未来からの小説、過去からの恋

色部耀

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HARU:三日目③

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 放課後になってもKAZUからの返事はない。私は部活中にもかかわらず頭の中はKAZUのことで一杯だった。昼休みに千秋に少しだけ話して落ち着いた瞬間もあったけど、そう簡単に全てを割り切ることはできない。やはりこの三日間に私の中でKAZUが占める割合が大きかった。言葉どおりに寝ても覚めてもKAZUのことばかり考えていたし、KAZUの小説が楽しみで仕方なかった。だからこそ返事がないことにもどかしさもあるし、本当のことを言って欲しい。やっぱり今までみたいな関係でありたい。
 あれから何度も現実の話を無かったことにして元のネット上だけの関係に戻れないかとメッセージを送ろうとした。けど、私のちゃちなプライドがそれを止める。素直になれない。

「ハルー! 今日は荒れてるねー!」

「すみません!」

 そんなことを考えているとついつい練習にも余分な力が入ってしまう。

 部活が終わり、部室で汗を拭いて制服に着替える。帰りにアイスでも買って気分転換しよう。そう決めて部室から出たところで私はふと思い出す。渉先輩が部活終わりに少し待っていてほしいと言っていたことを。

「あ、山内さん」

 部室から出てすぐ。まるで見計らったかのようなタイミングで渉先輩と遭遇した。

「朝の言ってたことなんですけど、どこで待ってましょうか?」

「そのことなんだけど……。山内さんは今日何だかしんどそうだし明日にするよ」

 いつもの優しい笑顔でそう告げる渉先輩。

「すみません……。気を遣わせちゃって」

「良いよ良いよ気にしないで。じゃあ、また明日。気を付けて帰ってね」

 渉先輩はそのまま男子テニス部の部室に入って行った。普段あまり見ないそわそわした感じの渉先輩。いつもならそんな姿が気になってしまうのだろうと思うけど、今日だけはやはりKAZUのことが気になって仕方がなかった。
 次……次の小説の更新まで私からKAZUに接触するのはやめておこう。そう決心だけ固めて閉じた携帯を鞄に押し込んだ。
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