異世界の天使~鳥は二度羽搏く

篠崎笙

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レティシアにて

イザヤ:嫉妬

異世界から迷い込んだ小鳥を家に連れ帰って保護し、しばらく経ったが。

小鳥は元気がなかった。
せっかく自由の身となったというのに。


言葉も通じるようになったのだから。
もっと話がしたいと思い、足りないものはないか、欲しいものはあるか、何かしたいことはないかと色々聞いたのだが。

イニスは慎ましい性質だったようで。
贅沢を望むどころか、現在の環境で、もう充分贅沢だと言う。

ねだってくれれば、可能なことであれば何でもきいてやりたいと思っているのに。


◆◇◆


「……ン、アッ、」

悩ましい声が聞こえた気がして。
イニスの部屋に入ると。

テーブルの上で。使用人に押さえつけられ、犯されている彼を見てしまった。


「アッ、……ン、ア、アッ、」
白い尻に、赤黒いものが突き刺さっていた。


ぱちゅん、と濡れた陰毛が尻に触れるほど打ち付けられ。
引き抜かれると、紅い粘膜が捲れ上がる。

白い足が、力なく揺れている。

部屋の中に、はぁはぁという荒い息と。粘膜を掻き回す音。
イニスの鳴き声が響いている。


剣を佩いてなかったことを、後悔した。


「……貴様……、」
「ひ、ひい!?」
使用人は殺気だった私に気付くと。
悲鳴を上げ、尻を出したまま、窓から慌てて逃げ出した。

庭に居た兵に、そいつを捕まえるよう指示する。


「……大丈夫か、イニス!?」
駆け寄ると。イニスはとろんとした顔をしていた。

「……ちょうだい、もっと」
足を抱え上げて。

こちらによく見えるよう、ぱかりと開いてみせた。

相変わらず、無毛で。
つるりとした股間。

後孔は、ひくひくと物欲しそうに蠢いていた。
そこを、拡げて。

「ここ。欲しくて。おかしくなるの」


黒い、大きな瞳が私を見る。
欲情して、潤んでいる。


まさか。
「だから、使用人を、誘ったと……?」

イニスは頷いた。
犯されていたのではない。


自分から、誘ったのだという。


◆◇◆


元気がなかったのは、そういった理由だったのか。

男の精が欲しくて、我慢できなかったのか。
日々、男を咥え込まないと満足できない、いやらしい身体。


そういう身体にされたのだ。
あの男に。ダミアンに。

一太刀で楽にしてやるべきではなかった。

生きていることを後悔するような目に遭わせてやれば良かった。
いっそ殺して欲しいと懇願するような。


あの使用人。
私のイニスを、犯し、穢した。……生かしては置けない。

イニスから誘われたとはいえ、
私のものに手を出したのだ。

許さない。


怒りに、目の前が真っ赤になった。
燃え上がるような、焼け付くような、身を焦がす、この想い。

これが、嫉妬か。


初めて知った。
このような醜い、どろどろとした感情が、自分にあったことに。


◆◇◆


「ならば……私を求めよ」

イニスの細い身体を抱き締めた。
少し加減を間違えれば、簡単に折れてしまいそうな細い腕。

この薄い腹の中を。はらわたの味を。
あの温もりを知っていいのは、私だけだ。

男の精が欲しいのならば、私が与えよう。

いや、私だけが、イニスに精を与えて良い、唯一の男だ。
これからも。


「今後、私以外の男の精を受け入れるのは許さない」

耳元で告げる。
「……たがえば、殺す」

恐怖だろう、震えながらも。
イニスは悦んでいるように見えた。


身体を清め、他の男の精を洗い流した。

湯の中で、指を三本差し込み、掻き出してやる。
指は楽に入った。

「や……アン、中、そんな、掻き混ぜないで……、」

洗っているだけだというのに。
イニスは感じて白い身体をくねらせ、甘い声で鳴いた。

ああ、どこまで淫らな身体なのだろうか。
私がそういう身体にしてやったのなら、良かったのに。

何人の男が、この甘露を味わったのだ。

憎い。
イニスを抱いた男、すべてをずたずたに引き裂いてやりたい。


初めてを知ったのは。
無垢だったイニスに男の味を教えたのは誰だ。

ダミアンを拷問して、顧客情報を聞き出しておけばよかった。

イニスを抱いた男はすべて見つけ出して。
思い知らせてやるものを。


私のものだ。
は、私だけのために鳴く小鳥だ。


◆◇◆


たまらず、突き入れる。
浴槽から上半身を出させて、腰を突き出すような形に固定して。

「ヒァ……ッ!?」

「これで、全て掻き出してやろう……おまえの、不貞のあかしをな……、」
中を引っ掻くように、腰を前後に動かして。

ぐっちゅぐっちゅ、と。わざと音がするように、湯と自身で中を掻き混ぜてやる。


「うん、掻き出して。……かわりに、イザヤの、お情けを、ちょうだい……?」
イニスは、うっとりと目を細めている。

半開きの唇から、唾液が溢れてくるのを啜ってやる。

……どこもかしこも、甘い。
異世界人の体液は、皆このように甘いのだろうか。イニスだけが特別なのだろうか。


「アウッ!?」
肩に噛み付き、滲み出た血を舐め取る。

これも、芳しく甘い。もっと味わいたかったが。

「……いや、痛いのは、いや」

イニスは震えて、泣いていた。
もっと泣かせたい、めちゃくちゃにしてやりたい、と嗜虐心が疼いたが。
嫌われるのは嫌だった。

荒れ狂う欲望を、どうにか抑え込むのに苦心する。


「わかった。優しくしよう。……ただし、約定を違えれば……」
肩の傷に、指を這わせる。

イニスは泣きながら、がくがくと頷いた。
かわいらしい、私の小鳥。

……その涙もすべて、私のものだ。


きゅう、と締め付けられ。中に欲望を放った。
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