異世界の天使~鳥は二度羽搏く

篠崎笙

文字の大きさ
10 / 19
レティシアにて

イザヤ:願望

「はぁ、遠征にまで連れてくって言うんですか?」

ハーマンが驚いていた。
「何を驚くことがある。あれを連れて行くのは当然だろう」


年に二度の視察で、長らく家を空けることになるのだ。
どうしても、王族である私が参加しないといけないらしい。騎士団だけで充分だろうに。

小鳥を置いていったら。
誰かに狙われて、攫われてしまうに決まっている。

それに、私がいなければ寂しくなって、代わりに埋めるものを探してしまうかもしれない。
そういう身体なのだ。あれは。


「少なくとも、あの光景を見てる人間ならば、絶対に手を出そうとは思わないんじゃないですかね……」
使用人に処罰を加えたことを、まだ言っている。

あれから、屋敷の使用人たちはイニスを丁重に扱っているようだから、あれはあれで良かったのだ。
イニスが私の大切なものだと、ようやく認識したのだろう。

鈍いやつらだ。
どうでもよいものなら、わざわざ自分の屋敷へ持ち帰っては来ないだろうに。

いや、はじめから、そう言って紹介しておけば良かったのだ。

そうしたら、私のイニスがあんな使用人などに穢されることはなかった。
イニスも、素直に私の精を求めていたかもしれなかった。

悔やんでも、悔やみきれない。


「……そういえば、ウェンデルに先行調査に行ったのは誰だったかな?」
確か、兵士と……。

「止めてください! 貴重な人材を減らさないで下さい!」
ハーマンは真っ青になっていた。

殺す、とまでは言ってないのだが。
金を握らせるだけで良かっただろうに、何故抱いたのかを聞き出したかっただけで。


過去のことは、もう仕方ないと諦めることにしよう。
つくづく、ダミアンを尋問する前に殺すのではなかった、と悔やんではいるが。


◆◇◆


視察に行く前に、イニスに金細工の首輪をつけた。

これには王家の紋章が入っている。王子の持ち物である証である。
これを着けておけば、手を出す者はいないだろう。


遠征でイニスに着せる服は、極力肌の露出の少ないものを選んだ。
イニスの白くすべすべの肌は、男の目を誘う。なので入念に隠さねばならない。

どのような格好でも似合っていて愛らしいので、すぐに脱がしたくなってしまうのが困るが。


「ア……ッ、」
イニスを風呂のふちに座らせ、足を開かせた状態で、イニスの股間を味わう。

手術の影響か、そこからは陰毛が生えなくなってしまったようで。
つるりとした股間には何もない。あるのは尿道の孔だけ。

それがイニスを不思議な生物に思わせる要因となっている。

性器がなくなり、尿意を堪えるのが困難になったようだが。
それを筋肉で留めているのだ。

孔を愛撫してやると、イニスはいつも粗相をしそうだからやめて欲しいと嫌がる。
恥ずかしい、という理由もあるが。
使用人に、汚れたシーツを回収させ、洗わせるのが申し訳ないという。使用人にまで遠慮するとは、慎ましいことだ。


だから、今日は風呂ですることにした。
ここでなら、粗相をしてもすぐに流せるので、気に病むことは無いだろう。

後ろの孔を弄りながら、前の孔も愛撫してやる。


「いや、そこ、やだって……、」
そんな愛らしい声で言われても、嫌そうに聞こえない。

無毛の股間に舌を這わせ。
尿道の孔を、舌先で抉ってやる。

「ヒッ……!」
吸い付いてやると。びくりと身体が震えた。


◆◇◆


「や、やだ、もらしちゃうから、放し、」
悶えている。

ここでしてしまえばよい。許す。
そのつもりでこうして私自らここを愛してやっているのだというのに。


きつく吸い付いてやると。
「ああ……、」

イニスはとうとう堪えきれず、尿を放出した。


精を放てなくなった代わりに、こうして別のかたちで達けばよいのだ。
我慢をしていたせいか、勢いよく噴き出している。

イニスは快感に震えている。
恥じらわず、私には全てを見せるがいい。


「……綺麗にしてあげよう」
濡れたそこに、舌を這わせてやる。

異世界の者の体液は、全て甘い。これも。


「うう……っ、」
そのまま後ろの孔へ、舌を這わせ。

子供のように柔らかな尻をかぷりと食み。
まるで初めてのように慎ましく閉じている孔に舌先を差し込んだ。


「そ、そんなとこ、……アアッ、」

襞を掻き分け、舌で中の肉を探る。
あたたかでやわらかい腸内。

イニスは快楽に身悶えている。
私が、イニスを感じさせているのだ。


たまらず、うつ伏せにした状態でイニスを貫いた。

「ア……ッ、」
可愛らしい声を上げた。

立ち上がったことで、湯船から湯が溢れ、イニスの体液が流れてしまう。
それを見て、イニスは安心したように息を吐いた。

「く……っ、すごい、締まる……」

私はきつく締め付けられ、気持ち良いが。
イニスも気持ち良いようだ。
私に身を貫かれ、うっとりしている。


ああ、可愛い小鳥。
私だけの。


◆◇◆


「……私の子を、孕んで欲しい……」
腰を押し付け、イニスに囁く。

「孕んで。……お願いだから……」


女神は、愛し合う二人にしか、子を授けてはくれないのだ。
だから。

私を愛していると。
これほどまでに狂おしく、愛しく思うのが私だけでないと。
目に見えるかたちで、証明して欲しい。


イニスの細い身体を抱き締めながら。
孕んで欲しい、と何度も囁いた。
感想 1

あなたにおすすめの小説

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って? いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

老聖女の政略結婚

那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。 六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。 しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。 相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。 子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。 穏やかな余生か、嵐の老後か―― 四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。

【完結】Restartー僕は異世界で人生をやり直すー

エウラ
BL
───僕の人生、最悪だった。 生まれた家は名家で資産家。でも跡取りが僕だけだったから厳しく育てられ、教育係という名の監視がついて一日中気が休まることはない。 それでも唯々諾々と家のために従った。 そんなある日、母が病気で亡くなって直ぐに父が後妻と子供を連れて来た。僕より一つ下の少年だった。 父はその子を跡取りに決め、僕は捨てられた。 ヤケになって家を飛び出した先に知らない森が見えて・・・。 僕はこの世界で人生を再始動(リスタート)する事にした。 不定期更新です。 以前少し投稿したものを設定変更しました。 ジャンルを恋愛からBLに変更しました。 また後で変更とかあるかも。 完結しました。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

猫を追いかけて異世界に来たら、拾ってくれたのは優しい貴族様でした

水無瀬 蒼
BL
清石拓也はある日飼い猫の黒猫・ルナを追って古びた神社に紛れ込んだ。 そこで、御神木の根に足をひっかけて転んでしまう。 倒れる瞬間、大きな光に飲み込まれる。 そして目を覚ましたのは、遺跡の中だった。 体調の悪い拓也を助けてくれたのは貴族のレオニス・アーゼンハイツだった。 2026.1.5〜

【完結】水と夢の中の太陽

エウラ
BL
何の前触れもなく異世界の神という存在に異世界転移された、遠藤虹妃。 神が言うには、本来ならこちらの世界で生きるはずが、まれに起こる時空の歪みに巻き込まれて、生まれて間もなく地球に飛ばされたそう。 この世界に戻ったからといって特に使命はなく、神曰く運命を正しただけと。 生まれ持った能力とお詫びの加護を貰って。剣と魔法の世界で目指せスローライフ。 ヤマなしオチなし意味なしで、ほのぼの系を予定。(しかし予定は未定) 長くなりそうなので長編に切り替えます。 今後ややR18な場面が出るかも。どこら辺の描写からアウトなのかちょっと微妙なので、念の為。 読んで下さってありがとうございます。 お気に入り登録嬉しいです。 行き当たりばったり、不定期更新。 一応完結。後日談的なのを何話か投稿予定なのでまだ「連載中」です。 後日譚終わり、完結にしました。 読んで下さってありがとうございます。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる

彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。 国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。 王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。 (誤字脱字報告は不要)