変人とアナニスト~イケメンCEOに求婚されましたが下半身丸出しの変態でした~

篠崎笙

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弊害と悩み

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女性向けの漫画を見て。
ファンタジーだなあ、と思うことは多々ある。

聖人か修行僧かってくらいに性欲がない男ばかりだったり。
普通の男はそんなに体力ないよ、とか色々。

意外に思うかもしれないが。殆どの男は思春期前までは潔癖で、女体に嫌悪感を覚えるものだ。幼稚園でも女体に興味津々、という例外もいるが。
基本的に、繊細なのである。

そして、川原でエロ本拾うとか、親兄弟秘蔵のエロDVDを見てしまうとかで、性の芽生えを覚える。


精通して、自慰を覚えた中高生なんて、猿のようなものだ。

男同士で擦り合いや、うっかりヤってしまったりする話はわりと聞く。
見境などなくなる。射精せずにはいられないのである。

下半身でしかものを考えられないということも、ままある。
好きな女の子とかの妄想で抜いて、自分は汚い生き物なのかと悩む時期でもある。

逆に本命には手を出せない、とか妙な方向に潔癖が出るのもいたり。


男性向けエロに肛虐モノが多いのは、膣はないが、肛門は自分にもあるものだから、感覚が理解しやすいからだろう。妊婦でもないのに母乳がぶしゃあと出たりするのもそう。

わかりやすいオカズが欲しいのだ。快楽に対して貪欲とも言う。

そういう意味では、男性向けもかなりファンタジーだ。
所詮もてない男の妄想の産物でしかない。もちろん妻子もちのエロ漫画描きもいるだろうが、リアルすぎるものは好まれない。

抜けるシチュエーションが欲しい。それだけが目的である。ストーリー性などむしろなくていい。
女性が読んだら、突っ込みどころが多すぎるだろう。


実際、女性からのお怒りの手紙が来る作家もいる。
そんなジャバジャバ濡れないし、ただ棒を突っ込まれただけで感じるわけがない、胸は揉まれたくらいでは気持ち良くない、など。

しかし、エロ漫画は基本的に童貞のためのファンタジーなのである。
リアルはお呼びでない。

起き抜けの口の中は臭いとか、愛撫しながらうわ生臭っ、とか陰毛が口に入った、とか言う話など、ぼくは描きたくないし、読みたくない。
放って置いて欲しい。


★☆★☆★


「う~ん、……どうしたもんかなあ」
「郁、どうした?」

篠塚さんが、珈琲を淹れてくれた。
ぼくにはミルクと砂糖入り、ほぼカフェオレだ。

ブラックの似合う、いい男。
しかしきっちりスーツで下半身は丸出し、というのはいかがなものか。

もういいや、毎朝の習慣じゃしょうがない。いい加減慣れよう。


現在、一番の問題は。
「ネームができない……」


篠塚さんをSM調教師のモデルにしたエロ漫画、肛虐調教日記~蘭花の喘ぎ~であるが。
好評で、いくつか続編を描いていた。

しかし。
最近、男性読者から「抜けない」との声が寄せられたのだ。

女性読者からは変わらず好評なんだけど。

女性側の視点に重心を置きすぎたか、と初心に帰って軌道修正しようと思い立ったのはいいが。
気付けば、男側の視点になれなくなってしまった。


可愛い美少女にあれこれしたい、という衝動が、すっかり消えてしまっていた。
抱くよりも、抱かれる方のよさを知ってしまったせいだろう。

メスイキさせられすぎて、女性寄りの脳になってしまったとか?
いや、そんなまさか。


★☆★☆★


「わかった。責任を取って、私が郁を一生養おう。結婚しよう」


やだ……男らしい……。
って胸キュンしてる場合じゃない。

「やったあ、ここ新宿区だから男同士でも24時間いつでも入籍できるね! ってそんな理由で筆折るのやだあああ!!」


「真面目な求婚を、”そんな理由”とは失敬な」
腕を組んでご立腹だけど。

何で勃起してるんだろう。
理由なく勃つことはままあるけれども。


「違う、篠塚さんに抱かれたのを理由に、筆を折るのが嫌なの! まるで悪いことみたいじゃないか」
「郁にとっては、いいことなのか?」

うん、と頷いたら。
篠塚さんの、もっと元気になっちゃった。


「……じゃ、とりあえず、しようか?」
血管の浮いているそれを握ったら。

「賛成だ」
額に、キスされた。


「ずっとこれで繋いでしまいたいのだけどね」
とか言いながら革の手枷を嵌められて。

「郁、腰を上げなさい」
グリセリンを注入されてしまう。

「あう、」
専用の注射器、買ったのか。……あれ?

「え、それだけ?」
「直腸の容量は200mlなので、洗浄に使うのはそれより少量でいい」
そうなんだ。

それ以上入れると、S状結腸の方まで入っちゃって、そうなると自力では出せなくなるから、しばらく出てこなくて。
してる途中で、もよおしてしまったりするので大惨事になるとか。お腹弱いのかと思ってた。

「我慢できなければ、プラグもあるから言いなさい。なるべく使いたくはないが」

相変わらず、自分以外を入れたくないようだ。
嫉妬深すぎる。


うう。
男同士って、こういう前準備が面倒だ。恥ずかしいし。

でも、こうして手間隙掛けてまでも抱きたい、って思われるのは悪くないっていうか。愛を感じる。


★☆★☆★


さて。
シャワートイレは素晴らしい文明の利器だよね。

さすがにトイレにいくとこまでは見られるのは嫌だって言ってある。
は極めたくないし……。


「今日は、郁がを使って自慰をするところが見たい」
篠塚さんは、血管が浮いた己のブツを示した。

「ええっ!?」
「……いやか?」

篠塚さんに入れて欲しいけど。
してもらうばかりでも、あれか。

パートナーなわけだし。ギブ&テイクだよね。うん。


「じゃ、横になって?」
篠塚さんは、ベッドに横たわった。

真っ直ぐに立ち上がった、ご立派なもの。
ごくり、と唾を呑み込んでしまう。

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