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華麗なる少年王の半生
誓いの指輪は永遠に
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この結婚式も、世界の皆様の熱烈なご要望により、全世界に中継されているという。
やめろよ緊張するだろ!
指輪の交換もあったりして。どの世界もこういうイベントの内容は変わらないんだなと思う。
似てる異世界に送られただけかもしれないが。
指輪をつけるのが左手なのは、心臓に近いからだそうだ。
アルベルトの手は、意外と剣だこでごつごつしている。
でも、すらりと長くて綺麗な指だ。
アルベルトの薬指に指輪を嵌めてやったら。
いきなり跪いて、俺の手を取った、と思ったら。手の甲と、薬指にキスしてから指輪をつけられた。
他の誰にも聞こえはしなかっただろうが。
俺には、しっかり聞こえた。
こいつ、永遠に指輪が抜けない魔法を掛けやがった!
*****
永遠に外れないとか。呪いのアイテムかよ!?
別に料理とかするわけじゃないから、この指輪を外すことは滅多にないだろうが。
成長して、指がパンパンになったらどうしてくれる。
一生外れない、呪いの指輪を装備されてしまった……!
いっそ女装だったら、スカートに隠れてアルベルトの足を踏んづけてやったのに……!
と、やや斜め方向に悔しく思いながら笑顔をキープする俺だった。
くっ。やり遂げた、って感じの晴れやかな笑顔がいっそ憎らしい……!
「それでは誓いの口づけを」
教皇に促されて。
アルベルトが、俺の被っていたベールを上げた。
また濃厚なのをぶちゅっとかまされるかと思って、身構えていたのだが。
そっと軽く唇が触れるだけだった。
……あれ? そんだけ?
と些か拍子抜けして目を開けたら。
まだ顔が近くにあった。
何故か、再び近づいてくる。
「んっ、」
ぎゅっと抱き締められて。舌をねじ込まれてしまう。
腰と後頭部をがっしりキープされて、動けない。
空いた手で腕をぺしぺし叩くが。やめてくれない。
いい加減にしろ!
*****
「誓いの口づけは一度で結構です」
教皇の呆れた声。
アルベルトは非常に残念そうな顔をして、手を離した。
もうちょっと人目を気にして欲しいというか、羞恥心を持って欲しい。
これ、全世界生中継だからな!?
「花嫁が大変愛らしいので暴走してしまう気持ちは大変よくわかりますが。終わるまで我慢してください」
アルベルトが苦笑している教皇に叱られて。
大聖堂に、どっと笑い声が響き渡ったのだった。
くそ、いらん恥をかかせやがって。
ちらりとアルベルトの股間を確認したが。
アルベルトジュニアはその存在を主張してなかった。
良かった。
ビンビンにテント張った花婿と並んで歩きたくない。
これ、世界中に投影されてんだからな? 下手うったらそれこそ一生の恥だ。
記録には残らなくても人々の記憶に残るんだからな?
っていうか、こないだからお前、暴走し過ぎでは? 今まで表に出さないように耐えていた自制心はどこへやった? お散歩中か?
俺の前で本性を出すのは別にかまわないが。
せめて、人前でくらいはお利口さんにしてなさい!
*****
式の後には、祝賀パレードのようなことをやり。
大ホールで披露宴というか、祝賀会のような催しがあるのだった。
異世界でも披露宴ってあるんだなあ。
ちょうど竜退治で財政も潤っていたので、国民に祝い金を出せた。
城下町では盛大に振る舞い酒も行っている。
花で飾られた馬車で城下町をのんびり走らせて。
皆が嬉しそうに酒を飲んでいたり、喜ぶ顔を見て廻る。
勇者様、陛下、と声を上げて手を振る子らに、王子様スマイルならぬ王様スマイルで手を振り返したりして。親しみある王様をアピールする。
俺的にはこの結婚、少しもめでたくないんだが。
こうしてこの国が平和になって、祝い金を出せたのはアルベルトのお陰だ。
その件については感謝しよう。上から目線で。
噴水の前に、やたら人が集まっているな、と思ったら。
「今日と明日は、噴水の水をワインに換えているのですよ」
アルベルトが教えてくれた。
そりゃ豪勢だな。
ああ、それであんなに人がわらわらと。
タダだからって、ぶっ倒れるまで飲みすぎるなよ?
ほどほどにしとけ。
しかし、噴水をワインにするとか、樽何個使うんだろう。
「そういえば先日の書類に噴水の洗浄、倉庫のワインの使用許可の記述もあったな。あれはアルベルトの発案か?」
「いえ、慶事にはそのようにする習慣があるので、例年に倣ったまでです」
「なるほど。しかし、酒の飲めない者にはどう対応するのだ」
俺とか。
「あちらの屋台で果実の搾り汁を提供しております」
アルベルトが示す方向を見ると。
エプロン姿の女性が、樽からジュースを汲んで子供に渡していた。
おお、さすがだ。痒い所に手が届く。
*****
って。
今気付いたが。
こいつ、勇者にクラスチェンジしたというのに、言葉遣いが未だに騎士の時のままだな。
俺も花嫁の言葉遣いじゃないけど。
騎士時代が長いもんな。
そんなすぐには態度とかコロコロ変えられないか。
今は猫被ってる状態なだけかもだが。
とりあえず、外では普通だ。
……何だ、そうか。
結婚したからって別に、今までと関係がまるっきり変わる訳じゃないんだ。
少し、ほっとしたような気がする。
ずっと敬語で優しいお兄さんって感じだったのが突然オラオラ系DV夫になったら困惑するもんな。
この世界、死ぬまで離婚できないし。
やめろよ緊張するだろ!
指輪の交換もあったりして。どの世界もこういうイベントの内容は変わらないんだなと思う。
似てる異世界に送られただけかもしれないが。
指輪をつけるのが左手なのは、心臓に近いからだそうだ。
アルベルトの手は、意外と剣だこでごつごつしている。
でも、すらりと長くて綺麗な指だ。
アルベルトの薬指に指輪を嵌めてやったら。
いきなり跪いて、俺の手を取った、と思ったら。手の甲と、薬指にキスしてから指輪をつけられた。
他の誰にも聞こえはしなかっただろうが。
俺には、しっかり聞こえた。
こいつ、永遠に指輪が抜けない魔法を掛けやがった!
*****
永遠に外れないとか。呪いのアイテムかよ!?
別に料理とかするわけじゃないから、この指輪を外すことは滅多にないだろうが。
成長して、指がパンパンになったらどうしてくれる。
一生外れない、呪いの指輪を装備されてしまった……!
いっそ女装だったら、スカートに隠れてアルベルトの足を踏んづけてやったのに……!
と、やや斜め方向に悔しく思いながら笑顔をキープする俺だった。
くっ。やり遂げた、って感じの晴れやかな笑顔がいっそ憎らしい……!
「それでは誓いの口づけを」
教皇に促されて。
アルベルトが、俺の被っていたベールを上げた。
また濃厚なのをぶちゅっとかまされるかと思って、身構えていたのだが。
そっと軽く唇が触れるだけだった。
……あれ? そんだけ?
と些か拍子抜けして目を開けたら。
まだ顔が近くにあった。
何故か、再び近づいてくる。
「んっ、」
ぎゅっと抱き締められて。舌をねじ込まれてしまう。
腰と後頭部をがっしりキープされて、動けない。
空いた手で腕をぺしぺし叩くが。やめてくれない。
いい加減にしろ!
*****
「誓いの口づけは一度で結構です」
教皇の呆れた声。
アルベルトは非常に残念そうな顔をして、手を離した。
もうちょっと人目を気にして欲しいというか、羞恥心を持って欲しい。
これ、全世界生中継だからな!?
「花嫁が大変愛らしいので暴走してしまう気持ちは大変よくわかりますが。終わるまで我慢してください」
アルベルトが苦笑している教皇に叱られて。
大聖堂に、どっと笑い声が響き渡ったのだった。
くそ、いらん恥をかかせやがって。
ちらりとアルベルトの股間を確認したが。
アルベルトジュニアはその存在を主張してなかった。
良かった。
ビンビンにテント張った花婿と並んで歩きたくない。
これ、世界中に投影されてんだからな? 下手うったらそれこそ一生の恥だ。
記録には残らなくても人々の記憶に残るんだからな?
っていうか、こないだからお前、暴走し過ぎでは? 今まで表に出さないように耐えていた自制心はどこへやった? お散歩中か?
俺の前で本性を出すのは別にかまわないが。
せめて、人前でくらいはお利口さんにしてなさい!
*****
式の後には、祝賀パレードのようなことをやり。
大ホールで披露宴というか、祝賀会のような催しがあるのだった。
異世界でも披露宴ってあるんだなあ。
ちょうど竜退治で財政も潤っていたので、国民に祝い金を出せた。
城下町では盛大に振る舞い酒も行っている。
花で飾られた馬車で城下町をのんびり走らせて。
皆が嬉しそうに酒を飲んでいたり、喜ぶ顔を見て廻る。
勇者様、陛下、と声を上げて手を振る子らに、王子様スマイルならぬ王様スマイルで手を振り返したりして。親しみある王様をアピールする。
俺的にはこの結婚、少しもめでたくないんだが。
こうしてこの国が平和になって、祝い金を出せたのはアルベルトのお陰だ。
その件については感謝しよう。上から目線で。
噴水の前に、やたら人が集まっているな、と思ったら。
「今日と明日は、噴水の水をワインに換えているのですよ」
アルベルトが教えてくれた。
そりゃ豪勢だな。
ああ、それであんなに人がわらわらと。
タダだからって、ぶっ倒れるまで飲みすぎるなよ?
ほどほどにしとけ。
しかし、噴水をワインにするとか、樽何個使うんだろう。
「そういえば先日の書類に噴水の洗浄、倉庫のワインの使用許可の記述もあったな。あれはアルベルトの発案か?」
「いえ、慶事にはそのようにする習慣があるので、例年に倣ったまでです」
「なるほど。しかし、酒の飲めない者にはどう対応するのだ」
俺とか。
「あちらの屋台で果実の搾り汁を提供しております」
アルベルトが示す方向を見ると。
エプロン姿の女性が、樽からジュースを汲んで子供に渡していた。
おお、さすがだ。痒い所に手が届く。
*****
って。
今気付いたが。
こいつ、勇者にクラスチェンジしたというのに、言葉遣いが未だに騎士の時のままだな。
俺も花嫁の言葉遣いじゃないけど。
騎士時代が長いもんな。
そんなすぐには態度とかコロコロ変えられないか。
今は猫被ってる状態なだけかもだが。
とりあえず、外では普通だ。
……何だ、そうか。
結婚したからって別に、今までと関係がまるっきり変わる訳じゃないんだ。
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