限界オタクだった俺が異世界に転生して王様になったら、何故か聖剣を抜いて勇者にクラスチェンジした元近衛騎士に娶られました。

篠崎笙

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華麗なる少年王の半生

美貌の勇者、披露宴で体調を崩す

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馬車が城門に着いた。


先に降りたアルベルトに手を取られて、馬車を降りる。
こういうさりげないエスコートがモテ界の帝王になる秘訣なのだろう。

俺にはできない。とあっさり諦める。

アルベルトなら、相手が誰であろうがよろめいてもしっかり支えてくれそうだが。
俺は間違いなく支えきれずに転ぶだろう。

何しろ、ペンより重い物は持たない王様だからな!
持てないんじゃないぞ。


*****


大ホールに集まった招待客に、まずは国王として挨拶をする。
結婚式を祝いに来てくれたことに感謝の意を述べて。アルベルトの横に戻った。

アルベルトは、元部下から挨拶をされていた。
なんか列が出来てるし。
大手壁サークル並みだなオイ。最後尾カード作ってやろうか? フォーク並びとか教えてやるべきか。


俺はもう、挨拶が終わったからいいが。
アルベルトもまとめて挨拶しとけばよかったのに。

まあいいや。
今のうちにご飯食べちゃおう。


アルベルトは元部下と話しながら、テーブルに運ばれてくる料理に毒が混入されてないか魔法でチェックしてから俺の前に置いた。
器用だな。

アルベルトの前には手つかずの料理が並んでいるが。
挨拶の人は途切れずに並んでいる。

せっかくの料理が冷めちゃうだろ。


「アルベルト、口を開けろ」
「?」
脊髄反射的にこちらを向いて。

素直に口を開けたアルベルトの口に。
切り分けた肉を突っ込んだ。


「…………」
アルベルトは、真顔で咀嚼している。

「冷めないうちに食べないと……」
と。並んでいる騎士たちに視線を送る。

お前らもとっとと食え。
せっかく美味しいのに。もったいないから残すなよ?
と、心の中で念じる。


波が引くように、騎士たちがさーっと引いていった。

よし。
空気の読める、優秀な臣下たちだ。


*****


ふとアルベルトに視線を戻したら。

アルベルトは、俺に背を向けた状態で、前屈みになって震えていた。
ああ、勃っちゃったのか……。


式であんな濃いチューしても反応しなかったようなのに。

あ~んして、とか、可愛く食べさせたんじゃなくて。
あえて淡々と命令口調で言ったのに。

正直、お前の萌えツボが俺にはわからない……。
わかりたくないからいいか。


運ばれてくる食事を黙々と食べていたら。

アルベルトの前に並んでいた皿は、いつの間にか全て空になっていた。
騎士の食事は早いのだった。

いつ何時なんどき、敵が来ても対応できるようにだと聞いたことがある。


しかし、微妙にアルベルトの顔色が悪い。

「どうした、調子でも悪いのか?」
回復魔法でも掛けてやろうかと言ったが。

体調不良という訳ではないという。じゃあ何だよ。


ちょっと、休憩しに控え室に行きたい、と立ち上がったが。
ふらついている。

近衛騎士が付き添おうとしたが、それも断って。

珍しく、弱っているようだ。
こんな姿、ドラゴン退治で大怪我をしていた時以来じゃないか? さすがに心配になる。


「待て、私が控え室まで付き添おう」
追いかけて、アルベルトに肩を貸してやる。

俺の付き添いまでは断らなかった。
全体重を預けられたら困るが。杖代わりにはなるか。

「申し訳、ございません……」
何かを必死に堪えるように。ぎり、と歯を食いしばっている。


こんなにつらそうなのに、体調不良じゃないとは。
食べ過ぎて、腹でも壊したのだろうか?


*****


控え室に着いて。アルベルトは扉の鍵を閉めた。
……何故鍵を閉める?


「……失礼、見苦しいものをお目に掛けます……」

ベルトを緩め、スラックスを下ろし。
苦しそうな様子で。

股間に装着されていたモノを放り投げた。


床に落ちると。
はゴイン、と重い音がした。

何だあれ。
鉄で出来た、少し丸みのある……何だ?


アルベルトに視線を戻すと。

「うわ、」
アルベルトのアルベルトジュニアがギンギンだった。

下着を突き破らんばかりに押し上げている、とんでもなくでかいを見てしまった。

それで理解した。
あれは、ちんこカップだったのか。

勃起しても膨らんで見えないよう、鉄製のカップ型カバーで抑えていたのだ。
道理で股間が目立たないと思った!


あんな固そうなのでギチギチに抑えつけていたら、そりゃ顔色悪くもなるだろう。
とんでもない激痛だったに違いない。

想像したくもないくらいだ。


アルベルトは、窮屈なカバーから解放されたお陰か、青白くなっていた顔色も戻っている。
股間の暴れん棒はビンビンだが。


*****


「……っ、ははは、」


馬鹿だなあ。
思わず笑ってしまった。

当人は激痛で、笑い事じゃなかっただろうが。


「そんなものを着けてまで、我慢しなくても良いものを……、」
笑い過ぎて、涙出て来たわ。

アルベルトの眉が、困ったような八の字になっている。
そんな顔をしていると、普通の人間なんだな、と思えて来る。

「ですが。我慢がきかず粗相して、陛下に恥をかかせるわけにはいかないと思いまして……」


今日は絶対勃起するだろうな、と予想して。
念の為に装着しておいたという。

まあ、男の生理とはいえ、不意の勃起もよくあることだが。


皆の前でベロチューかまされる方が、よほど恥だっての。
基準がおかしい。
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