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第1話
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『あー…遂に、か』
~4月とある高校にて~
正直歩きで来る距離じゃねぇ…
「はぁ…はぁ……やっと、着いた…」
坂道を登って30分、私の受験した高校に着いた。中学の頃の奴らがチラホラ見えたがそんなもんスルーだ
クラスルームに行けとそこら辺にいた先k…先生に聞いたのでクラスルームに向かおうとする…が
「…マジで?」
一年生の教室は教室棟の“四階”朝からど陰キャ引きこもりが坂道30分も登ったと言うのにまだ歩かせるか学校め…
ヒュー…ヒュー……と少し危ない音のする胸を押さえ、教室に入る。そんなに人はいないが
『うっ…知らない人からの視線が、怖…』
やはり人間皆そうなのか、部屋に誰かが入るとそこに注目するのは。視線から逃げるように座席を確認し、さっさと座りに行くと
【???】「夏樹やん!久しぶり…かな?w」
「おぉ、同じ学校やってんな…初めて知ったわ」
隣の席が中学時代の顔馴染み、大野 優莉(おおの ゆうり)。簡単に言えばオタク繋がりってとこだ。【優莉】「そういえば痩せた?」
「あぁwなんか受験のストレスで暴飲暴食してたのが収まった途端すげぇ体重減ったんよ」
【優莉】「でも元々夏樹軽いやん、倒れんでや?」「そんなもう中学の頃の話しんといてやww大丈夫やって」
【優莉】「やばかったら頼ってくれてええからね?」
「はいはいw」
優莉自体正義感が強く、優しくて賢くて運動も出来て…秀才とやらなんだろう。なのにオタクとは…wまぁ私に比べれば全然良い方なのだろう、心底羨ましい。私なんかと他愛もない話が出来る程だもんな…遠い遠い存在なのかもしれない、今だけは頼ってもいいのかなとは思う。
【???】「…なぁ、アニメ…好きなん?」
優莉の前の席の子が声をかけてきた。
「あーまぁそんな感じ?」
【???】「良かったぁ、オタク仲間やんな?」【優莉】「そうやで~話そ~、名前は?」
【紗月】「うち杏藤 紗月(あんどう さつき)、よろしくな!」
「私は水島 夏樹」
【優莉】「うち大野 優莉!」
我ながら驚く程すぐに打ち解けた、珍しく“友達”…が出来たのかも。紗月はおっとりとした優しい雰囲気の子で、基本は静かなのだが推しの事となると熱弁が始まる…オタクはどうやってもオタクなんだな(白目)
こうして私には勿体ないほど高校生活らしさのある始まり方をした。楽しくて楽しくて仕方なかった、でもある日。
~9月~
「えー今日から英語のプレゼンの授業をします、各自どこかのお店でアポを取って質問等を聞き英語でまとめて再来週のこの時間に発表してもらいます。」
「…だっる」
【紗月】「ほらほらやるで」
【優莉】「ちょっとちょっと?誰やイラスト描こうとしてる人は(*^^*)」
「オオコワイコワイ」
英文を作るのが苦手な私は沢山支えてもらいながら作っていった、珍しくいつもより少し頑張っていた。それはグループの成績が人一人のミスで全員のが下がる、連帯責任タイプだと言われていたからだ。私なんかと関わってくれてる…そんなみんなに迷惑かけないようにと思っての事だ。そして問題の時がきた。
「プリントは誰か代表が管理しておいて下さい、次の授業で必ず持ってきて下さいね」
…マジかよ。忘れ物多すぎて親にも学校にも迷惑かけてきた私にそんなん言われたらやばい…
【紗月】「じゃあ夏樹持って帰ってな、だいぶ今日手伝ったやろ?その分の仕事と思ってよろしく」
思った途端とかタイミング良すぎやろ
「いや…持っといてぇや、忘れてもうても私責任取られへんし」
【優莉】「それぐらいやってや、大丈夫やって教科書にでも挟んどきゃ大丈夫よ」
「それでも教科書ごと忘れるかもやからさ…な、持っといてぇな」
長い事ガヤガヤ言うてるうちに…
【紗月】「いい加減にしぃや?!夏樹!!」
…あのなかなか怒らない紗月が怒鳴った
【紗月】「どうせサボりたいだけやろにそんなごちゃごちゃ言うなや!!みんなちゃんとしとんねん!あんたもちゃんとしたらどうなん?!?!」
「私は…プリント失くしたりして迷惑かけたないから…」
【紗月】「それもみんな気ぃつけてんねん!しつこい!!」
私の前にバンッとプリントを置いて机を片付け始めた。それでも私は〈迷惑かけたくない〉その一心で「押し付ける形になって嫌なん分かるけどほんまごめん」
と紗月の机に置いたら
【紗月】「なんなん?!そこまでしてサボりたいんか?!?!」
「いやそんな訳じゃ…」
【紗月】「…夏樹ん事幻滅したわ、もういい。」
そう言って私と紗月とのその日の会話はなかった。
家に帰るとスマホの新着メッセージに
【紗月】《水島さんには心底呆れました。もう関わりたくないです、話しかけてこないでください。さようなら✋😊》
と送られていた。私はこんな事を望んでない、迷惑かけたくなかっただけ…でも今更その気持ちは届かなかった。
それから紗月達とのグループと関わる事がスパッと無くなってしまった。私が悪い事をした為みんな私を避けるようになった、悪い噂も流れいつの間にか一人になっていた。
『…またか』
~4月とある高校にて~
正直歩きで来る距離じゃねぇ…
「はぁ…はぁ……やっと、着いた…」
坂道を登って30分、私の受験した高校に着いた。中学の頃の奴らがチラホラ見えたがそんなもんスルーだ
クラスルームに行けとそこら辺にいた先k…先生に聞いたのでクラスルームに向かおうとする…が
「…マジで?」
一年生の教室は教室棟の“四階”朝からど陰キャ引きこもりが坂道30分も登ったと言うのにまだ歩かせるか学校め…
ヒュー…ヒュー……と少し危ない音のする胸を押さえ、教室に入る。そんなに人はいないが
『うっ…知らない人からの視線が、怖…』
やはり人間皆そうなのか、部屋に誰かが入るとそこに注目するのは。視線から逃げるように座席を確認し、さっさと座りに行くと
【???】「夏樹やん!久しぶり…かな?w」
「おぉ、同じ学校やってんな…初めて知ったわ」
隣の席が中学時代の顔馴染み、大野 優莉(おおの ゆうり)。簡単に言えばオタク繋がりってとこだ。【優莉】「そういえば痩せた?」
「あぁwなんか受験のストレスで暴飲暴食してたのが収まった途端すげぇ体重減ったんよ」
【優莉】「でも元々夏樹軽いやん、倒れんでや?」「そんなもう中学の頃の話しんといてやww大丈夫やって」
【優莉】「やばかったら頼ってくれてええからね?」
「はいはいw」
優莉自体正義感が強く、優しくて賢くて運動も出来て…秀才とやらなんだろう。なのにオタクとは…wまぁ私に比べれば全然良い方なのだろう、心底羨ましい。私なんかと他愛もない話が出来る程だもんな…遠い遠い存在なのかもしれない、今だけは頼ってもいいのかなとは思う。
【???】「…なぁ、アニメ…好きなん?」
優莉の前の席の子が声をかけてきた。
「あーまぁそんな感じ?」
【???】「良かったぁ、オタク仲間やんな?」【優莉】「そうやで~話そ~、名前は?」
【紗月】「うち杏藤 紗月(あんどう さつき)、よろしくな!」
「私は水島 夏樹」
【優莉】「うち大野 優莉!」
我ながら驚く程すぐに打ち解けた、珍しく“友達”…が出来たのかも。紗月はおっとりとした優しい雰囲気の子で、基本は静かなのだが推しの事となると熱弁が始まる…オタクはどうやってもオタクなんだな(白目)
こうして私には勿体ないほど高校生活らしさのある始まり方をした。楽しくて楽しくて仕方なかった、でもある日。
~9月~
「えー今日から英語のプレゼンの授業をします、各自どこかのお店でアポを取って質問等を聞き英語でまとめて再来週のこの時間に発表してもらいます。」
「…だっる」
【紗月】「ほらほらやるで」
【優莉】「ちょっとちょっと?誰やイラスト描こうとしてる人は(*^^*)」
「オオコワイコワイ」
英文を作るのが苦手な私は沢山支えてもらいながら作っていった、珍しくいつもより少し頑張っていた。それはグループの成績が人一人のミスで全員のが下がる、連帯責任タイプだと言われていたからだ。私なんかと関わってくれてる…そんなみんなに迷惑かけないようにと思っての事だ。そして問題の時がきた。
「プリントは誰か代表が管理しておいて下さい、次の授業で必ず持ってきて下さいね」
…マジかよ。忘れ物多すぎて親にも学校にも迷惑かけてきた私にそんなん言われたらやばい…
【紗月】「じゃあ夏樹持って帰ってな、だいぶ今日手伝ったやろ?その分の仕事と思ってよろしく」
思った途端とかタイミング良すぎやろ
「いや…持っといてぇや、忘れてもうても私責任取られへんし」
【優莉】「それぐらいやってや、大丈夫やって教科書にでも挟んどきゃ大丈夫よ」
「それでも教科書ごと忘れるかもやからさ…な、持っといてぇな」
長い事ガヤガヤ言うてるうちに…
【紗月】「いい加減にしぃや?!夏樹!!」
…あのなかなか怒らない紗月が怒鳴った
【紗月】「どうせサボりたいだけやろにそんなごちゃごちゃ言うなや!!みんなちゃんとしとんねん!あんたもちゃんとしたらどうなん?!?!」
「私は…プリント失くしたりして迷惑かけたないから…」
【紗月】「それもみんな気ぃつけてんねん!しつこい!!」
私の前にバンッとプリントを置いて机を片付け始めた。それでも私は〈迷惑かけたくない〉その一心で「押し付ける形になって嫌なん分かるけどほんまごめん」
と紗月の机に置いたら
【紗月】「なんなん?!そこまでしてサボりたいんか?!?!」
「いやそんな訳じゃ…」
【紗月】「…夏樹ん事幻滅したわ、もういい。」
そう言って私と紗月とのその日の会話はなかった。
家に帰るとスマホの新着メッセージに
【紗月】《水島さんには心底呆れました。もう関わりたくないです、話しかけてこないでください。さようなら✋😊》
と送られていた。私はこんな事を望んでない、迷惑かけたくなかっただけ…でも今更その気持ちは届かなかった。
それから紗月達とのグループと関わる事がスパッと無くなってしまった。私が悪い事をした為みんな私を避けるようになった、悪い噂も流れいつの間にか一人になっていた。
『…またか』
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