10 / 51
はじめの夏の国
情熱的な王様に絆されて
しおりを挟む
「んん、」
甘い舌が。
口の中に、入ってくる。
こんなの、味見じゃないだろ。
後頭部を支える手が。耳の下をくすぐって。ぞくぞくする。
吐息も甘い。
抵抗する気が、なくなってくる。
『王よ、御戯れは、その辺りでおやめ下さい』
ラクさんの鋭い声に。
状況を思い出した。
みんな、いるんだった。
みんな、びっくりした目で、こっちを見てた。
恥ずかしくて。
慌ててウルジュワーンから離れて。思わず、ハルさんの背後に回った。ここはセーフティーゾーン!
『あらあら、油断も隙もないね。ウーさんったら』
よしよし、と頭を撫でられる。
『ごちそーさまでーす』
ダルさんが言って。ダッシュで調理場を出て行った。
どうしたんだろ?
『あっ、貴様! 私はまだ、一口も食べてなかったというのに!!!』
ラクさんがマジ切れして、それを追い掛けて行った。
あらら。
そんなに怒らなくても。
アイスくらい、言ってくれれば、また作るのに。
◆◇◆
アイスの試食会も終わり、部屋に戻った。
というか、逃げ帰ったようなものだ。
人前でベロチューかまされて平気でいられるほど、俺の面の皮は厚くないのだ。
お風呂に入ってたら。
ウルジュワーンが風呂場に乱入してきた。
堂々と、全裸のまま。自分の部屋からここに来たようだ。
唖然としてたら。
湯船にまで、一緒に入って来て。
『もう、痛くはないだろう?』
と、甘く囁かれて。
抱き締められながら、キスをされてしまったら。
もう、駄目だった。
抵抗なんて、できない。
見てると正気を失いかねないレベルの超絶美形な上に、腰が抜けそうになる美声とか、ずるすぎる。
そっちこそ、戦略兵器だよ。
こっちはその顔、当たり前でもなんでもないし、耐性もないんだからな!?
なんか、やたら手馴れた感じがして、上手いし。
右手だけが恋人だった俺なんて、勝ち目はなかった。
完全白旗だ。
◆◇◆
風呂で、散々イタズラされた後。
ぐったりしてるのを、王の寝室に連れ込まれて。
香油をたっぷり使われて、あそこを慣らされて。
うつ伏せで、腰だけ高く上げさせられた状態で。
後ろから、一気に貫かれた。
「う……っく、ああっ、」
腹を突き上げられた衝撃で、イってしまった。
これって。
話に聞く、トコロテンってやつじゃないのか……?
俺、後ろでこんなに感じるようにされちゃったんだ。
ごく普通の、男子高校生だったのに。
それなりに夢を持ってたファーストキスも、初めてのエッチも。
異世界の王様に、持ってかれてしまうなんて。
その上、めちゃくちゃ求愛されてるし。
俺、そんな魅力ないだろ?
こんなの、絶対おかしいだろ。
何でこんなことになっちゃってんの!?
『イチ。……余の名を、呼んでおくれ。ウージュ、と』
甘い声で囁かれて、ぞくぞくする。
「ひゃぅ、」
ぐい、と腰を押し付けられて。
お尻に、陰毛が触れて、くすぐったい。根元まで、入れられちゃってるんだ。
ウルジュワーンの、大きいのを。
中から胃を圧迫されてるみたいで、息苦しい感じがする。
確かに、俺の中に、入ってるんだ。
他人の脈動を、こんな風に感じるなんて。
『イチ、』
猫にするみたいに、喉元をくすぐられて。
懇願される。
「う、……ウージュ……?」
『ああ、これが、幸福というものか。愛しい者から名を呼ばれる、この高揚が』
ぎゅうっと抱き締められて。
中のものが、更に大きくなった気がした。
◆◇◆
「あ……、ぁう、」
腹の中に、ウルジュワーンの精液を出されてるのがわかった。
熱いのが、いっぱい出てる。
『子をたくさんもうければ、イチは珍しくなくなる。外にも出られるぞ?』
だから。
自分を愛して、いっぱい子供を作ろうって言いたいのか?
何だよ、その口説き文句。
普通に言えよ。
『……愛している、イチ。たとえ子を授からなくとも、生涯、離しはしない』
うわあ。
普通に言われても、めちゃくちゃ恥ずかしい。
耳まで真っ赤になってるのが、自分でもわかる。
顔全体、熱くなってるし。
身体をひっくり返されて。
正面から、抱かれる。ウルジュワーンはまだまだ元気なようだ。
『ふふ、可愛いな』
かわいくない。
俺は、普通だっての。
ウルジュワーンは別の意味でのヤる気に満ち溢れていて。
今夜も、当分終わらせてくれそうにない。
また、筋肉痛になっちゃいそうだ。
こんな困った王様。
……もう、受け入れるしか、ないか。
「……ウージュ。もっと、」
逞しい背に、手を回して。王様の寵愛をねだった。
元気すぎる王様は、俺が気を失うように眠りに落ちるまで。
俺のことをぎゅっと抱き締めて。精を注いでいた。
夢うつつに。
二人の間に。
赤ん坊がいたのを、見たような気がしたけど。
◆◇◆
……ここ、どこだ?
森の中か?
木立を吹き抜ける、爽やかな風。
足下には、朝露に濡れたような、芝生のような草が生えている。
朝だろうか?
小鳥が鳴いてて。木の間から、やわらかな日差しが降り注いでる。
あれ? ウルジュワーンは?
額に触れてみると。……印が、消えてる。
どういうことだ?
自分の姿を見下ろせば、ちゃんと服を着ていた。
夏期講習に出かけた、あの時と同じ格好。
あれは。
あの世界は。
……夢、だったのか?
甘い舌が。
口の中に、入ってくる。
こんなの、味見じゃないだろ。
後頭部を支える手が。耳の下をくすぐって。ぞくぞくする。
吐息も甘い。
抵抗する気が、なくなってくる。
『王よ、御戯れは、その辺りでおやめ下さい』
ラクさんの鋭い声に。
状況を思い出した。
みんな、いるんだった。
みんな、びっくりした目で、こっちを見てた。
恥ずかしくて。
慌ててウルジュワーンから離れて。思わず、ハルさんの背後に回った。ここはセーフティーゾーン!
『あらあら、油断も隙もないね。ウーさんったら』
よしよし、と頭を撫でられる。
『ごちそーさまでーす』
ダルさんが言って。ダッシュで調理場を出て行った。
どうしたんだろ?
『あっ、貴様! 私はまだ、一口も食べてなかったというのに!!!』
ラクさんがマジ切れして、それを追い掛けて行った。
あらら。
そんなに怒らなくても。
アイスくらい、言ってくれれば、また作るのに。
◆◇◆
アイスの試食会も終わり、部屋に戻った。
というか、逃げ帰ったようなものだ。
人前でベロチューかまされて平気でいられるほど、俺の面の皮は厚くないのだ。
お風呂に入ってたら。
ウルジュワーンが風呂場に乱入してきた。
堂々と、全裸のまま。自分の部屋からここに来たようだ。
唖然としてたら。
湯船にまで、一緒に入って来て。
『もう、痛くはないだろう?』
と、甘く囁かれて。
抱き締められながら、キスをされてしまったら。
もう、駄目だった。
抵抗なんて、できない。
見てると正気を失いかねないレベルの超絶美形な上に、腰が抜けそうになる美声とか、ずるすぎる。
そっちこそ、戦略兵器だよ。
こっちはその顔、当たり前でもなんでもないし、耐性もないんだからな!?
なんか、やたら手馴れた感じがして、上手いし。
右手だけが恋人だった俺なんて、勝ち目はなかった。
完全白旗だ。
◆◇◆
風呂で、散々イタズラされた後。
ぐったりしてるのを、王の寝室に連れ込まれて。
香油をたっぷり使われて、あそこを慣らされて。
うつ伏せで、腰だけ高く上げさせられた状態で。
後ろから、一気に貫かれた。
「う……っく、ああっ、」
腹を突き上げられた衝撃で、イってしまった。
これって。
話に聞く、トコロテンってやつじゃないのか……?
俺、後ろでこんなに感じるようにされちゃったんだ。
ごく普通の、男子高校生だったのに。
それなりに夢を持ってたファーストキスも、初めてのエッチも。
異世界の王様に、持ってかれてしまうなんて。
その上、めちゃくちゃ求愛されてるし。
俺、そんな魅力ないだろ?
こんなの、絶対おかしいだろ。
何でこんなことになっちゃってんの!?
『イチ。……余の名を、呼んでおくれ。ウージュ、と』
甘い声で囁かれて、ぞくぞくする。
「ひゃぅ、」
ぐい、と腰を押し付けられて。
お尻に、陰毛が触れて、くすぐったい。根元まで、入れられちゃってるんだ。
ウルジュワーンの、大きいのを。
中から胃を圧迫されてるみたいで、息苦しい感じがする。
確かに、俺の中に、入ってるんだ。
他人の脈動を、こんな風に感じるなんて。
『イチ、』
猫にするみたいに、喉元をくすぐられて。
懇願される。
「う、……ウージュ……?」
『ああ、これが、幸福というものか。愛しい者から名を呼ばれる、この高揚が』
ぎゅうっと抱き締められて。
中のものが、更に大きくなった気がした。
◆◇◆
「あ……、ぁう、」
腹の中に、ウルジュワーンの精液を出されてるのがわかった。
熱いのが、いっぱい出てる。
『子をたくさんもうければ、イチは珍しくなくなる。外にも出られるぞ?』
だから。
自分を愛して、いっぱい子供を作ろうって言いたいのか?
何だよ、その口説き文句。
普通に言えよ。
『……愛している、イチ。たとえ子を授からなくとも、生涯、離しはしない』
うわあ。
普通に言われても、めちゃくちゃ恥ずかしい。
耳まで真っ赤になってるのが、自分でもわかる。
顔全体、熱くなってるし。
身体をひっくり返されて。
正面から、抱かれる。ウルジュワーンはまだまだ元気なようだ。
『ふふ、可愛いな』
かわいくない。
俺は、普通だっての。
ウルジュワーンは別の意味でのヤる気に満ち溢れていて。
今夜も、当分終わらせてくれそうにない。
また、筋肉痛になっちゃいそうだ。
こんな困った王様。
……もう、受け入れるしか、ないか。
「……ウージュ。もっと、」
逞しい背に、手を回して。王様の寵愛をねだった。
元気すぎる王様は、俺が気を失うように眠りに落ちるまで。
俺のことをぎゅっと抱き締めて。精を注いでいた。
夢うつつに。
二人の間に。
赤ん坊がいたのを、見たような気がしたけど。
◆◇◆
……ここ、どこだ?
森の中か?
木立を吹き抜ける、爽やかな風。
足下には、朝露に濡れたような、芝生のような草が生えている。
朝だろうか?
小鳥が鳴いてて。木の間から、やわらかな日差しが降り注いでる。
あれ? ウルジュワーンは?
額に触れてみると。……印が、消えてる。
どういうことだ?
自分の姿を見下ろせば、ちゃんと服を着ていた。
夏期講習に出かけた、あの時と同じ格好。
あれは。
あの世界は。
……夢、だったのか?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
642
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる