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Ⅶ
美しき国王と王佐、指輪の交換をする
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手袋を外されて。
手の甲にキスをされる。
周囲から、何だ? 何が始まったんだ? というような興味津々な視線を感じる。
俺にはわかった。
あっちでは結婚式のスタンダードである、指輪の交換だ。
ロロは、小さな箱を懐から取り出した。
いつの間にそんなものを用意したんだろう。サプライズだ。
*****
「これは、首輪や足枷の代わりに、相手が自分のものであることを示す印だ」
皆に聞こえるように言って。
俺の左手の薬指に、指輪をはめた。
銀色の指輪。
これ、プラチナかな? こっちの世界では、魔法の触媒として黄金より高額取引されてる金属だ。
うわ、外れない魔法が付与されてる。呪いの指輪かよ!
そして。
俺にも小さな箱を渡された。
そんな、捨てられた子犬が懇願するみたいな目をしなくてもいいのに。
今更、拒むわけないだろ?
子犬どころか、本性は獰猛なオオカミのくせして。
俺もロロの左手を取って、薬指に指輪をはめて。
ついでに、絶対に外れない魔法を付与してやる。お返しだ、ざまあみろ。
お互い、太ったら大惨事だな!
「アンリ……、」
心から、幸せそうな顔をしてる。
全くもう。
そんな顔されたら、こっちも照れるだろ。
*****
盛大な拍手。
「!?」
いつの間にか立ち上がっていたロロに抱き締められて、がっつりチューをかまされていた。
いや、拍手すんな! 泣いてる人もいるし!
アンドレは、なんか違う意味で泣いてるみたいだけど。
今の儀式は何だ、と。中継を見ていた国民だけでなく。各国からも問い合わせが殺到しているという。
何で他の国にまで中継されてるんだ……?
こっちの結婚式でも、ロロの誓いの言葉と指輪の交換がスタンダードになりそうな雰囲気だ。
あと、キスも!?
オタクカルチャーを広めるより先に。ちょっと悔しい。
「それでは、後はよろしく」
そう言って。ロロは俺を抱き上げた。
俺のマントが腰までしかないのは、こうして抱き上げる時に邪魔になりそうだったからか。
こいつ、どこまで用意周到なんだ。
「おお……」
「奇跡だ」
「神よ……」
周囲から、感嘆の声が上がった。
天窓から、虹色の光が差し込んでいるのに気付いた。
これは、滅多にない現象で。
神様がこの結婚を祝福してくれているしるしだそうだ。
ええ……。
神様、この結婚を祝福してくれちゃうの?
この人、別の世界から追いかけてくるようなとんでもないストーカーですよ?
まあ俺も、こいつのことを受け入れちゃってる時点でアレなんだけどな。
割れ鍋に綴じ蓋ってやつ?
*****
ロロは俺をお姫様抱っこしたまま、歩いて城の寝室へ向かうつもりなようだ。
移動魔法を使えばいいのに。
「この人は俺のものだって、見せつけて歩きたいんだ」
すました顔でそんなこと言って。
「疲れたら、言え」
「アンリは軽いから大丈夫だ」
降りると思ったのか、絶対に降ろさない、というように腕に力が入った。
「違う。……回復魔法、かけてやるから」
と言ったら。
ロロは、驚いたように目を瞬かせて。
「ありがとう」
心から幸せそうに笑った。
……全く、しょうがない奴だ。
困った奴だが。
俺も、こいつのことは悲しい顔をさせるより、こういう風に、幸せいっぱいな顔にしてやりたいと思う。
前世の俺じゃ、こんなこと、考えもしなかっただろう。
人付き合いを避けていて。人を好きになったりするような心の余裕もなかった。
でも、今は。
こいつが嬉しそうだと、俺も嬉しいし。
胸があったかいような、何だかくすぐったい気持ちになるんだ。
自分が誰かを幸せな気持ちにさせることができるなんて、幸せなことなんだな。
そんな幸せを。
ロロが。ヘンリーが教えてくれたんだ。
それと、俺を大切に思ってくれている周りの人たちが。
生まれ変わって良かったと、心から思える。
新しい人生をありがとう。
手の甲にキスをされる。
周囲から、何だ? 何が始まったんだ? というような興味津々な視線を感じる。
俺にはわかった。
あっちでは結婚式のスタンダードである、指輪の交換だ。
ロロは、小さな箱を懐から取り出した。
いつの間にそんなものを用意したんだろう。サプライズだ。
*****
「これは、首輪や足枷の代わりに、相手が自分のものであることを示す印だ」
皆に聞こえるように言って。
俺の左手の薬指に、指輪をはめた。
銀色の指輪。
これ、プラチナかな? こっちの世界では、魔法の触媒として黄金より高額取引されてる金属だ。
うわ、外れない魔法が付与されてる。呪いの指輪かよ!
そして。
俺にも小さな箱を渡された。
そんな、捨てられた子犬が懇願するみたいな目をしなくてもいいのに。
今更、拒むわけないだろ?
子犬どころか、本性は獰猛なオオカミのくせして。
俺もロロの左手を取って、薬指に指輪をはめて。
ついでに、絶対に外れない魔法を付与してやる。お返しだ、ざまあみろ。
お互い、太ったら大惨事だな!
「アンリ……、」
心から、幸せそうな顔をしてる。
全くもう。
そんな顔されたら、こっちも照れるだろ。
*****
盛大な拍手。
「!?」
いつの間にか立ち上がっていたロロに抱き締められて、がっつりチューをかまされていた。
いや、拍手すんな! 泣いてる人もいるし!
アンドレは、なんか違う意味で泣いてるみたいだけど。
今の儀式は何だ、と。中継を見ていた国民だけでなく。各国からも問い合わせが殺到しているという。
何で他の国にまで中継されてるんだ……?
こっちの結婚式でも、ロロの誓いの言葉と指輪の交換がスタンダードになりそうな雰囲気だ。
あと、キスも!?
オタクカルチャーを広めるより先に。ちょっと悔しい。
「それでは、後はよろしく」
そう言って。ロロは俺を抱き上げた。
俺のマントが腰までしかないのは、こうして抱き上げる時に邪魔になりそうだったからか。
こいつ、どこまで用意周到なんだ。
「おお……」
「奇跡だ」
「神よ……」
周囲から、感嘆の声が上がった。
天窓から、虹色の光が差し込んでいるのに気付いた。
これは、滅多にない現象で。
神様がこの結婚を祝福してくれているしるしだそうだ。
ええ……。
神様、この結婚を祝福してくれちゃうの?
この人、別の世界から追いかけてくるようなとんでもないストーカーですよ?
まあ俺も、こいつのことを受け入れちゃってる時点でアレなんだけどな。
割れ鍋に綴じ蓋ってやつ?
*****
ロロは俺をお姫様抱っこしたまま、歩いて城の寝室へ向かうつもりなようだ。
移動魔法を使えばいいのに。
「この人は俺のものだって、見せつけて歩きたいんだ」
すました顔でそんなこと言って。
「疲れたら、言え」
「アンリは軽いから大丈夫だ」
降りると思ったのか、絶対に降ろさない、というように腕に力が入った。
「違う。……回復魔法、かけてやるから」
と言ったら。
ロロは、驚いたように目を瞬かせて。
「ありがとう」
心から幸せそうに笑った。
……全く、しょうがない奴だ。
困った奴だが。
俺も、こいつのことは悲しい顔をさせるより、こういう風に、幸せいっぱいな顔にしてやりたいと思う。
前世の俺じゃ、こんなこと、考えもしなかっただろう。
人付き合いを避けていて。人を好きになったりするような心の余裕もなかった。
でも、今は。
こいつが嬉しそうだと、俺も嬉しいし。
胸があったかいような、何だかくすぐったい気持ちになるんだ。
自分が誰かを幸せな気持ちにさせることができるなんて、幸せなことなんだな。
そんな幸せを。
ロロが。ヘンリーが教えてくれたんだ。
それと、俺を大切に思ってくれている周りの人たちが。
生まれ変わって良かったと、心から思える。
新しい人生をありがとう。
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