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33.歓迎会
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俺の普通な自己紹介と美波さんの挙動不審な自己紹介が終わったところで、俺も美波さんも近くの上級生に声を掛けられて歓談の輪に加わった。美波さんは半ば拉致されるように上級生の女子達に引きずられて行き、俺の視界からは消えてしまった。可愛い可愛いと言われて連れていかれたので悪いようにはされていないだろう。とりあえずはそう祈っておくことにした。
それから俺は上級生から学校の話を聞いたり部活の勧誘を受けたりしながら夕食を済ませた。部活動の件は一旦保留とさせてもらったが、学校生活についての話はとても役に立つ話がいくつかあった。特にテストの過去問を貰えるなんていう話は聞いておいて損のないものだったように思える。
食堂が閉まる八時には片付けが始まり、俺は普段とは違う配置になっていた机や椅子を元の位置に戻す手伝いをしていた。その時、ずっと遠くにいたはずの美波さんが傍へと歩いてきた。上級生に揉まれていたのか疲れた様子だ。
「真壁君……どうして助けてくれなかったんですか……酷いです。怖かったです!」
美波さんは俺の背中を何度かグーで叩く。全く痛くない叩き方ではあるが、抗議の気持ちは十分に伝わって来た。そんなに嫌だったのだろうか。
「普通友達ならあの場面で助けてくれるもんです!」
「普通はそうなのか?」
普通という言葉に俺は一瞬揺らぎそうになる。しかし、よく考えてみると敵意もない先輩から引きはがす行為というのは普通とは言えない気がする。
「先輩たちから何か嫌なことでもされた?」
しかし、もし本当にいじめられでもしたのなら何か手を考えるべきだとも思い聞いてみた。美波さんは隣で少しだけ口をつぐむと、スカートのポケットに手を突っ込んで何かを取り出した。何か変なものでも渡されたのだろうか。不幸の手紙? 血塗られたハンカチ? 美波さんがポケットから手を出すまで俺はドキドキしながら待っていた。
「……お菓子をいっぱい渡されました」
「何も悪いことされてないじゃん!」
「でも! でも!」
美波さんのことだから純粋な人見知りでの困惑だったと思われる。両手いっぱいに乗ったお菓子を見る限り、本当にかわいがられているのだろう。一瞬でも心配した自分が馬鹿らしい。
美波さんは俺の反応が不服だったようで、頬を膨らませると貰ったお菓子の中からぺろぺろキャンディを選んで口に入れる。見た目の幼さも相まってとても高校生には見えない。
「なんですか? その顔は」
「別になんでもないよ」
俺の心の声を察したのか、美波さんはそうやって俺に不審がる視線を向けた。適当に誤魔化して机運びに戻ると、遠くから俺の名前を呼びながら近寄って来る男がいた。
「やーやー真壁殿」
この学校に入って初めて会話をした人物ではあるが、正直な所すでに面倒くさいと感じていた。周囲に無駄に浮かべている光の玉も面倒くさい。彼はある意味で逸材かもしれない。
「テル……手伝いに来てくれたのか?」
「もちのろんのですな!」
それから俺は上級生から学校の話を聞いたり部活の勧誘を受けたりしながら夕食を済ませた。部活動の件は一旦保留とさせてもらったが、学校生活についての話はとても役に立つ話がいくつかあった。特にテストの過去問を貰えるなんていう話は聞いておいて損のないものだったように思える。
食堂が閉まる八時には片付けが始まり、俺は普段とは違う配置になっていた机や椅子を元の位置に戻す手伝いをしていた。その時、ずっと遠くにいたはずの美波さんが傍へと歩いてきた。上級生に揉まれていたのか疲れた様子だ。
「真壁君……どうして助けてくれなかったんですか……酷いです。怖かったです!」
美波さんは俺の背中を何度かグーで叩く。全く痛くない叩き方ではあるが、抗議の気持ちは十分に伝わって来た。そんなに嫌だったのだろうか。
「普通友達ならあの場面で助けてくれるもんです!」
「普通はそうなのか?」
普通という言葉に俺は一瞬揺らぎそうになる。しかし、よく考えてみると敵意もない先輩から引きはがす行為というのは普通とは言えない気がする。
「先輩たちから何か嫌なことでもされた?」
しかし、もし本当にいじめられでもしたのなら何か手を考えるべきだとも思い聞いてみた。美波さんは隣で少しだけ口をつぐむと、スカートのポケットに手を突っ込んで何かを取り出した。何か変なものでも渡されたのだろうか。不幸の手紙? 血塗られたハンカチ? 美波さんがポケットから手を出すまで俺はドキドキしながら待っていた。
「……お菓子をいっぱい渡されました」
「何も悪いことされてないじゃん!」
「でも! でも!」
美波さんのことだから純粋な人見知りでの困惑だったと思われる。両手いっぱいに乗ったお菓子を見る限り、本当にかわいがられているのだろう。一瞬でも心配した自分が馬鹿らしい。
美波さんは俺の反応が不服だったようで、頬を膨らませると貰ったお菓子の中からぺろぺろキャンディを選んで口に入れる。見た目の幼さも相まってとても高校生には見えない。
「なんですか? その顔は」
「別になんでもないよ」
俺の心の声を察したのか、美波さんはそうやって俺に不審がる視線を向けた。適当に誤魔化して机運びに戻ると、遠くから俺の名前を呼びながら近寄って来る男がいた。
「やーやー真壁殿」
この学校に入って初めて会話をした人物ではあるが、正直な所すでに面倒くさいと感じていた。周囲に無駄に浮かべている光の玉も面倒くさい。彼はある意味で逸材かもしれない。
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