高校受験失敗してから引きこもりニートな俺が中華風異世界で皇帝にされて、部下からモテモテ逆ハーレム状態なんですが。

篠崎笙

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一章 華胥の夢

閣中の帝 今何くにか在る

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俺は、耀に事情を話した。


自分が別の世界から来たこと。
火事で死にそうになっていたら皇帝が現れて、自分の代わりを務めるよう言ったこと。

皇帝は寝所に火を放たれ、命を落とす運命だったのだろうということ。
最期の言葉が、あの司馬遷”史記”の一節だったことを。


それと、自分と皇帝が同じ魂であれば、秘密の恋人はただ一人だけ。
見たところ、耀が本物だろう。

つまり、他の三人は嘘を吐いている。何のつもりかはわからないが。
もしかしたら、その中の一人か。もしくは複数が放火犯なのではないか、ということを。


*****


『呪師の李公はおそらく、以前から陛下を慕っておりました故、私が口を滑らせたのを便乗したものかと思われます。崔公もまた同様かと。武公は意外でしたが……皆、陛下を心から慕われているのは同じことと存じます。まさか、寝所に火など……』
ありえない、か。

太尉の伯裕は、あからさまに後乗りだけど。
呪師、信季も便乗だったのか。

わかんないのが御史大夫、宗元だよな。あの人、見たところ冗談とか言いそうにないタイプなのに。
人は見た目じゃわかんないもんだけど。

「いや、犯人があの中にいるかは確定じゃないんだけど。嘘を吐いてるわけだしさ、怪しいのは確かかな、と」


『とにかく、今まで以上に警備を固めねばならないようですね』
「……俺の話、信じてくれるの?」
我ながら、記憶喪失の方がリアリティあると思う話だけど。

耀は頷いた。
にわかには信じがたい話ですが……確かに、貴方は陛下とは別人だと感じます』


耀は、最初は困惑していたが。
納得したようだ。

”陛下”が自分を見る目に、確かに前は感じていたを見失ったのだという。


『そうですか。……亮……』
耀は、皇帝を思い、涙を落とした。

彼の愛しい人は、もうこの世にはいないのだ。


いつ、その時が来るかはわからないが。
耀は、これから夜の間は自分が寝ずの番をすると言い出した。

「丞相って忙しいんじゃないの? 俺についてていいの?」
『私は皇帝の丞相です。陛下には、付き添って色々指南する人材が必要でしょう?』
寂しげに微笑んで。


そして。
耀は自分が俺……陛下を。命に代えても守る、と言った。


*****


前がよく見えなくてやたら重い冕冠べんかんは、耀に外してもらって。
まずは、こちらの世界についての勉強である。

皇宮内の図書室には、歴史についての資料が山のようにあった。
何せ、五千年分だ。とりあえずは、だいたいの歴史の流れだけ調べておくとしよう。


この劫国については、唐あたりまでの歴史はだいたい同じようだが。政治のシステムは秦とか唐が入り混じってて滅茶苦茶だ。
しかし暴帝も現れず、永い平和な治世で。諸外国との外交もうまくこなし、大きな戦争もせず、今までやってきたという。
そのお陰か、科学も発達して、現代を超える技術もあるようだ。

特に医学分野は呪師もいて、取れた手足も再生可能なほど。


劫国は朝鮮半島、モンゴル、中華人民共和国、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシアを含めたひとつの国だ。
イギリスは”欧州”王国としてスウェーデン、ウクライナあたりの諸国と統一されたひとつの国になってて。

サウジアラビア、イラク、インドも”羅国”として王制統一。
アフリカ大陸はエジプトが仕切って、王制”埃国”と名乗っているそうだ。

アメリカ大陸は”墨西州”王国。アルゼンチン、ブラジルはワリ大陸と呼ばれていて。
オーストラリアなんか、ムー大陸とか呼ばれてるし。
ロシアは”露州”帝国だ。カザフスタンが含まれてるくらいで、他は変わらないかな。

”東島”が日本らしいが。特に交流はないようだ。


インドネシア諸国は、地図に名前が無かった。南極と北極は未開の地扱い。
衛星写真から作成された地図で、精確だという。

衛星飛ばしてんのかよ、という突っ込みは置いといて。

精確な地図なのに、知ってるものとかなり形が違っていた。埋め立てか、地殻変動かはわからないが。
それぞれの国がどんな歴史を歩んだのか、すごい気になるな。
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