鈍(ニブ)いって…俺がですか??

二

「ここかぁ…」

今、俺の心の中は…わくわく半分、不安と緊張で半分だ。

それにしても大きな学校…。
俺の通う学校ってここであってる？ってレベルだよ。


外装ももちろんきれいだったけど内装もめちゃくちゃきれい…。


えーっと…まずは職員室だよな。

でも職員室ってどこにあるんだ？？
広すぎてわかんない…

人に聞くしかないよなぁ…

ちょうど俺の前を通り過ぎていく人がいた。

「あ、あの…！」

声をかけられた生徒が俺を見る。…な、なんかすんごいとまじまじと見られるんですけど！

「あのぅ……？」

「あ…ごめんな。なんだか知ってるやつと似てたから…… 」

なるほど！それであんなまじまじと……。
でもその子に申し訳ないや。俺なんかと似てるって言われて…

「それでどうかしたのか？」


「それが…職員室の場所が分からなくて…。」

俺は相手から視線をずらしながら言う。

「もしかしてお前、転入生？」

「はい、そうです。」

「なるほどな、来いよ。おわびに案内してやるから」

「ありがとうございます！」

そう言って俺は親切な人の後をついていった。