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ローラン・ロートレック・ド・デュランベルジェの人生
Bon appétit.(美味しく召し上がれ)
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駄目で元々、という覚悟で言ってみたのだが。
俺の腕の中で、こくりと頷いてくれた。
何ということだ。信じられない。もしかして、意味が分かってないのか?
「本当に……? 抱いてもいいのか?」
確認するように、訊いてみたが。
アンリはどこかうっとりとしている様子で、もう一度、頷いてくれた。
下腹に、熱が集まる。
こんな色っぽい顔、誰にも見せたくない。
「……結婚するまで決して処女は奪わないし、無理強いもしない。だから、邪魔をするなよ!」
俺は、愕然としているアンドレに向かってそう言って。
自分の領の城。
アンリのために用意した寝室へ、移動魔法で飛んだ。
侵入を阻む防御結界も、出る魔法には無効だ。
*****
特注のダンテルをふんだんに使用した天蓋付きの寝台。
ドラもオレイエも黒く染めた最高級の絹で織ったもので、肌触りも良い。
そこに横たわらせ、伸し掛かり。
唇を寄せると。
「……?」
不意にアンリは顔を背け、不安そうに辺りを見回した。
突然見知らぬ場所に移動したせいで、動揺しているのだろうか?
しかし、アンドレがいる城内では、絶対に何か理由をつけて邪魔しに来るぞ?
「さっき約束した通り、結婚するまで女の部分には挿れないし、乱暴にはしない。そんな不安がらなくていい」
「!?」
アンリの色白の頬が、林檎のように赤くなった。
……可愛いな。
その様子を見て。やはりアンリはまだ何も知らない無垢な身体なのだと確信した。
俺もだが。
赤い薔薇の花弁のような愛らしい唇に、自分の唇を重ねてみた。
柔らかな感触。
唇を離すと。
アンリは驚いたように目を丸くして、俺を見ている。
「……初めて?」
問うと。
更に真っ赤になって、こくこくと頷いた。
ああ、アンリの初めての口づけを、俺が今、奪ったのか。
喜びで、胸がいっぱいになる。
「俺もだ」
そう告げて。
そっと、触れるだけの口づけを交わした。
*****
口づけを深くしていったら、息が苦しいと胸を叩かれた。
やめろ、ではなく、息苦しいことに文句を言われたということは。
嫌だとか気持ち悪いと思われなかったのだ。
口ではなく、鼻で息をするように教えてやった。
しかし、口づけの作法すら知らないとは。
俺は書物や人から聞いてそういった知識を得たが。それすらもなかったのだろうか?
あの世話係なら、無垢なままでいて欲しいと望み、俗事から遠ざけていたのかもしれない。有り得る。
俺は妄想の中で何千回、何万回もアンリを犯していたが。
そういう欲望を抱いたり、妄想することすらしたことがないのか?
年上だというのに、なんと愛らしいのだろう。
守って、大切にしたい気持ちが膨れ上がるが。同時に、滅茶苦茶にしたくなってしまう。
何も知らないこの身体を拓き、暴いて。俺の欲望の全てを注ぎ込みたいという、凶暴なまでの衝動。
「ん、」
アンリは甘い声を上げ、俺の口づけに応えてくれている。
すぐさま己の欲望を突き立て、めちゃくちゃにしたくてたまらなくなるが。
怯えさせたくはない。
ここで恐怖心を与えてしまえば、もう二度とその気になってくれなくなるかもしれないからな。
アンリの快感を最優先にしなくてはならない。
背の服紐を緩め、手を差し入れ。
そっと撫でてやると。まるで子猫のように、心地よさそうに喉を鳴らした。
服の上から触れたことはあったが。これほどまで、触り心地の良い肌だったとは。
すべすべで、しっとりした白い肌。
肌を撫でられるのが気持ち良いのか、触れるたびに、甘い声で鳴いて。
首や鎖骨辺りに落とした口づけにも感じているようだ。
「掌が吸い付くようだ……」
囁くと。それにすら感じている。
女のような膨らみはないが。男というにはあまりに柔らかな胸。
「ひぅ、」
淡い色の乳首に吸い付いたら、びくっと身体を震わせた。
「痛い、」
怒ったように肩をバシバシ叩かれる。
どうやら強く吸いすぎたようだ。
何をしても感じるわけではなく、肌を吸うにも加減が必要なのか。
アンリが感じるにはどうすればいいか。
手探りで覚えていこう。
俺の腕の中で、こくりと頷いてくれた。
何ということだ。信じられない。もしかして、意味が分かってないのか?
「本当に……? 抱いてもいいのか?」
確認するように、訊いてみたが。
アンリはどこかうっとりとしている様子で、もう一度、頷いてくれた。
下腹に、熱が集まる。
こんな色っぽい顔、誰にも見せたくない。
「……結婚するまで決して処女は奪わないし、無理強いもしない。だから、邪魔をするなよ!」
俺は、愕然としているアンドレに向かってそう言って。
自分の領の城。
アンリのために用意した寝室へ、移動魔法で飛んだ。
侵入を阻む防御結界も、出る魔法には無効だ。
*****
特注のダンテルをふんだんに使用した天蓋付きの寝台。
ドラもオレイエも黒く染めた最高級の絹で織ったもので、肌触りも良い。
そこに横たわらせ、伸し掛かり。
唇を寄せると。
「……?」
不意にアンリは顔を背け、不安そうに辺りを見回した。
突然見知らぬ場所に移動したせいで、動揺しているのだろうか?
しかし、アンドレがいる城内では、絶対に何か理由をつけて邪魔しに来るぞ?
「さっき約束した通り、結婚するまで女の部分には挿れないし、乱暴にはしない。そんな不安がらなくていい」
「!?」
アンリの色白の頬が、林檎のように赤くなった。
……可愛いな。
その様子を見て。やはりアンリはまだ何も知らない無垢な身体なのだと確信した。
俺もだが。
赤い薔薇の花弁のような愛らしい唇に、自分の唇を重ねてみた。
柔らかな感触。
唇を離すと。
アンリは驚いたように目を丸くして、俺を見ている。
「……初めて?」
問うと。
更に真っ赤になって、こくこくと頷いた。
ああ、アンリの初めての口づけを、俺が今、奪ったのか。
喜びで、胸がいっぱいになる。
「俺もだ」
そう告げて。
そっと、触れるだけの口づけを交わした。
*****
口づけを深くしていったら、息が苦しいと胸を叩かれた。
やめろ、ではなく、息苦しいことに文句を言われたということは。
嫌だとか気持ち悪いと思われなかったのだ。
口ではなく、鼻で息をするように教えてやった。
しかし、口づけの作法すら知らないとは。
俺は書物や人から聞いてそういった知識を得たが。それすらもなかったのだろうか?
あの世話係なら、無垢なままでいて欲しいと望み、俗事から遠ざけていたのかもしれない。有り得る。
俺は妄想の中で何千回、何万回もアンリを犯していたが。
そういう欲望を抱いたり、妄想することすらしたことがないのか?
年上だというのに、なんと愛らしいのだろう。
守って、大切にしたい気持ちが膨れ上がるが。同時に、滅茶苦茶にしたくなってしまう。
何も知らないこの身体を拓き、暴いて。俺の欲望の全てを注ぎ込みたいという、凶暴なまでの衝動。
「ん、」
アンリは甘い声を上げ、俺の口づけに応えてくれている。
すぐさま己の欲望を突き立て、めちゃくちゃにしたくてたまらなくなるが。
怯えさせたくはない。
ここで恐怖心を与えてしまえば、もう二度とその気になってくれなくなるかもしれないからな。
アンリの快感を最優先にしなくてはならない。
背の服紐を緩め、手を差し入れ。
そっと撫でてやると。まるで子猫のように、心地よさそうに喉を鳴らした。
服の上から触れたことはあったが。これほどまで、触り心地の良い肌だったとは。
すべすべで、しっとりした白い肌。
肌を撫でられるのが気持ち良いのか、触れるたびに、甘い声で鳴いて。
首や鎖骨辺りに落とした口づけにも感じているようだ。
「掌が吸い付くようだ……」
囁くと。それにすら感じている。
女のような膨らみはないが。男というにはあまりに柔らかな胸。
「ひぅ、」
淡い色の乳首に吸い付いたら、びくっと身体を震わせた。
「痛い、」
怒ったように肩をバシバシ叩かれる。
どうやら強く吸いすぎたようだ。
何をしても感じるわけではなく、肌を吸うにも加減が必要なのか。
アンリが感じるにはどうすればいいか。
手探りで覚えていこう。
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