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黄金都市編
黄金都市編その3
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街の中心部に近いところ来たのだろうか?商店の多く、人通りも一際多い。
「ここです。それでは私はこれで。」
そう言って小柄な門衛の人は持ち場に戻るのであろう、足早に来た道を戻ってゆく。
目の前には周りに建つ建物よりも大きい建物。
「では行きましょう。」
放浪者さんはそう言って大きな観音開きの扉を開けて入ってゆく。僕達もそれに続き足を踏み入れた。
中は沢山の窓口があり、どこも慌ただしい様子だ。放浪者さんは手近な窓口に行き女性の職員らしき人に話しかけた。
「すみません。ジャッジメントに取次ぎをお願いします。」
「発券機で整理券取って並んでくださーい。」
「え?」
「だから、そこで整理券取って並んでください。」
職員さんは無愛想に後ろを指す。そこには発券機らしき機械があった。
「は?いつからこんなことに?」
「いつからって・・・もう十数年は・・・。あなた、市民証は?」
あからさまに訝しむ職員さんは放浪者さんに何か証の提示を求めたが・・・
「え?そんなもの持っていませんよ?」
「・・・」
「・・・」
二人の間に沈黙が流れる。
「ふ・・・」
「ふ?」
「不法滞在人よーーーー!!!衛兵呼んでーーー!!!」
職員さんが叫び、施設内が大きくざわめきだす。
「どういうことなんです!?放浪者さん!・・・てか、あなたここにしょっちゅう来てるんですよね!?」
「いやぁ~、この施設には来ないですねぇ・・・」
「二人とも!呑気に言い合ってる場合じゃない!人が集まってくるぞ!どうするんだ!?逃げるのか!?」
「そうだ、逃げなきゃ!」
「いえ、このままでいいです。どうせ目的の人物にも会えるでしょうし。」
そう言って放浪者さんはドカッと椅子に腰かけて欠伸をする始末。周りの人は巻き込まれたくないのか、距離を取り僕らを離れて見ていたり、ゆっくりと出入口に移動して逃げ出したりしていた。
「珍しく顔を見せたと思ったこの騒ぎ・・・・嫌がらせか?」
階段の踊り場から僕らを見下ろす少年が立っていて、話しながらゆっくりと降りてくる。
その少年に向かってヒラヒラと手を振る放浪者さん。
「ああ、こいつは特別なんだ。市民証も出していない。出してもどうせ失くすからな。まぁ、人畜無害だし滅多に現れる奴じゃないから覚えておく必要もない。それとこの街の全員が市民証を持ってるわけでもないし、持っていないからといって犯罪者でもない。はき違えるな。」
1階まで降りてきた少年風の彼はそう言って、おののく窓口の女性職員を窘めて仕事に戻るよう促した。
「いつからこんなにめんどくさい事に?」
少年に向かって気さくに話しかける放浪者さん。
「もうこういう風になって100年弱になるぞ。」
「へぇ~、結構最近なんですね。知らないわけだ。」
最近とはいったい・・・
「・・・100年弱を結構最近などと言うのは原初のお前らくらいだぞ。」
デスヨネー。その反応が普通デスヨネー。
少年は『はぁ・・・』ため息をつき、
「上がれよ。話があるんだろう?」
そう言って親指で2階を指した。
部屋の隅には高そうな巨大な壺。足元には高級感ある敷物。その上には座り心地がよさそうな大きな皮張りのソファ。壁には赴きある大きなアンティークの時計。壁には巨大な白い毛皮の一部だろうか?が掛けられてここがお偉いさんの部屋だと一目で分かる様になっていた。
「まぁ、掛けろよ。」
そう言って少年はソファを進めてくれて僕ら3人は並んで腰かけた。
少年は僕らの向かいに腰かけ
「悪いな。茶は出せないぞ。人が足りていないんだ。正直今の時間も惜しいくらいだ。」
ニコニコとした顔を崩さず嫌味を言われる。まぁ、放浪者さんを知っていれば歓迎はされないか。本人も、連れている人物も。
「久しぶりなのに連れませんね、ジャッジメント。では、簡潔にいきましょう。私の隣の二人なんですがね。塔に登りたいそうです。」
(流れで分かっちゃいたが、この少年がジャッジメントなのか・・・)
「何?」
視線を僕らに移し、鋭い目で手早く上から下まで見ると、また放浪者さんの方を向いた。
「どれほどだ?」
実力の事だろうな。今は僕も無能力者。これで塔に登りたいと言っても駄目だろう。
さて、どう言い繕うか・・・。ちらっと隣の女騎士さんに目配せしてみる。女騎士さんも言わんとしたことが分かったのかコクリと頷く。
そして口を挟もうとした瞬間
「二人とも無能力者ですよ。」
ニコニコ笑顔であっさりとばらしてしまう禿げ。ナニシテンノ、コノヒト。
隣の女騎士さんも口が半開きである。
「おい。馬鹿にしてるのか。」
一気に顔が険しくなる。当然だろう。
「あはははは。馬鹿にはしてませんよ。言いたいことは分かります。ですのでこの二人にはこの町の登竜門とも言えるアレをパスできるならまぁ及第点だと思いませんか?」
放浪者さんの提案を聞いたジャッジメントさんは顔を歪ませ馬鹿にしたような嫌味たらしい半笑いになる。
「へっ・・・。まさかまさか、お前さんでもそういうことするんだな。そう言うことか。あれだな。その二人のお守が面倒になったから体よく始末しにきたってか?だがな・・・」
笑みが消えて怒気を孕んだ殺気が籠る。
「うちの街は厄介者の”処理場”じゃねえんだよ。帰りな。」
「いやいや~・・・」
飄々とした放浪者さんの笑みがフッと消える。
「本気ですよ。」
その殺気に気圧されることなく真剣な表情で言い返す。
二人は一言も言葉を発さず互いに視線を外さず見つめ合う。
音の消えた部屋に時計の音だけが嫌に大きく聞こえた。
どれほど時が過ぎたろう。ジャッジメントさんが大きなため息を吐き
「・・・手配はしてやる。」
そう言って折れた。
僕らはお礼を言って放浪者さんに続き退室しようとしたとき
「おい。お前ら。」
ジャッジメントさんに僕と女騎士さんは呼び止められる。
「?なんでしょう?」
「へ・・・馬鹿共が。どうせ何も聞いてないんだろ?そう言う奴だからな、あいつは。ここはゴールドラッシュが打ち立てた黄金の都市だ。金が全てだ。金の無い奴はゴミ以下だ。ここに居るなら価値を示せよ。」
言いたいことを言うと書類に目を落とし、ジェスチャーで出ていけと言わんばかりに手を振る。
それを横目で見ながら今度こそドアを閉めて僕らは部屋を後にした。
「さっきの・・・どういうことなのでしょうか?」
女騎士さんが道行く放浪者さんの背中に問いかける。
「あー・・・さっきジャッジメントが言ってたようにここはですね~ゴールドラッシュという金の亡者が作った経済都市でして、ここで発行されてる金さえあれば、ここで暮らすのに不自由しません。逆に無ければ何も出来ない、この街の滞在する資格すらありません。なので君たちには、ここに初めて誰のつてもなくやって来た者が唯一大きくお金を稼ぐことが出来る黄金都市名物・・・」
放浪者さんが足を止める。目の前には見上げるような大きな施設があった。
(さっきの小冊子の条項.1・・・そう言うことか・・・)
僕がその全容を捕らえようと見上げた瞬間・・・
『ワアアアアアアアアアア!!!!!』
大きな怒号が外まで届く。
「この大闘技場で戦ってもらいます。」
鳴りやまぬ怒号を後背に怪しげに笑う放浪者さん。
隣を見るとじっとりと額に冷汗をかき緊張した面持ちの女騎士さん。
きっと僕も同じような表情をしていることだろう。
ジャッジメントさんが”処理”しに来たと言ったことが理解される。
なんせここは普通の闘技場じゃない。
神から異能力や神器を与えられ、かつては世界を救った者たちが命をかけて戦う闘技場なのだから・・・
「ここです。それでは私はこれで。」
そう言って小柄な門衛の人は持ち場に戻るのであろう、足早に来た道を戻ってゆく。
目の前には周りに建つ建物よりも大きい建物。
「では行きましょう。」
放浪者さんはそう言って大きな観音開きの扉を開けて入ってゆく。僕達もそれに続き足を踏み入れた。
中は沢山の窓口があり、どこも慌ただしい様子だ。放浪者さんは手近な窓口に行き女性の職員らしき人に話しかけた。
「すみません。ジャッジメントに取次ぎをお願いします。」
「発券機で整理券取って並んでくださーい。」
「え?」
「だから、そこで整理券取って並んでください。」
職員さんは無愛想に後ろを指す。そこには発券機らしき機械があった。
「は?いつからこんなことに?」
「いつからって・・・もう十数年は・・・。あなた、市民証は?」
あからさまに訝しむ職員さんは放浪者さんに何か証の提示を求めたが・・・
「え?そんなもの持っていませんよ?」
「・・・」
「・・・」
二人の間に沈黙が流れる。
「ふ・・・」
「ふ?」
「不法滞在人よーーーー!!!衛兵呼んでーーー!!!」
職員さんが叫び、施設内が大きくざわめきだす。
「どういうことなんです!?放浪者さん!・・・てか、あなたここにしょっちゅう来てるんですよね!?」
「いやぁ~、この施設には来ないですねぇ・・・」
「二人とも!呑気に言い合ってる場合じゃない!人が集まってくるぞ!どうするんだ!?逃げるのか!?」
「そうだ、逃げなきゃ!」
「いえ、このままでいいです。どうせ目的の人物にも会えるでしょうし。」
そう言って放浪者さんはドカッと椅子に腰かけて欠伸をする始末。周りの人は巻き込まれたくないのか、距離を取り僕らを離れて見ていたり、ゆっくりと出入口に移動して逃げ出したりしていた。
「珍しく顔を見せたと思ったこの騒ぎ・・・・嫌がらせか?」
階段の踊り場から僕らを見下ろす少年が立っていて、話しながらゆっくりと降りてくる。
その少年に向かってヒラヒラと手を振る放浪者さん。
「ああ、こいつは特別なんだ。市民証も出していない。出してもどうせ失くすからな。まぁ、人畜無害だし滅多に現れる奴じゃないから覚えておく必要もない。それとこの街の全員が市民証を持ってるわけでもないし、持っていないからといって犯罪者でもない。はき違えるな。」
1階まで降りてきた少年風の彼はそう言って、おののく窓口の女性職員を窘めて仕事に戻るよう促した。
「いつからこんなにめんどくさい事に?」
少年に向かって気さくに話しかける放浪者さん。
「もうこういう風になって100年弱になるぞ。」
「へぇ~、結構最近なんですね。知らないわけだ。」
最近とはいったい・・・
「・・・100年弱を結構最近などと言うのは原初のお前らくらいだぞ。」
デスヨネー。その反応が普通デスヨネー。
少年は『はぁ・・・』ため息をつき、
「上がれよ。話があるんだろう?」
そう言って親指で2階を指した。
部屋の隅には高そうな巨大な壺。足元には高級感ある敷物。その上には座り心地がよさそうな大きな皮張りのソファ。壁には赴きある大きなアンティークの時計。壁には巨大な白い毛皮の一部だろうか?が掛けられてここがお偉いさんの部屋だと一目で分かる様になっていた。
「まぁ、掛けろよ。」
そう言って少年はソファを進めてくれて僕ら3人は並んで腰かけた。
少年は僕らの向かいに腰かけ
「悪いな。茶は出せないぞ。人が足りていないんだ。正直今の時間も惜しいくらいだ。」
ニコニコとした顔を崩さず嫌味を言われる。まぁ、放浪者さんを知っていれば歓迎はされないか。本人も、連れている人物も。
「久しぶりなのに連れませんね、ジャッジメント。では、簡潔にいきましょう。私の隣の二人なんですがね。塔に登りたいそうです。」
(流れで分かっちゃいたが、この少年がジャッジメントなのか・・・)
「何?」
視線を僕らに移し、鋭い目で手早く上から下まで見ると、また放浪者さんの方を向いた。
「どれほどだ?」
実力の事だろうな。今は僕も無能力者。これで塔に登りたいと言っても駄目だろう。
さて、どう言い繕うか・・・。ちらっと隣の女騎士さんに目配せしてみる。女騎士さんも言わんとしたことが分かったのかコクリと頷く。
そして口を挟もうとした瞬間
「二人とも無能力者ですよ。」
ニコニコ笑顔であっさりとばらしてしまう禿げ。ナニシテンノ、コノヒト。
隣の女騎士さんも口が半開きである。
「おい。馬鹿にしてるのか。」
一気に顔が険しくなる。当然だろう。
「あはははは。馬鹿にはしてませんよ。言いたいことは分かります。ですのでこの二人にはこの町の登竜門とも言えるアレをパスできるならまぁ及第点だと思いませんか?」
放浪者さんの提案を聞いたジャッジメントさんは顔を歪ませ馬鹿にしたような嫌味たらしい半笑いになる。
「へっ・・・。まさかまさか、お前さんでもそういうことするんだな。そう言うことか。あれだな。その二人のお守が面倒になったから体よく始末しにきたってか?だがな・・・」
笑みが消えて怒気を孕んだ殺気が籠る。
「うちの街は厄介者の”処理場”じゃねえんだよ。帰りな。」
「いやいや~・・・」
飄々とした放浪者さんの笑みがフッと消える。
「本気ですよ。」
その殺気に気圧されることなく真剣な表情で言い返す。
二人は一言も言葉を発さず互いに視線を外さず見つめ合う。
音の消えた部屋に時計の音だけが嫌に大きく聞こえた。
どれほど時が過ぎたろう。ジャッジメントさんが大きなため息を吐き
「・・・手配はしてやる。」
そう言って折れた。
僕らはお礼を言って放浪者さんに続き退室しようとしたとき
「おい。お前ら。」
ジャッジメントさんに僕と女騎士さんは呼び止められる。
「?なんでしょう?」
「へ・・・馬鹿共が。どうせ何も聞いてないんだろ?そう言う奴だからな、あいつは。ここはゴールドラッシュが打ち立てた黄金の都市だ。金が全てだ。金の無い奴はゴミ以下だ。ここに居るなら価値を示せよ。」
言いたいことを言うと書類に目を落とし、ジェスチャーで出ていけと言わんばかりに手を振る。
それを横目で見ながら今度こそドアを閉めて僕らは部屋を後にした。
「さっきの・・・どういうことなのでしょうか?」
女騎士さんが道行く放浪者さんの背中に問いかける。
「あー・・・さっきジャッジメントが言ってたようにここはですね~ゴールドラッシュという金の亡者が作った経済都市でして、ここで発行されてる金さえあれば、ここで暮らすのに不自由しません。逆に無ければ何も出来ない、この街の滞在する資格すらありません。なので君たちには、ここに初めて誰のつてもなくやって来た者が唯一大きくお金を稼ぐことが出来る黄金都市名物・・・」
放浪者さんが足を止める。目の前には見上げるような大きな施設があった。
(さっきの小冊子の条項.1・・・そう言うことか・・・)
僕がその全容を捕らえようと見上げた瞬間・・・
『ワアアアアアアアアアア!!!!!』
大きな怒号が外まで届く。
「この大闘技場で戦ってもらいます。」
鳴りやまぬ怒号を後背に怪しげに笑う放浪者さん。
隣を見るとじっとりと額に冷汗をかき緊張した面持ちの女騎士さん。
きっと僕も同じような表情をしていることだろう。
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