底辺オタクがチート性能ガチ盛りなフタナリ美形に転生~魔法王国の王様に俺はなる!

篠崎笙

文字の大きさ
4 / 83

忠実なる世話係アンドレ

しおりを挟む
「……っ、」

うう、あったまいてえ!
当たり前か。だってめっちゃ血ィ出てるし!

さっき、三階のベランダでぼけっと庭を眺めてたら。
手すりが壊れて、石畳の歩道に頭から落っこちたのを思い出した。

幼児は重心が頭にあるから、コケるときも頭から行くんだよな。これ経験則。


頭蓋骨割れてるだろこれ。
限界を超える痛みのせいで、逆に意識を失えない状態のようだ。脳内麻薬プリーズ!


*****


一人になりたい、とか言って人払いしちゃったせいか、誰も来ないので。
自力で、負った傷を治すことにする。

「L'anesthésie……cicatriser」

……よし。
痛みは消え、傷も癒えたようだ。


頭だけじゃなく、全身も打ってたんだな。
何とか手も、動くようになった。

あー、治癒魔法がある世界で良かった!

即死でさえなければ、何とかなる。
まあ死んでもすぐになら蘇生魔法もあるにはあるが。失敗すると灰になるからな……。ワンチャンあるだけマシか?

危ない危ない。あやうくまた死ぬところだった。

今度の人生は享年5歳とか、童貞以前に悲しすぎるっつーの。
せっかく色々恵まれた美少年に生まれ変わったんだから、新しい人生を謳歌しちゃる。


「よっと、……あれ?」
起き上がろうとして、くらっとめまいがした。

さすがに血を流しすぎたようだ。
傷は治せても、失った血液は戻らないからな。水魔法で血を回収してもいいけど、なんかばっちいから戻すのヤだ。


仕方ない。
移動魔法で食堂にでも行くか、と考えていたら。


*****


「アンリ様!?」
パタパタと、駆ける音がして。

キラキラしい美少年が陽光に輝く金髪を靡かせ、こっちに向かって走って来た。
物音に気付いて、様子を見に来たのだろう。


アンドレ・ジャン=バティスト。
俺の世話係で、金髪碧眼の正統派美少年である。今年10歳。小学4年相当にしては背が高いのは、外国人だからかな。

どう考えてもこっちの方がご主人様に見えるっていうか。王子様みたいな容姿だよな……。
こっちじゃ黒が尊いせいで、常識が違うんだけど。

色が薄いと魔素も薄いというが。こいつの場合、魔力はそこそこ持ってるのに。
金髪碧眼色白に生まれたというだけで、問答無用で世話係として俺の下に寄越されたようだ。
この世界、やっぱおかしいわ。


「お部屋にいらしたはずでは? ……まさか、」

俺のいた部屋を見上げ。
ベランダの手すりが壊れているのに気付いたようだ。

「あんなに高い場所から? ああ、血がこんなに……お怪我は?」

アンドレは、地面や俺の服に染み込んでる大量の血を見て。
真っ青になって、取り乱している。


「案ずるな。傷はもう癒した」
涙目で治療魔法を展開しようとしているアンドレを、手で制す。

「ああ、御髪おぐしにも血が……、洗い落としましょう。その前に、何か血肉になりそうなものをご用意しますね」
貧血で歩けないと判断したようで、ひょい、と抱き上げられた。


血が足りなくて、歩くのもだるいから、運んでもらえるのはありがたいが。
中身は中年男なので、さすがに王子様のような美貌の少年にお姫様抱っこされるのは気恥ずかしかったりする。
せめておんぶにして……!?


アンドレは俺のオムツも替えてるし、赤ん坊からの延長で接してるんだろうけど。


*****


俺をお姫様抱っこして歩くアンドレの腕も足取りも揺るぎなく。
抜群の安定感である。

俺がまだ5歳のちびっこで軽くて、アンドレが”公爵の世話係”としての訓練を受けていても。さすがに10歳の腕力では、こう簡単に抱いて運ぶことはできないだろう。

重力魔法を併用しているのだ。
さり気なくやっているが、かなりの高等技術だったりする。

この年で、ここまで魔法を使いこなしてるのに。
見た目だけで差別されるとは、この世はまさに不条理なり。


俺は勝ち組だけど。ヤッター。
って、そんなに嬉しいばかりでもないんだけどな。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

オレの番になって──異世界に行って愛猫の番にされる話

まめ
BL
不慮の事故により、異世界に転移することになった神木周。 心残りは、唯一の家族だった愛猫・ネロのことだけだった。 ──目覚めた草原で再会したのは、見覚えのある大きな黒い獣。ネロが追いかけてきてくれたのだ。 わからないことばかりの異世界だけど、ネロがいるからきっと大丈夫。 少しずつ心をほどき、神に招かれた世界で穏やかな毎日を楽しむ周たち。 しかし、そんな彼らに不穏な気配が忍び寄る―― 一人と一匹がいちゃいちゃしながら紡ぐ、ほのぼの異世界BLファンタジー。 こんにちは異世界編 1-9 話 不穏の足音編 10-18話 首都編 19-28話 番──つがい編 29話以降 全32話 執着溺愛猫獣人×気弱男子 他サイトにも掲載しています。

推しのために、モブの俺は悪役令息に成り代わることに決めました!

華抹茶
BL
ある日突然、超強火のオタクだった前世の記憶が蘇った伯爵令息のエルバート。しかも今の自分は大好きだったBLゲームのモブだと気が付いた彼は、このままだと最推しの悪役令息が不幸な未来を迎えることも思い出す。そこで最推しに代わって自分が悪役令息になるためエルバートは猛勉強してゲームの舞台となる学園に入学し、悪役令息として振舞い始める。その結果、主人公やメインキャラクター達には目の敵にされ嫌われ生活を送る彼だけど、何故か最推しだけはエルバートに接近してきて――クールビューティ公爵令息と猪突猛進モブのハイテンションコミカルBLファンタジー!

転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜

隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。 目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。 同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります! 俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ! 重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ) 注意: 残酷な描写あり 表紙は力不足な自作イラスト 誤字脱字が多いです! お気に入り・感想ありがとうございます。 皆さんありがとうございました! BLランキング1位(2021/8/1 20:02) HOTランキング15位(2021/8/1 20:02) 他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00) ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。 いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!

転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される

Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。 中1の雨の日熱を出した。 義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。 それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。 晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。 連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。 目覚めたら豪華な部屋!? 異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。 ⚠️最初から義父に犯されます。 嫌な方はお戻りくださいませ。 久しぶりに書きました。 続きはぼちぼち書いていきます。 不定期更新で、すみません。

処理中です...