最初で最後〜性別を越えた恋〜

JokerA

文字の大きさ
3 / 40
第1章 葛藤編

3話 少し俺の話

しおりを挟む
深夜、新宿歌舞伎町の雑居ビル
2階フロアー清掃中の3人

荒瀬『いや~久々楽しかったな♪涼ちゃんアネゴ肌で俺のタイプ♡でも凛ちゃんも良いよな~美人だし♡』

大木『俺は断然、愛生ちゃん!天然で可愛い♡でもレズかぁ~振り向かせるにはハードル高いな💦』

高来『おい、手も動かせ』

不貞腐れながら清掃する高来

荒瀬『まだ怒ってる?友』

高来『別に怒ってねぇよ。いつもの事だし、お前らのせいじゃねぇし…』

荒瀬『じゃあ、お前は誰がタイプ?』

高来『…いいよ、俺は』

大木『お前の気持ちも分かるけど、本音は?恋人欲しいんじゃないのか?』

大木が言った事は図星だった

すかさず荒瀬が

荒瀬『はい!図星~』

と言った
俺は素直に答えた

高来『悔しいけど、図星だわ…』

荒瀬『じゃあ、このチャンス生かしてみたら?』

高来『いや…俺はいい。LINE交換したし、お前ら興味あんなら付き合えば』

大木『…そっか、分かった』

それ以上、2人はその話に触れなかった
奴らは唯一俺の事を良く知っていたから





清掃が終了し、俺達は雑居ビルを出た

歩き出して数分
店の呼び込みの女性に声を掛けられた

風俗の女性『お兄さん♡呑んでってよ~お願い♡』

俺が1番先に呼び止められた

高来『あ、ごめんなさい、俺呑めないんで』

風俗の女性『ウソ~遊んでってよ♡お兄さん私のタイプ♡後ろのお兄さん達も来て~』

荒瀬『また今度誘ってね~♡バイバ~イ』

俺達は店の前を足早に通り過ぎた




そう、こんな風に
俺はいつも男に間違われる





性別は女なのに



確かに俺は短髪で顔も男にしか見えないし

メンズファッションが大好きで女の服も着た事が無い

だから男と間違われるのは当然だと思う

特に性別を隠すつもりは無い、無いけど、初対面で男だと勘違いされると後々ややこしくなる事もある

そう、それが恋愛

今朝のナンパみたいに…



例えば、
この状況から恋が始まるとどうなるか

向こうは俺を正真正銘、男だと思ってグイグイ来る
俺はそんな彼女をどんどん好きになる

何回目かのデートで意を決して
自分の性別を告白すると彼女は決まって

こう言う

彼女『嘘つき!!騙してたのね?私は本気だったのに〰️最低💢!!!』

そして俺は叩かれ恋は終わる

結果
俺は嘘つき野郎になる




性別って何なんだろう?たまに思う

俺は身体は確かに女だけど、一度も自分を女だと思った事がない

昔から好きになる子は皆女の子だったし
好きになってくれる子も皆女の子だった

好きになった女の子には
俺をちゃんと男として見て欲しい

それが俺にとっての普通で
これからも変わらない


そんな俺は恋の始め方が分からない


だから…今朝の出会いは忘れる事にした

LINEグループからも外れ

俺はもう、彼女達には会わないと決めた

つづく
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

年齢の差は23歳

蒲公英
恋愛
やたら懐く十八歳。不惑を過ぎたおっさんは、何を思う。 この後、連載で「最後の女」に続きます。

お義父さん、好き。

うみ
恋愛
お義父さんの子を孕みたい……。義理の父を好きになって、愛してしまった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ソロキャンプと男と女と

狭山雪菜
恋愛
篠原匠は、ソロキャンプのTV特集を見てキャンプをしたくなり、初心者歓迎の有名なキャンプ場での平日限定のツアーに応募した。 しかし、当時相部屋となったのは男の人で、よく見たら自分の性別が男としてツアーに応募している事に気がついた。 とりあえず黙っていようと、思っていたのだが…? こちらの作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。

強がりな逢瀬

さとう涼
恋愛
今日は少し乱暴にわたしを抱く── 「強引なのも好きじゃなかったっけ?」 ※不倫のお話なのでご注意ください ※短編

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

最後の女

蒲公英
恋愛
若すぎる妻を娶ったおっさんと、おっさんに嫁いだ若すぎる妻。夫婦らしくなるまでを、あれこれと。

処理中です...