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ローラン・ロートレック・ド・デュランベルジェの人生
le aveu tendre.(愛の告白)
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[何で、そこまでして、俺のことなんて……。あんた、前の人生に未練はなかったのか……?]
英司……アンリにとって俺は、”ガチなストーカー”だろうに。
本気でこちらの心配をするとは、人が好過ぎる。
……未練か。
全く無かったわけでもない。
”オタク”への取材も中途半端だったし、会社もまだ伸びしろがあった。必要最低限の引継ぎしかできなかったのは、少々心残りと言えば心残りかもしれない。
だが。
何よりも大事なものを見つけてしまった。
それに、すぐに追いかけないと、魂の痕跡を辿るのが難しくなる。迷っている時間などなかった。
*****
[言ったでしょう? わたしはわたしの運命に出逢ったと感じたのです。愛する人を目の前で奪われ、通常であれば絶望していたでしょう。ですが、わたしには追いかける手段があった。持てる力をすべて使って追いかけた。それだけです]
幸い、神はヘンリーの追跡を邪魔することはなかった。
英司の魂をこの世界に連れてきた時点で、もうその目的を果たしたようだ。
だから。
勝手に、神公認だと思うことにする。
[もう、魂を追う方法は覚えました。この世界では魔法が使えるので、自分の力で追うことが可能になりました。貴方より若くて良かった。貴方が今世で寿命を迎えたとしても、転生先で貴方を手に入れることができるのですから。それこそ、永遠に]
アンリに向け、会心の笑みを浮かべてみせる。
アンリの方は、生まれた時から前世の記憶があったわけではなく。
5歳の時に暗殺未遂に遭い、ベランダから落ちて頭に怪我をしたショックで思い出したという。
前世での最期の記憶が頭部への打撃だったせいもあったと思う。
アンドレから聞いた話では、その頃から人が変わったようになったというが。
実際、人格が変わったようなものだろう。
そこから国王を目指し、努力を続けたのだから。尊敬に値する。
これから先。
もう二度と、アンリをそのような危険な目には遭わせない。
アンリに降りかかるだろう災厄はすべて排除しよう。
必ず俺が、この手で守ってやる。
*****
「今まではぼんやりと、こ・の・世・界・に違和感を覚えていた。だが、前世での記憶を完全に取り戻したのは……」
今の世界の言語に切り替える。
『私はあなたを愛している』
英語で言ってくれた、アンリの告白を辿る。
「……こことは違う世界の言葉での、熱い愛の告白のおかげだ。俺もあんたを愛している」
再びこっちの言葉で言って。
『俺も、愛しているよ』
もう一度、英語でも応えると。
アンリは、首まで真っ赤になった。
「素直に愛を囁いてくれないのは何故なのか、悩んでいたが。なるほどね。恥ずかしがりやな”ニホンジン”だったせいか。納得した」
嫌われてはいないような感じではあったが。前世の記憶を思い出した今なら、納得できる。
日本人は、本音を口にしない。
夫婦でも、滅多に愛の言葉を囁き合わないという、奥ゆかしい民族だった。
*****
「そういえば、あんた”フタナリ”が好きだったんだよな? 願いが叶って、良かったな!」
親指を立てて言ったら。
[よくねえわ!! その記憶は忘れろ! つかグッジョブ! って感じに親指立ててんじゃねえよ! こっちにはそんな仕草、存在しないからな!?]
真っ赤になりながら日本語でまくし立てて、二の腕をぺちっと叩かれた。
ああそうか。
たまに動作などに違和感を覚えていたのは。前世の記憶からだったのか。
当たり前のことが、当たり前じゃない世界。
「でも、こちらの世界では、そういった知識を共通しているのがアンリと俺だけで嬉しい」
[ああそう……]
がっくりと肩を落としている。
これが”マンザイ”でいう”ボケ”と”ツッコミ”という奴だろう。
”メオトマンザイ”か。いいものだ。
英司……アンリにとって俺は、”ガチなストーカー”だろうに。
本気でこちらの心配をするとは、人が好過ぎる。
……未練か。
全く無かったわけでもない。
”オタク”への取材も中途半端だったし、会社もまだ伸びしろがあった。必要最低限の引継ぎしかできなかったのは、少々心残りと言えば心残りかもしれない。
だが。
何よりも大事なものを見つけてしまった。
それに、すぐに追いかけないと、魂の痕跡を辿るのが難しくなる。迷っている時間などなかった。
*****
[言ったでしょう? わたしはわたしの運命に出逢ったと感じたのです。愛する人を目の前で奪われ、通常であれば絶望していたでしょう。ですが、わたしには追いかける手段があった。持てる力をすべて使って追いかけた。それだけです]
幸い、神はヘンリーの追跡を邪魔することはなかった。
英司の魂をこの世界に連れてきた時点で、もうその目的を果たしたようだ。
だから。
勝手に、神公認だと思うことにする。
[もう、魂を追う方法は覚えました。この世界では魔法が使えるので、自分の力で追うことが可能になりました。貴方より若くて良かった。貴方が今世で寿命を迎えたとしても、転生先で貴方を手に入れることができるのですから。それこそ、永遠に]
アンリに向け、会心の笑みを浮かべてみせる。
アンリの方は、生まれた時から前世の記憶があったわけではなく。
5歳の時に暗殺未遂に遭い、ベランダから落ちて頭に怪我をしたショックで思い出したという。
前世での最期の記憶が頭部への打撃だったせいもあったと思う。
アンドレから聞いた話では、その頃から人が変わったようになったというが。
実際、人格が変わったようなものだろう。
そこから国王を目指し、努力を続けたのだから。尊敬に値する。
これから先。
もう二度と、アンリをそのような危険な目には遭わせない。
アンリに降りかかるだろう災厄はすべて排除しよう。
必ず俺が、この手で守ってやる。
*****
「今まではぼんやりと、こ・の・世・界・に違和感を覚えていた。だが、前世での記憶を完全に取り戻したのは……」
今の世界の言語に切り替える。
『私はあなたを愛している』
英語で言ってくれた、アンリの告白を辿る。
「……こことは違う世界の言葉での、熱い愛の告白のおかげだ。俺もあんたを愛している」
再びこっちの言葉で言って。
『俺も、愛しているよ』
もう一度、英語でも応えると。
アンリは、首まで真っ赤になった。
「素直に愛を囁いてくれないのは何故なのか、悩んでいたが。なるほどね。恥ずかしがりやな”ニホンジン”だったせいか。納得した」
嫌われてはいないような感じではあったが。前世の記憶を思い出した今なら、納得できる。
日本人は、本音を口にしない。
夫婦でも、滅多に愛の言葉を囁き合わないという、奥ゆかしい民族だった。
*****
「そういえば、あんた”フタナリ”が好きだったんだよな? 願いが叶って、良かったな!」
親指を立てて言ったら。
[よくねえわ!! その記憶は忘れろ! つかグッジョブ! って感じに親指立ててんじゃねえよ! こっちにはそんな仕草、存在しないからな!?]
真っ赤になりながら日本語でまくし立てて、二の腕をぺちっと叩かれた。
ああそうか。
たまに動作などに違和感を覚えていたのは。前世の記憶からだったのか。
当たり前のことが、当たり前じゃない世界。
「でも、こちらの世界では、そういった知識を共通しているのがアンリと俺だけで嬉しい」
[ああそう……]
がっくりと肩を落としている。
これが”マンザイ”でいう”ボケ”と”ツッコミ”という奴だろう。
”メオトマンザイ”か。いいものだ。
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