鈍(ニブ)いって…俺がですか??

一

俺の名前は、藤 優也ふじ ゆうや
17歳の高校2年生だ。今日から新しい学校へ転入することになっている。


前のクラスでの俺の立ち位置は…言うまでもない。

目立ちたくない俺は、肩まで髪を伸ばし、目も悪くないのにメガネをかける。気配も消し、教室の隅に溶け込んでいた。

身体もひょろひょろしているため、周りからは『女みたいだなwww』とよくバカにされて育ってきた。

幼稚園と小・中学校といじめられてたっけ…。

でも1人だけ、唯一ひとりだけは俺の事を助けてくれた男の子がいた。
それは幼稚園のとき。昔のことすぎて名前は忘れてしまったが助けられたのは覚えている。泣いている俺の前に現れて手をさし伸ばしてくれたカッコよくて優しい男の子…。

俺にとってヒーローみたいな存在だ。

それからよく2人で遊んでたんだけど…俺の親の都合で引っ越しすることになって会わなくなってしまった。

(あの子、元気かなぁ…)



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そして、俺は再びこっちの町へと引っ越してきた。


どうしても一人暮らしをしたくて…
俺が〝一人暮らしをしたい！〟と提案したら、もちろん『ダメだ。』と反対され心配されたが俺の必死な頼みに渋々、両親は了承してくれた。

「いつでも帰ってくるのよ」という言葉に親なんだなぁ…と思い、嬉しくなった。


両親に会えないのは寂しい…けど待ちに待った一人暮らしデビュー!!これから楽しみだな～♪

…って俺の説明はこれぐらいにして。


問題はここから！
(新しい学校かぁ～…)

男子校って聞いたけど…やっぱここでもいじめられちゃうのかなぁ…。

「はぁ…」

俺はため息をつくも、無断で休むことは俺の心が許さないので学校へと渋々向かうのであった。