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双新星編
本編12 観測世界 その2
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遠くに見覚えのある小屋が見えてくる。
どれぐらい走っていたのか・・・焦る気持ちの所為か最も長く感じる疾走劇だった。
「剣士君、ノックをお願いできますが?」
「フォーチュンさん!フォーチュンさん!居られますか!?お願いです!助けてください!」
呼びかけながら必死でノックをする。
ドアの向こうで気配がし、
「帰れ小僧。どうせロクでもないことじゃ。」
「お願いします!!お願いします!!!もう、あなただけが頼りなんです。開けて・・・開けてください・・・」
ノックをしながら、僕は涙を流し、その場にへたり込む。
『ガチャ』っと少しドアが開き、不機嫌そうなフォーチュンさんが僕らの姿を確認して、
「やっぱりのう。ロクでもなかったわい・・・」
続けて、「入れ。馬鹿者ども。」そう言って小屋に入れてくれた。
聖女様はテーブルに寝かされている。
目は虚ろで、息も薄い。
フォーチュンさんはその様子をじっと確認し、
「玉無し。」
放浪者さんをこれまでにないくらいの非難の目で見る。
「私も、反対しました。」
「だったら!!!!・・・何故連れてくるのじゃ・・・」
こんなフォーチュンさんの顔は初めてだ・・・その表情は顔を歪め、悲しみ、苦しみ、苦悩する表情だった。
「小僧よ・・・人はいつか死ぬ。それが早いか、それとも遅いかの違いじゃ。」
そう言って聖女様のローブのポケットをまさぐり、
「なあ・・・小僧よ。別れは必然じゃ。どちらかが先に逝き、どちらかが残るのじゃ。じゃからな・・・これからはこの子の想い出と共に生きていく、それで納得出来んか?」
そう言って聖女様のポケットから取り出したものを僕に渡してくる。
それはかつて皆で撮った集合写真だった。
僕らが過ごした幸せな時間。
笑い合った時間。
その記録。
僕はそれを受け取る。
聖女様がもう片方のポケットに手を伸ばし、何かを取ろうとしている。
「聖女様!!どうしたの?何かあるの?」
僕が代わりに調べ・・・そこから出てきたのは・・・
かつて僕がプレゼントしたピンク色のイミテーション石が使われたネックレスだった。
それを手に握らせてあげると、
ゆっくり胸に抱き、幸せそうに笑う。
その様子に僕も女騎士さんも涙が止まらなかった。
僕は静かに、
「フォーチュン様、僕はどうしても聖女様に生きていてほしい。」
そう伝える。
『ふぅ』と小さいため息を吐き、
「わし等が止める。理由を話そう。」
「フォーチュンさん!もうそんな時間は。」
「待て小僧。聞け。正確にはもう治療は無理じゃ。」
「え・・・・そんな・・・じゃあ!!!なんd・・・」
僕は食ってかかろうとして、頭を殴られる。
「聞けと言うておろう!治療や蘇生では無いのじゃ。この娘の運命を変える。ワシの最大の秘術、まさに”フォーチュン”の名を冠するな。」
「そ、それはどういう・・・」
「いいか、世界が変わるのじゃ。お前たちは大切な人が、こうして失う場面に直面している。その事象自体は変えられん。でもな・・・”誰が死ぬか”はその儀式で変えられる。」
なんてことだ・・・悪魔の取引だ。
仲間は失う。その失う仲間を別の仲間に変えようと言うのだ。つまりそれは・・・
「私・・・・だな。」
女騎士さんの表情は無くその感情は読み取れなかった。
「それを僕に!僕に出来ないんですか!!!!」
フォーチュンさんに懇願する。
「小僧・・・この術はな、あのライブラ神の力によるものじゃ。あの人は報酬が大きければ大きいほど、大きい対価を求める。
この術はな、死んだ仲間の最も近しい人、惹かれ合っている人を起点に発動する。その起点者は対価には選ばれない。好きな者の為に命も捧げられん、さらに罪まで被せる、ライブラ神らしい禁呪じゃ。つまりどうあっても運命はお主に耐えがたい犠牲と苦痛を求める・・・それが条件じゃ。」
まさか・・・この人もライブラの使徒だったなんて・・・
「のう・・・小僧。お主もな・・・ライブラの使徒なら知っておろう。選択には犠牲、報酬には対価じゃ。
人一人の命の対価じゃ・・・わしも全く予想がつかん。おそらく、この娘の命以上の対価を払うことになるじゃろうて・・・はっきり言おう。やめておけ。全く割に合わん取引になる。」
この話は僕だけで、どうこうできる範囲を超えてしまっている。
僕の一存で女騎士さんを殺すなんて・・・そんなこと出来るわけ・・・
殆ど口を出さなかった女騎士さんが口を挟む。
「フォーチュン様、やってください・・・。私の命を使ってくれ。」
「ま、待ってください!女騎士さん!まだ何か・・・」
全て言う前に、女騎士さんに遮られる。
「剣士君。いいんだ・・・。元々私はこの世界に来た時、空っぽだったんだ。終わっていたんだよ・・・。終わった人間にとって君たちと過ごせた時間はとても贅沢だった。随分楽しい延長戦だったよ・・・。だから私の命使ってくれ。」
その瞳には優しい覚悟が宿っていた。
「お主・・・聞いてなかったのか!?それ以上が起きるかもしれんし、何がどうなるかわからないんじゃ!!!・・・絶対わりに合わない取引だと・・・」
今まで静かだった放浪者さんが口を開く。
「フォーチュン。誰しもが理にかなった選択が出来るとは限りません。時に不合理であるとわかっていても、それを選んでしまうのです。それが・・・人です。」
その言葉にフォーチュンさんは怒りをあらわにしながら、
「お主は!!!いつも理を取るお主が!!どんな時も!”あの時”だってそうした、そのお前がそれを言うのか!!!なんで・・・こんな時こそ説き伏せろ!なんで・・・・なんで・・・こんな時に限って・・・だから・・・お前は嫌いなんじゃ・・・」
「すみません・・・フォーチュン・・・私はいつもあなたを苦しませる・・・」
「嫌いじゃ・・・嫌いじゃ・・・バカたれ・・・玉無し野郎。」
フォーチュンさんは年相応の女の子のように泣き出す。
「フォーチュンさん・・・」
僕は一言呼びかけ、じっと見つめる。女騎士さんも揺るぎない固い瞳でフォーチュンさんを見ていた。
フォーチュンさんは涙をぬぐい、僕らを睨みつける様に、
「よいか。必ずライブラの代償はお主を地獄の底に叩き落とす!これは確実じゃ!罪に苛まれ、心が引き裂かれ、後悔で立ち上がれなくなるほどの苦しみを受ける。生きたまま地獄の業火に焼かれる。それでもいいんじゃな?」
僕と女騎士さんは同時に頷く。
「わかった。運命転換の儀を始める。」
フォーチュンさんが呪文を唱え、そして小さく、
「これは私の罪でもある・・・」
そう呟き、
「 運 命 転 換 ! ! ! ! 」
フォーチュンさんが叫ぶと聖女様から光があふれだす。
僕は女騎士さんの手を握り「ごめんなさい・・・」と謝る。
女騎士さんは静かに首を振り、穏やかな顔で「楽しかった・・・本当に。」そう言った。
光が辺りを包み込み、自分が立っているのか、寝ているのか、座っているのか、それさえも感覚が無くなる。
そして光が徐々に収束すると、そこには・・・
全 く 知 ら な い 女 の 子 が 死 ん で い た
な、なんだ・・・何が・・・起きたんだ。この子は誰なんだ!?僕は何をしてしまったんだ!!!
ただ漠然と、とんでもないことをしてしまった、その感覚だけが心にある!!!
うまく呼吸ができない、激しく動悸し、僕は自分の胸をわし掴みにし、倒れた。
女騎士さんが僕を呼ぶ声がする・・・僕はそれ以上意識を保てず、手放した。
意識が戻ってくる。
心配そうに覗き込む女騎士さん。
身体を起こそうとすると激痛が・・・
クソ!こんな時に能力の反動が来やがって・・・
「大丈夫か!?無理するな。」
「大丈夫です。・・・それよりも今は寝てられません。”あの子”はどうなりましたか?」
女騎士さんは困惑した表情を浮かべ、
「フォーチュン様が魔法で一時保存をされている。」
「手を貸してください、女騎士さん。僕は・・・確かめなくちゃならない。」
「わかった・・・」
そう言って肩で僕を担いでくれる。
テーブルの前に立つ。テーブルは女の子ごと氷漬けにされていた。
やはり知らない、誰かわからない・・・ただ・・・
「女騎士さん、この子・・・知っていますか?」
「いや・・・。私も困惑している。フォーチュン様が運命を変える秘術をした。それはわかっている。しかし”何のために”それをしたのかが分からないんだ・・・それはフォーチュン様も放浪者殿も・・・君もなんじゃないか?」
「ええ・・・ただ・・・心の気持ち悪さ・・・抉られる感覚。自責の念だけあるんです。こうして立って彼女を見ているだけで、また倒れてしまいそうなくらい。」
この子が誰かわからない・・・フォーチュンさんは僕に報酬に対して割に合わないほどの代償が伴うと言っていた。
それがまさか、誰を犠牲にしたのか理解できず、罪の自認すら奪い、後悔や慚愧の機会まで奪うとは思わなかった。
ただ苦しみだけを与えて・・・そして、それだけ支払って”何を得たのかもわからない”
えげつなさすぎる・・・なんなんだ・・・あの糞神の能力は・・・チクショウ。異世界転移なんだから、もっと気持ちよくさせてくれよ・・・・だから、嫌いなんだ。敬いたくもないんだ。クソッ・・・・
目の前で静かに眠る彼女。この子はきっと僕の大切な人なのだろう。
だってこの子が誰かわからないけれども、
わかることがあるもの。
彼女が着ている服は、僕が元居た世界の学校の制服なのだから・・・・
どれぐらい走っていたのか・・・焦る気持ちの所為か最も長く感じる疾走劇だった。
「剣士君、ノックをお願いできますが?」
「フォーチュンさん!フォーチュンさん!居られますか!?お願いです!助けてください!」
呼びかけながら必死でノックをする。
ドアの向こうで気配がし、
「帰れ小僧。どうせロクでもないことじゃ。」
「お願いします!!お願いします!!!もう、あなただけが頼りなんです。開けて・・・開けてください・・・」
ノックをしながら、僕は涙を流し、その場にへたり込む。
『ガチャ』っと少しドアが開き、不機嫌そうなフォーチュンさんが僕らの姿を確認して、
「やっぱりのう。ロクでもなかったわい・・・」
続けて、「入れ。馬鹿者ども。」そう言って小屋に入れてくれた。
聖女様はテーブルに寝かされている。
目は虚ろで、息も薄い。
フォーチュンさんはその様子をじっと確認し、
「玉無し。」
放浪者さんをこれまでにないくらいの非難の目で見る。
「私も、反対しました。」
「だったら!!!!・・・何故連れてくるのじゃ・・・」
こんなフォーチュンさんの顔は初めてだ・・・その表情は顔を歪め、悲しみ、苦しみ、苦悩する表情だった。
「小僧よ・・・人はいつか死ぬ。それが早いか、それとも遅いかの違いじゃ。」
そう言って聖女様のローブのポケットをまさぐり、
「なあ・・・小僧よ。別れは必然じゃ。どちらかが先に逝き、どちらかが残るのじゃ。じゃからな・・・これからはこの子の想い出と共に生きていく、それで納得出来んか?」
そう言って聖女様のポケットから取り出したものを僕に渡してくる。
それはかつて皆で撮った集合写真だった。
僕らが過ごした幸せな時間。
笑い合った時間。
その記録。
僕はそれを受け取る。
聖女様がもう片方のポケットに手を伸ばし、何かを取ろうとしている。
「聖女様!!どうしたの?何かあるの?」
僕が代わりに調べ・・・そこから出てきたのは・・・
かつて僕がプレゼントしたピンク色のイミテーション石が使われたネックレスだった。
それを手に握らせてあげると、
ゆっくり胸に抱き、幸せそうに笑う。
その様子に僕も女騎士さんも涙が止まらなかった。
僕は静かに、
「フォーチュン様、僕はどうしても聖女様に生きていてほしい。」
そう伝える。
『ふぅ』と小さいため息を吐き、
「わし等が止める。理由を話そう。」
「フォーチュンさん!もうそんな時間は。」
「待て小僧。聞け。正確にはもう治療は無理じゃ。」
「え・・・・そんな・・・じゃあ!!!なんd・・・」
僕は食ってかかろうとして、頭を殴られる。
「聞けと言うておろう!治療や蘇生では無いのじゃ。この娘の運命を変える。ワシの最大の秘術、まさに”フォーチュン”の名を冠するな。」
「そ、それはどういう・・・」
「いいか、世界が変わるのじゃ。お前たちは大切な人が、こうして失う場面に直面している。その事象自体は変えられん。でもな・・・”誰が死ぬか”はその儀式で変えられる。」
なんてことだ・・・悪魔の取引だ。
仲間は失う。その失う仲間を別の仲間に変えようと言うのだ。つまりそれは・・・
「私・・・・だな。」
女騎士さんの表情は無くその感情は読み取れなかった。
「それを僕に!僕に出来ないんですか!!!!」
フォーチュンさんに懇願する。
「小僧・・・この術はな、あのライブラ神の力によるものじゃ。あの人は報酬が大きければ大きいほど、大きい対価を求める。
この術はな、死んだ仲間の最も近しい人、惹かれ合っている人を起点に発動する。その起点者は対価には選ばれない。好きな者の為に命も捧げられん、さらに罪まで被せる、ライブラ神らしい禁呪じゃ。つまりどうあっても運命はお主に耐えがたい犠牲と苦痛を求める・・・それが条件じゃ。」
まさか・・・この人もライブラの使徒だったなんて・・・
「のう・・・小僧。お主もな・・・ライブラの使徒なら知っておろう。選択には犠牲、報酬には対価じゃ。
人一人の命の対価じゃ・・・わしも全く予想がつかん。おそらく、この娘の命以上の対価を払うことになるじゃろうて・・・はっきり言おう。やめておけ。全く割に合わん取引になる。」
この話は僕だけで、どうこうできる範囲を超えてしまっている。
僕の一存で女騎士さんを殺すなんて・・・そんなこと出来るわけ・・・
殆ど口を出さなかった女騎士さんが口を挟む。
「フォーチュン様、やってください・・・。私の命を使ってくれ。」
「ま、待ってください!女騎士さん!まだ何か・・・」
全て言う前に、女騎士さんに遮られる。
「剣士君。いいんだ・・・。元々私はこの世界に来た時、空っぽだったんだ。終わっていたんだよ・・・。終わった人間にとって君たちと過ごせた時間はとても贅沢だった。随分楽しい延長戦だったよ・・・。だから私の命使ってくれ。」
その瞳には優しい覚悟が宿っていた。
「お主・・・聞いてなかったのか!?それ以上が起きるかもしれんし、何がどうなるかわからないんじゃ!!!・・・絶対わりに合わない取引だと・・・」
今まで静かだった放浪者さんが口を開く。
「フォーチュン。誰しもが理にかなった選択が出来るとは限りません。時に不合理であるとわかっていても、それを選んでしまうのです。それが・・・人です。」
その言葉にフォーチュンさんは怒りをあらわにしながら、
「お主は!!!いつも理を取るお主が!!どんな時も!”あの時”だってそうした、そのお前がそれを言うのか!!!なんで・・・こんな時こそ説き伏せろ!なんで・・・・なんで・・・こんな時に限って・・・だから・・・お前は嫌いなんじゃ・・・」
「すみません・・・フォーチュン・・・私はいつもあなたを苦しませる・・・」
「嫌いじゃ・・・嫌いじゃ・・・バカたれ・・・玉無し野郎。」
フォーチュンさんは年相応の女の子のように泣き出す。
「フォーチュンさん・・・」
僕は一言呼びかけ、じっと見つめる。女騎士さんも揺るぎない固い瞳でフォーチュンさんを見ていた。
フォーチュンさんは涙をぬぐい、僕らを睨みつける様に、
「よいか。必ずライブラの代償はお主を地獄の底に叩き落とす!これは確実じゃ!罪に苛まれ、心が引き裂かれ、後悔で立ち上がれなくなるほどの苦しみを受ける。生きたまま地獄の業火に焼かれる。それでもいいんじゃな?」
僕と女騎士さんは同時に頷く。
「わかった。運命転換の儀を始める。」
フォーチュンさんが呪文を唱え、そして小さく、
「これは私の罪でもある・・・」
そう呟き、
「 運 命 転 換 ! ! ! ! 」
フォーチュンさんが叫ぶと聖女様から光があふれだす。
僕は女騎士さんの手を握り「ごめんなさい・・・」と謝る。
女騎士さんは静かに首を振り、穏やかな顔で「楽しかった・・・本当に。」そう言った。
光が辺りを包み込み、自分が立っているのか、寝ているのか、座っているのか、それさえも感覚が無くなる。
そして光が徐々に収束すると、そこには・・・
全 く 知 ら な い 女 の 子 が 死 ん で い た
な、なんだ・・・何が・・・起きたんだ。この子は誰なんだ!?僕は何をしてしまったんだ!!!
ただ漠然と、とんでもないことをしてしまった、その感覚だけが心にある!!!
うまく呼吸ができない、激しく動悸し、僕は自分の胸をわし掴みにし、倒れた。
女騎士さんが僕を呼ぶ声がする・・・僕はそれ以上意識を保てず、手放した。
意識が戻ってくる。
心配そうに覗き込む女騎士さん。
身体を起こそうとすると激痛が・・・
クソ!こんな時に能力の反動が来やがって・・・
「大丈夫か!?無理するな。」
「大丈夫です。・・・それよりも今は寝てられません。”あの子”はどうなりましたか?」
女騎士さんは困惑した表情を浮かべ、
「フォーチュン様が魔法で一時保存をされている。」
「手を貸してください、女騎士さん。僕は・・・確かめなくちゃならない。」
「わかった・・・」
そう言って肩で僕を担いでくれる。
テーブルの前に立つ。テーブルは女の子ごと氷漬けにされていた。
やはり知らない、誰かわからない・・・ただ・・・
「女騎士さん、この子・・・知っていますか?」
「いや・・・。私も困惑している。フォーチュン様が運命を変える秘術をした。それはわかっている。しかし”何のために”それをしたのかが分からないんだ・・・それはフォーチュン様も放浪者殿も・・・君もなんじゃないか?」
「ええ・・・ただ・・・心の気持ち悪さ・・・抉られる感覚。自責の念だけあるんです。こうして立って彼女を見ているだけで、また倒れてしまいそうなくらい。」
この子が誰かわからない・・・フォーチュンさんは僕に報酬に対して割に合わないほどの代償が伴うと言っていた。
それがまさか、誰を犠牲にしたのか理解できず、罪の自認すら奪い、後悔や慚愧の機会まで奪うとは思わなかった。
ただ苦しみだけを与えて・・・そして、それだけ支払って”何を得たのかもわからない”
えげつなさすぎる・・・なんなんだ・・・あの糞神の能力は・・・チクショウ。異世界転移なんだから、もっと気持ちよくさせてくれよ・・・・だから、嫌いなんだ。敬いたくもないんだ。クソッ・・・・
目の前で静かに眠る彼女。この子はきっと僕の大切な人なのだろう。
だってこの子が誰かわからないけれども、
わかることがあるもの。
彼女が着ている服は、僕が元居た世界の学校の制服なのだから・・・・
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