限界オタクだった俺が異世界に転生して王様になったら、何故か聖剣を抜いて勇者にクラスチェンジした元近衛騎士に娶られました。

篠崎笙

文字の大きさ
59 / 61
おまけ/国王陛下の戯れ

美貌の勇者兼近衛騎士へのご褒美

しおりを挟む
何だかんだあって。

勇者にクラスチェンジした俺の元近衛騎士、アルベルト・フォン・ロイエンタール。
勇者アルベルトから、竜を倒した褒美として花嫁に望まれた。

前世はリョナラーで限界オタクだった俺は、事故で異世界に生まれ変わり。
ディートヘルム王国の国王クリスティアン・フォン・ローエンシュタイン=ディートヘルムとして。
勇者アルベルトと結婚式を挙げ、身も心も結ばれてしまったのだった。


*****


思えば遠くに来たもんだ。

29歳、童貞のまま死んで。
異世界に転生して、まさか男と結婚する羽目になるとはな。

まあそれはそれで、アルベルトからは滅茶苦茶愛されてるし。
エッチも気持ち良いし。

俺のためにいつでも必死なアルベルトを可愛く思えて。
俺も、アルベルトのことを愛しちゃったわけで。


結婚しても、なかなか近衛騎士癖が抜けないアルベルトに。
昼間は国王と臣下でいいけど、夜は夫婦でいようって提案したんだ。

そしたらダーリンスイッチ入ったアルベルトのエロいことエロいこと。


毎晩眠れないほど、抱かれまくってるんだけど。
何故か翌朝まで疲れが続かないんだよな。

アルベルトって回復魔法使えたんだっけ?

特にアルベルトの精液を中に出されると、めちゃくちゃ感度が上がるっていうか。
気持ち良くなって。もっと欲しくなっちゃう。


ほんと、何でだろう。
以前よりも肌とか、調子いいんだよな……。


*****


などとアルベルトとのエッチな新婚生活を回想していたら。


「ご機嫌麗しゅう、我が陛下」

イケオジな叔父上、ベルンハルト・フォン・ローエンシュタイン侯爵が恭しく傅いた。
相変わらず渋いオジサマである。

領地のことで報告しに来たらしいが。
そんなの、わざわざ城まで来なくても、報告書出すだけでいいのに。

「しばらくお目にかからぬうちに、またお美しくなられましたね。一段と艶を増し、輝くようです」
伴侶殿のお陰かな、と隣にいるアルベルトを見た。


アルベルトは勇者兼近衛騎士として、俺を護衛して。
近衛騎士の仕事だけじゃなく、常に俺の隣で王の仕事まで補佐してくれている。

もはやアルベルトがいないと各所に話が通らないほどである。

アルベルトはベルンハルト侯爵に向け、笑みを見せた。
艶然、ってこういうのを言うんだろう。

暴竜バルバルスとの戦いで、美しい顔に消えない傷を負ってしまったが。微かに残った爪痕は、アルベルトの美貌を損なうどころか、凄みを増している気がする。

ベルンハルト侯爵も、その笑みには頬を染め、言葉を忘れたように見惚れているくらいだ。


一見、誰彼構わず愛想を振りまいているように見えるが。
アルベルトはやたら嫉妬深いため、俺が誰かに見つめられるのが嫌なそうで。

それで、わざと自分に注目が集まるように振舞っていると言っていた。

自分の美貌に相当自信がなくちゃ言えないセリフだが。
アルベルト自身は、先祖の殺人鬼そっくりな自分の顔にコンプレックスを持っている、というちょっと複雑な性格なのだ。

でも、そんなアルベルトも愛しいと思う。


*****


ベルンハルト侯爵が退出した後。
アルベルトの声が聞こえた。

「また用もないのに陛下に色目を使って……消すか」

おいおい穏やかじゃねえな! 俺の叔父さんだぞ!?
俺の胡乱な視線に気づき。

冗談です、と微笑んだが。
腹の中は真っ黒でも、アルベルトのやることなすこと全部、俺のためなんだよな。


そんなアルベルトに、何かご褒美をあげたいところだが。
アルベルトは騎士の年俸をほぼ手つかずで取っておいてある上に、何かの特許を持ってるらしく。
かなりの金を貯め込んでいるし、華美なものを好まない。


陛下の傍にいられるだけで幸せです、とか真顔で言っちゃうし。

喜ぶことといえば……。
何だろう?


アルベルトには内緒でリーゼロッテに相談してみたら。

女近衛騎士も交えてやたら盛り上がり。
いくつかの方法を提案された。

最終的にどれにするかを決めたのは俺だが。
アルベルトに内緒で手に入れるのは至難の業だった。


結果、入手をリーゼロッテに頼むことになり。
何をするかを知られてしまい、からかわれて恥ずかしかった。

でも、それでアルベルトが喜ぶなら、いいか。


*****


仕事が終わり、部屋に戻る時間である。

二人一緒に部屋に帰るのだが。
俺が寝室に先に入って、10分したら来るように言って。

急いで服を着替える。


10分ジャスト。
ノックの音が聞こえた。

「入れ」
告げると、アルベルトがドアを開けた。

「失礼しま、」
「おかえりなさい、ご主人様」

アルベルトを、メイド服で出迎えた。

頭にはヘッドドレス、膨らんだ長い袖、白い襟。長いワンピーススカートは黒で、白のエプロン。白いストッキングに黒の革靴。スタンダードなメイド姿だ。

鏡で確認してみたが、我ながら可愛いメイドさんである。
さすが美少年だ。違和感がない。


アルベルトは、口をぽかんと開けたまま固まっている。

見張りの兵士にでも見つかったらアレなので。
呆然としているアルベルトを室内に引っ張り込んだ。


*****


ソファーに座らせて。
後ろに回り込んで、肩を揉んでやる。


「ご主人様、お疲れのようですね?」

着やせして見えるが、アルベルトの全身はしなやかな筋肉で覆われている。
ガチガチだな。緊張してるのか?

「!? ……な、と、とんでもない、陛下はそのような真似をならさずとも、」
ようやく正気を取り戻したらしいアルベルトは、焦った様子で振り返った。


「ええい黙って従え! 今日は私がおまえに”ご奉仕”すると決めたのだ!」
ヤケになって命令してみたり。

メイド服で偉ぶっても決まらないが。


御意ヤー陛下オイレマイェステートの仰せのままに」

もはや習性のようで。
近衛騎士だったアルベルトは、さっとソファーから降りて、跪いた。


全くもう。
「もう夜だ。ではないだろう?」

二人きりの夜は、夫婦の時間だ。
国王陛下と勇者ではなく。


「そうでした。……私の可愛いディーンストメートヒェン、クリス」
俺の旦那様は苦笑したように笑って。

愛おしそうに、頬を撫でられた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした

こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。

「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された

あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると… 「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」 気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 初めましてです。お手柔らかにお願いします。

悪辣と花煙り――悪役令嬢の従者が大嫌いな騎士様に喰われる話――

BL
「ずっと前から、おまえが好きなんだ」 と、俺を容赦なく犯している男は、互いに互いを嫌い合っている(筈の)騎士様で――――。 「悪役令嬢」に仕えている性悪で悪辣な従者が、「没落エンド」とやらを回避しようと、裏で暗躍していたら、大嫌いな騎士様に見つかってしまった。双方の利益のために手を組んだものの、嫌いなことに変わりはないので、うっかり煽ってやったら、何故かがっつり喰われてしまった話。 ※ムーンライトノベルズでも公開しています(https://novel18.syosetu.com/n4448gl/)

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

【完結】白豚王子に転生したら、前世の恋人が敵国の皇帝となって病んでました

志麻友紀
BL
「聖女アンジェラよ。お前との婚約は破棄だ!」 そう叫んだとたん、白豚王子ことリシェリード・オ・ルラ・ラルランドの前世の記憶とそして聖女の仮面を被った“魔女”によって破滅する未来が視えた。 その三ヶ月後、民の怒声のなか、リシェリードは処刑台に引き出されていた。 罪人をあらわす顔を覆うずた袋が取り払われたとき、人々は大きくどよめいた。 無様に太っていた白豚王子は、ほっそりとした白鳥のような美少年になっていたのだ。 そして、リシェリードは宣言する。 「この死刑執行は中止だ!」 その瞬間、空に雷鳴がとどろき、処刑台は粉々となった。 白豚王子様が前世の記憶を思い出した上に、白鳥王子へと転身して無双するお話です。ざまぁエンドはなしよwハッピーエンドです。  ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。

黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜

せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。 しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……? 「お前が産んだ、俺の子供だ」 いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!? クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに? 一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士 ※一応オメガバース設定をお借りしています

冷酷無慈悲なラスボス王子はモブの従者を逃がさない

北川晶
BL
冷徹王子に殺されるモブ従者の子供時代に転生したので、死亡回避に奔走するけど、なんでか婚約者になって執着溺愛王子から逃げられない話。 ノワールは四歳のときに乙女ゲーム『花びらを恋の数だけ抱きしめて』の世界に転生したと気づいた。自分の役どころは冷酷無慈悲なラスボス王子ネロディアスの従者。従者になってしまうと十八歳でラスボス王子に殺される運命だ。 四歳である今はまだ従者ではない。 死亡回避のためネロディアスにみつからぬようにしていたが、なぜかうまくいかないし、その上婚約することにもなってしまった?? 十八歳で死にたくないので、婚約も従者もごめんです。だけど家の事情で断れない。 こうなったら婚約も従者契約も撤回するよう王子を説得しよう! そう思ったノワールはなんとか策を練るのだが、ネロディアスは撤回どころかもっと執着してきてーー!? クールで理論派、ラスボスからなんとか逃げたいモブ従者のノワールと、そんな従者を絶対逃がさない冷酷無慈悲?なラスボス王子ネロディアスの恋愛頭脳戦。

竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】

ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。

処理中です...