするね」
「陰キャだけど陽キャグループにいたしね、私」
「たまにいるねそういう奴。いや、まあ、どうでもいい。……とりあえず、君の現状が知りたい。なにか、作品はないかい?」
私は河野の言葉を聞いて「あ、あるよ」と答えた。
とりあえずスマホを開き、アルバムアプリを開く。
すると流れてくる流れてくる、大量の自作BLの数々。私はアプリを閉じて引きつった笑みを河野に向けた。
「アッハハ、あんましアルバムの中見られたくないしさ、LI〇E交換しない? そしたら画像送ってあげられるからさ」
「いきなりLI〇E交換か」
「いいじゃん、言うて会ってから2週間以上経ってるし」
「んー……君は本当にオタク側の人間か?」
「だから陰キャだけど陽キャの中にいたんだって。コミュ力は上がったけど、大変だったのよ? 興味もないお笑い芸人とか人気俳優の情報を追うのは」
「僕なら3日と持たず飽きる」
「好きでもないテレビを見続けるのはキツかった。いやまあ、そんなのはどうでもいいから」
そう言って私はスマホを取り出しLI〇EのQRコードを河野に見せつける。河野はやれやれと一度ため息を吐くと、スマホを取り出し、同じくLI〇Eを開き、私のQRコードを読み取った。
「ん、おっけ。……『いつかハゲるところ』……なんっつー名前だ」
「また髪の話している」
「〇Fファンにぶっ殺されるわよ」
「そういう君は普通に姫川詩子、か」
「陽キャの本名率と陰キャのペンネーム率異常よね。いやまあいいけど。んじゃあ今画像送るわ」
「うん」
そう言って私はシュッシュッポンと(いやこれはLI〇Eじゃないな)私が描いた漫画の画像を送り付けた。
河野は届いたのを確認すると、「ん、オッケーだ。それじゃあ読んでいくから、待ってて」と私に言った。
「お、おう、どんとこい」
……今更ながらに怖くなってきた。私は少し青ざめながら、精一杯の虚勢を張った。
0
あなたにおすすめの小説
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる