異世界の天使~鳥は二度羽搏く

篠崎笙

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レティシアにて

イザヤ:拷問

逃げた使用人を捕らえ、罰を与えるため、地下牢に入れた。


男は、あいつが誘ったんだ、などと言い訳をしていたが。
そんなことはどうでも良い。
は、おまえのようなものに穢されていい相手ではない。

小鳥の鳴き声ならいくら聞いても心地好いが。
男の上げる声など聞くに堪えないので、布を噛ませた。


「私のものに手を出した報いを、我が手によって受けること、光栄に思え」

手足を縛りつけ、裸にし。台に性器を載せるかたちで固定させ。
手斧で、股間の汚らわしいものの先端を断ち切った。

男はぐぶぐぶと苦鳴を上げ、泡を吹いて気を失った。


まだだ。
ダミアンに出来なかった分も、罰を引き受けてもらわねばならぬ。

この程度で失神されては困る。


リモネの果汁を絞ったものを傷口に浴びせてやると、悶えながら目を覚ました。
酸は傷口によくしみる。

男は目が血走って、汗と涙を滝のように流している。
救いを求めるように、周りを見回している。

無駄なことを。
この場に居る誰も、おまえのような罪人を助けるわけがないというのに。


そうか。つらいか。

だが、私の小鳥。
イニスはもっとつらかったはずだ。

あれは何の咎もないのに、娼館に捕らえられ、性器を切断され。
男たちに、穢されてきた。そのため、抱かれて悦ぶ身体にされたのだ。

その苦しみの一端でも、己が身で知るが良い。


◆◇◆


よく研がれた刃で、男の性器を膾切りにしていく。
台に血と精が飛び散る。汚らしい。痛みのあまり、射精したのだ。

性器を切られる度に、男の身体が跳ねるように動いた。

ごぼごぼと、男が吐く泡に血が混じっていた。
胃に穴でも空いたか?


見ていた部下が、何人かは吐き、気を失ったようだ。

こんなことで動揺するとは。新兵か?
勇猛果敢な我がレティシア騎士団として、情けない限り。鍛え直す必要がありそうだ。


部下のハーマンが恐れながら、と言い出した。
顔色が青い。

「で、殿下、これは、さすがにやりすぎでは……」
少し内股になっている。

犯罪者に同調してどうするのだ。

「盗人は、腕を斬り落とす刑であろう。姦淫は、性器を。その罰を執行しているだけだ。問題はあるまい」


「はあ……、確かにそうですけれども……」
ハーマンは、不承不承といった感じで頷いた。

我が国の法で、そう決まっているのだ。
罪には、相応の罰を与えねばならないと。決まりを守らねば示しがつかない。


「私のイニスを穢したのだ。殺しても飽き足らぬ。だが、性器と腕だけで、命は助けてやるというのだ。それは慈悲ではないか?」
微笑んでやる。

「……最後まで生きていられれば、ですかね……」
ハーマンは諦めたように溜め息を吐いた。


「さて。今の会話の分だけ、命拾いしたな?」
一休みはここまでだ。

拷問器具を広げてやる。
さあ、どれから試してやろうか。


男の目が、絶望で見開かれた。


◆◇◆


万力で睾丸を潰し、捻るようにもぎ取り、腕に鋸をかけている途中で男は死んだ。
ショック死だと医師は告げた。

イニスに、使用人の最期の様子を伝えた。


青褪めてはいたが、気を失うことはなかった。倒れた騎士は、イニスを見習うといい。
見た目の脆弱さに反し、気丈な強い子だ。

いや、子ではなかったか。

彼は15歳、もう成人だということを忘れそうになる。
言動が幼いからだろうか。

だがよく聞けば、異世界では成人は20歳だという。
遅すぎるのではないか。

結婚は18歳からだと? 意味がわからない。
全て15でいいではないか。もう立派な大人だろうに。

こうして、ちゃんと男の精を受け入れることが出来るのだから。


「ン、……イザヤぁ、もっと、」
甘い声で鳴き、私の名を呼ぶ可愛い小鳥。

まだあどけなさを残す、柔らかな頬に口付ける。

つるりとした股間を探り。
無毛のままのそこを弄っていると、もじもじと身悶えて。

「あ、あんまりそこ、いじったら、もらしちゃうから、だめえ、」
涙目でいやいやするので、名残惜しいが手を止める。

ベッドを汚すのを、イニスは遠慮しているのだ。
使用人にまで気を遣う、優しい子だ。

性器を切り取られてしまったために、筋肉で尿意を留めているようだ。
そうして鍛えているから、締りが良いのだろう。


色の薄い乳首は、今は充血して、赤く尖っている。
吸い付くと、びくびくと身体を震わせる。

中に挿れながらここを弄れば、締め付けて。私を夢見心地にしてくれるのだ。


イニスの身体は、私を喜ばせるためだけに作られたようだ。
いや、もう、私だけのものだ。

私の元で、鳴くがいい。


◆◇◆


膝の上に乗せ、腰を突き上げてやると。
細い腕がしがみついてくる。

「だめ、これ、おなか、やぶれちゃう……」

この体勢だと、串刺しにされているように感じるらしい。
私は、腹や尻の筋肉にほどよく締め付けられ、心地好いのだが。


「これは、いやなのか?」

問いに、イニスは私の首筋に顔を埋めた。
さらりとした黒髪の感触。

耳まで赤くなっている。首を横に振って。
「……や、じゃない……」


ああ、可愛らしい、私だけの小鳥。

私のそばで、いつまでもこうして鳴いていて欲しい。
私のためだけに。

生涯を終えるまで。
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