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黄金都市編
黄金都市編その12
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朝に朝食も兼ねてカルディアさんが働くお店を尋ねた僕達。昨日のアルバイト代だとマスターが市民権もない僕らに対して少しお金をくれたので昨日に続き食事に来ていたのだ。美味しい料理に舌鼓を打ち、店を出るときに彼女に話しかけられた。
「すみません・・・私もお手伝い出来れば良かったんですが、先に手を直して来ようと思って・・・。」
申し訳なさそうにするカルディアさん。昨日劇的な出会いをしたけど話してみると僕と違って礼儀正しいし、ちょっと引っ込み思案なところあるけど、女騎士さんと違ってゴリラじゃないし、フォーチュンさんと違って癇癪起こして喚かないし、もしかして正統派ヒロインなのでは!?あの口うるさい犬コロのこぶ付きじゃなければ完璧だったのになぁ~。
「・・・しさん。剣士さん!」
「あ、ごめん。聞いてなかった。何?」
「・・・大丈夫ですか?もしかして昨日の怪我の具合が・・・」
オロオロすると頭のアホ毛がぴょこぴょこ動くんだよ、これもイイ!!
「放って置いてください。あの顔は失礼なことを考えてるときの顔です。」
ジト目で抗議してくる女騎士さん。やめてよね!僕の評判落とすのは。
「そんな!剣士さんは明るくて面白くて、ちょっとカッコいいじゃないですか。」
ええ子や~。でもカッコいいはちょっとなのか・・・
「カルディアさんもこいつともうしばらく付き合えばどういう人間かわかります。まぁ、さっきのことは道すがら彼に説明しておきますので・・・」
酷い!なんでそんなに足引っ張るの?僕達仲間だよね?おかあちゃん。
「あはは・・・そうですか、では気を付けて!」
カルディアさんに見送られ闘技場に向かう。女騎士さんはズンズンと早足に進んでゆく。
「全くお前と来たら、デレデレして・・・悪かったな、私はごつくて。」
店を後にしてから不機嫌な女騎士さん。てか、思考をトレースしないでください。
「そんなことないですよ!女騎士さんも可愛い、可愛い!」
「お、おだててるのは解っているんだからな!」
あらー可愛い。そんなこと言っても満更じゃないところが。足取りも少し軽やかになってるし。
「で?さっきカルディアさんはどんな話を?」
「今日はマスターに頼んでこれから休みを貰うそうだ。それで手の修理と私達の相手の『アイスエイジ』について聞き込みをしてくれるそうだ。」
「危なくないんですか?」
「外出時はあの『てっちゃん』とかいうガルムがボディーガードについているそうだ。」
あの生意気なしゃべるガルムか・・・ただ寝ているだけの石潰しじゃなかったんだな。しゃべる能力を生かしてサーカス団にでもいけばいいのに。
考え事をしながら歩いているうちに闘技場に戻ってくる。ホールで僕らの試合を確認すると・・・あと3時間後くらいだな・・・って・・・
「なんじゃこりゃあああああ!?」
「おい、剣士君!?大声を出すな!」
女騎士さんは僕の口元を手で塞ぎ、素早く辺りを見渡す。時すでに遅し、さっきの僕の声で注目を集めてしまったらしく下卑た視線が僕らに注がれている。
「仕方ない。すぐ部屋に戻ろう。」
女騎士さんの提案で、そそくさと逃げるように二階の借りている部屋に急いで駆け込んだ。
「どうしましたー?そんなに急いで。」
部屋では放浪者さんが静かに瞑想に耽っているところで僕らの慌てように気付き声をかけてきた。
「どーしたもこーしたも!なんですか!?あのオッズ!」
「おー、さっきは1.8対200ぐらいでしたね。」
「もう1.3対300近くになってましたよ!!」
「わ~、勝てば万馬券ですね~。」
おめでとー!みたいに言わんでください。こっちは出場者なんですから!!
「相手はどんな奴なんですか!?」
「さぁ?でも、強いんじゃないですか?」
「そんなとこで座ってる間あったら調べてくださいよ。」
「下調べも実力のうちですよ。」
「きーーーーーー!!!」
絶対楽しんでやがる。出場名といい、昨日の宣伝行為といい。こっちは命張ってるっていうのに!
「剣士君、放浪者殿のいう通りだ。これからは頼れる人は少なくなる。自分たちでやろう。」
仕方ない。僕らは再び情報収集の為に部屋を飛び出した。
・・・が
「せちがれぇ・・・・」
街の大通りの広場のベンチに二人並んで座って項垂れていた。
『アイスエイジ』の聞き込みを行ったが、知っている人がいてもお金が無けりゃ情報を売ってくれない・・・。なんでも金で解決するこの都市らしいと言えばらしいのだが・・・。
「しょうがない、剣士君。諦めてそのままぶつかるしかない。」
それしか無いか・・・もう時間も差し迫っている。諦めて戻るしか・・・
「おーい!お二人さーん。」
声をあげながら近づいてきたのはガルムに跨ったカルディアさんだった。
「間に合って良かったです。アイスエイジさんの事少し聞けましたよ。」
もしかしたらさっきまでずっと色んなところで聞き込みしてくれていたのかもしれない。
額にはじっとり汗をかき、髪が張り付いて、朝見たボブカットの髪型が崩れていた。
「天使!!!」
カルディアさんの手を取り握ると、
「おい!小僧!汚い手でカルディアに触るな。ばい菌が移る!」
下のおまけから威嚇される。
「こら!てっちゃん!そんなこと言ったら駄目でしょ!」
「でも!カルディア!こいつからはクズの匂いがする!付き合っちゃ駄目な人間だ。」
「君、賢いねー。」
そう言いながら女騎士さんは感心しながらガルムを撫でていた。あれ?あなた僕の味方ですよね?あれ?あるぇ~?
「もう!てっちゃん!謝りなさい!」
カルディアさんに怒られてシュンとなる魔獣。いや、もはや犬コロ。ざまあないぜ!ふふん!僕は心が広いから今なら特別に謝罪を受けてやるよ。カモ~ン。
犬コロは僕の勝ち誇った顔を見るとプイっとそっぽを向いた。
「ごめんなさい・・・剣士さん。」
飼い主が代わりに謝る。
「ぐへへ・・・お嬢さん。ごめんで済んだら警察はいらないんや。身体で支払ってもらおか。」
「え?え?え?」
困惑するカルディアさんに手をわきわきさせながら近づくと後ろから鉄拳が飛んでくる。
「馬鹿は放っておいて話を聞かせてください。」
笑顔で青筋を立てる鬼教官がそこには居ました。
「アイスエイジ・・・特に名を偽ることなく登録したみたいです。小柄な女性でやはり氷の能力を有しているそうですね。普段は芸能活動をしていて結構有名みたいですね。お金には困っている様子は無くって、どうやらお二人が原初の七祖の弟子と聞いて対戦を希望したようで・・・。」
「あの禿げのせいじゃないっすか!ガッデム!」
「もう今更言っても仕方がない。他には何か聞けたかい?」
「あとはスピードに気を付けろって言ってましたね。」
「スピードか・・・」
確かに、氷を扱う小柄な女性という情報からはパワー系とは考え難いな。手数で勝負するタイプか?ジリジリと削られないようにしないとな。遠距離攻撃もあるだろうし厄介そうだ。
「ありがとう、助かったよ。」
女騎士さんがお礼を言いながら、ごく自然にカルディアさんの頭をポンポンすると、カルディアさんは顔を赤らめてモジモジする。僕もやろうと思っていたのに・・・そういうのは僕にやらせてくださいよ・・・。折角、ヒロイン枠が出てきたと思ったのに横取りしないでよ、このヒロイン枠をなでなでするための僕のお手々はどうしたらいいのよ?悔しいのでこのおまけのガルムでも代わりに撫でるか。そう思い手を近づけると・・・
ジーーーーーー・・・
ガブッ!
「いってぇ!!!!!」
「こらーーーーー!!!てっちゃん!!!!」
「すみません・・・私もお手伝い出来れば良かったんですが、先に手を直して来ようと思って・・・。」
申し訳なさそうにするカルディアさん。昨日劇的な出会いをしたけど話してみると僕と違って礼儀正しいし、ちょっと引っ込み思案なところあるけど、女騎士さんと違ってゴリラじゃないし、フォーチュンさんと違って癇癪起こして喚かないし、もしかして正統派ヒロインなのでは!?あの口うるさい犬コロのこぶ付きじゃなければ完璧だったのになぁ~。
「・・・しさん。剣士さん!」
「あ、ごめん。聞いてなかった。何?」
「・・・大丈夫ですか?もしかして昨日の怪我の具合が・・・」
オロオロすると頭のアホ毛がぴょこぴょこ動くんだよ、これもイイ!!
「放って置いてください。あの顔は失礼なことを考えてるときの顔です。」
ジト目で抗議してくる女騎士さん。やめてよね!僕の評判落とすのは。
「そんな!剣士さんは明るくて面白くて、ちょっとカッコいいじゃないですか。」
ええ子や~。でもカッコいいはちょっとなのか・・・
「カルディアさんもこいつともうしばらく付き合えばどういう人間かわかります。まぁ、さっきのことは道すがら彼に説明しておきますので・・・」
酷い!なんでそんなに足引っ張るの?僕達仲間だよね?おかあちゃん。
「あはは・・・そうですか、では気を付けて!」
カルディアさんに見送られ闘技場に向かう。女騎士さんはズンズンと早足に進んでゆく。
「全くお前と来たら、デレデレして・・・悪かったな、私はごつくて。」
店を後にしてから不機嫌な女騎士さん。てか、思考をトレースしないでください。
「そんなことないですよ!女騎士さんも可愛い、可愛い!」
「お、おだててるのは解っているんだからな!」
あらー可愛い。そんなこと言っても満更じゃないところが。足取りも少し軽やかになってるし。
「で?さっきカルディアさんはどんな話を?」
「今日はマスターに頼んでこれから休みを貰うそうだ。それで手の修理と私達の相手の『アイスエイジ』について聞き込みをしてくれるそうだ。」
「危なくないんですか?」
「外出時はあの『てっちゃん』とかいうガルムがボディーガードについているそうだ。」
あの生意気なしゃべるガルムか・・・ただ寝ているだけの石潰しじゃなかったんだな。しゃべる能力を生かしてサーカス団にでもいけばいいのに。
考え事をしながら歩いているうちに闘技場に戻ってくる。ホールで僕らの試合を確認すると・・・あと3時間後くらいだな・・・って・・・
「なんじゃこりゃあああああ!?」
「おい、剣士君!?大声を出すな!」
女騎士さんは僕の口元を手で塞ぎ、素早く辺りを見渡す。時すでに遅し、さっきの僕の声で注目を集めてしまったらしく下卑た視線が僕らに注がれている。
「仕方ない。すぐ部屋に戻ろう。」
女騎士さんの提案で、そそくさと逃げるように二階の借りている部屋に急いで駆け込んだ。
「どうしましたー?そんなに急いで。」
部屋では放浪者さんが静かに瞑想に耽っているところで僕らの慌てように気付き声をかけてきた。
「どーしたもこーしたも!なんですか!?あのオッズ!」
「おー、さっきは1.8対200ぐらいでしたね。」
「もう1.3対300近くになってましたよ!!」
「わ~、勝てば万馬券ですね~。」
おめでとー!みたいに言わんでください。こっちは出場者なんですから!!
「相手はどんな奴なんですか!?」
「さぁ?でも、強いんじゃないですか?」
「そんなとこで座ってる間あったら調べてくださいよ。」
「下調べも実力のうちですよ。」
「きーーーーーー!!!」
絶対楽しんでやがる。出場名といい、昨日の宣伝行為といい。こっちは命張ってるっていうのに!
「剣士君、放浪者殿のいう通りだ。これからは頼れる人は少なくなる。自分たちでやろう。」
仕方ない。僕らは再び情報収集の為に部屋を飛び出した。
・・・が
「せちがれぇ・・・・」
街の大通りの広場のベンチに二人並んで座って項垂れていた。
『アイスエイジ』の聞き込みを行ったが、知っている人がいてもお金が無けりゃ情報を売ってくれない・・・。なんでも金で解決するこの都市らしいと言えばらしいのだが・・・。
「しょうがない、剣士君。諦めてそのままぶつかるしかない。」
それしか無いか・・・もう時間も差し迫っている。諦めて戻るしか・・・
「おーい!お二人さーん。」
声をあげながら近づいてきたのはガルムに跨ったカルディアさんだった。
「間に合って良かったです。アイスエイジさんの事少し聞けましたよ。」
もしかしたらさっきまでずっと色んなところで聞き込みしてくれていたのかもしれない。
額にはじっとり汗をかき、髪が張り付いて、朝見たボブカットの髪型が崩れていた。
「天使!!!」
カルディアさんの手を取り握ると、
「おい!小僧!汚い手でカルディアに触るな。ばい菌が移る!」
下のおまけから威嚇される。
「こら!てっちゃん!そんなこと言ったら駄目でしょ!」
「でも!カルディア!こいつからはクズの匂いがする!付き合っちゃ駄目な人間だ。」
「君、賢いねー。」
そう言いながら女騎士さんは感心しながらガルムを撫でていた。あれ?あなた僕の味方ですよね?あれ?あるぇ~?
「もう!てっちゃん!謝りなさい!」
カルディアさんに怒られてシュンとなる魔獣。いや、もはや犬コロ。ざまあないぜ!ふふん!僕は心が広いから今なら特別に謝罪を受けてやるよ。カモ~ン。
犬コロは僕の勝ち誇った顔を見るとプイっとそっぽを向いた。
「ごめんなさい・・・剣士さん。」
飼い主が代わりに謝る。
「ぐへへ・・・お嬢さん。ごめんで済んだら警察はいらないんや。身体で支払ってもらおか。」
「え?え?え?」
困惑するカルディアさんに手をわきわきさせながら近づくと後ろから鉄拳が飛んでくる。
「馬鹿は放っておいて話を聞かせてください。」
笑顔で青筋を立てる鬼教官がそこには居ました。
「アイスエイジ・・・特に名を偽ることなく登録したみたいです。小柄な女性でやはり氷の能力を有しているそうですね。普段は芸能活動をしていて結構有名みたいですね。お金には困っている様子は無くって、どうやらお二人が原初の七祖の弟子と聞いて対戦を希望したようで・・・。」
「あの禿げのせいじゃないっすか!ガッデム!」
「もう今更言っても仕方がない。他には何か聞けたかい?」
「あとはスピードに気を付けろって言ってましたね。」
「スピードか・・・」
確かに、氷を扱う小柄な女性という情報からはパワー系とは考え難いな。手数で勝負するタイプか?ジリジリと削られないようにしないとな。遠距離攻撃もあるだろうし厄介そうだ。
「ありがとう、助かったよ。」
女騎士さんがお礼を言いながら、ごく自然にカルディアさんの頭をポンポンすると、カルディアさんは顔を赤らめてモジモジする。僕もやろうと思っていたのに・・・そういうのは僕にやらせてくださいよ・・・。折角、ヒロイン枠が出てきたと思ったのに横取りしないでよ、このヒロイン枠をなでなでするための僕のお手々はどうしたらいいのよ?悔しいのでこのおまけのガルムでも代わりに撫でるか。そう思い手を近づけると・・・
ジーーーーーー・・・
ガブッ!
「いってぇ!!!!!」
「こらーーーーー!!!てっちゃん!!!!」
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