底辺オタクがチート性能ガチ盛りなフタナリ美形に転生~魔法王国の王様に俺はなる!

篠崎笙

文字の大きさ
76 / 83
ローラン・ロートレック・ド・デュランベルジェの人生

Se jurer un amour éternel.(永遠の愛を誓う)

しおりを挟む
「私、ローラン・ロートレック・ド・デュランベルジェは我が最愛のアンリ・アントワーヌ・ガブリエル・ド・ジュスタンを永遠の伴侶とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、彼を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓う」

アンリだけにはわかっただろう。
今のが前の世界での、結婚を誓う言葉だと。


初めて聞いた口上に、立会人は驚いたように目を瞬かせた。

「素晴らしい」
「愛情が伝わってくる」

招待客からの拍手に。

立会人は自分の仕事を思い出したようだ。
改めて、笑顔を浮かべて俺たちに頷いてみせた。


*****


通常であれば、このまま俺がアンリの手を取り、退場することで式は終わりだ。

俺も早く美しい花嫁を寝室へ連れ去りたいところだが。
まだやることがある。


アンリの左手を取り、その場で跪き。
レースの手袋を外し、左手の甲にキスをする。

アンリも、これから俺がやろうとしていることに気づいたようだ。


懐から小箱を取り出し、中の指輪を見せる。
「これは、首輪や足枷の代わりに、相手が自分のものであることを示す印だ」

他の皆にも聞こえるように言い、アンリの左手の薬指に指輪をつけた。


アンリのほっそりした指に光る銀色は、プラチナだ。
プラチナはこの世界では、魔法の触媒として黄金より高額で流通している高級品だが、アンリを繋ぐ証だと思えば安いものだ。

指輪に、外れない魔法を付与してあることに、アンリが気づいたようだ。
今日だけは、外して欲しくなくて掛けた魔法だ。

その気になればアンリなら解呪できるだろう。

アンリにも、指輪の入った小箱を渡すと。
アンリは苦笑して箱を受け取った。

俺はよほど、切実な顔をしていたらしい。


そして俺の左手を取って。薬指に指輪をはめてくれたのだ。
同じように、決して外れない魔法を付与して。


どうだ、といった、得意げな表情。


*****


「アンリ……、」

何と愛おしい。
俺は、世界一幸せな男だ。

思わず立ち上がり、アンリを抱き寄せて。被っていたヴェールを外し、キスをした。


聖堂内が、盛大な拍手に包まれる。

「!?」

ぼうっとしていたアンリが、人前だということに気づいたようだ。
真っ赤になっている。

誓いのキスに照れるとは。相変わらず可愛い。


魔法石で出来たピアスに連絡が入った。

何かと思えば。
結婚式の中継を見ていた多くの国民、他国からも問い合わせが殺到している、だと?

娯楽に飢えたこの世界の者たちは、新しい”儀式”に興味津々のようだ。

ルミエール王国式の儀式としてマニュアルを売り出すか。
結婚衣装や指輪のデザイン案も本にまとめて売るのもいいだろう。

国庫が潤うのは良いことだ。


アンリは誓いのキスで腰が抜けてしまっているようだ。
俺もそうだが、禁欲し過ぎたからな。

「それでは、後はよろしく」
と、アンリを抱き上げ、この場を去ろうとしたら。


*****


「おお……」
「奇跡だ」
「神よ……」

感嘆の声に。
見上げれば、ガラスでできた天窓から、虹色の光が差し込んできていた。


何かの仕掛けかと思ったが。
良く見れば、これは。トゥトゥ神からの祝福の光だ。

アンリだけでなく、俺にまで祝福が付与されている。

俺みたいなストーカーにまで、祝福寄こしていいのか? まあ、アンリさえ傍にいてくれれば、俺は基本的に無害だからな。

せいぜい、この世界を盛り上げてやるつもりだ。
それがアンリの望みであれば。


アンリを抱き上げたまま、大聖堂から城内へ移動し、寝室へ向かう。

背と膝の裏を抱え上げて運ぶのを「お姫様抱っこ」というらしい。
アンリは王なのだからこれは王様抱っこになるのでは。

だが、この運び方に照れてはいるものの、密かに喜んでいるようなのでよしとする。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

オレの番になって──異世界に行って愛猫の番にされる話

まめ
BL
不慮の事故により、異世界に転移することになった神木周。 心残りは、唯一の家族だった愛猫・ネロのことだけだった。 ──目覚めた草原で再会したのは、見覚えのある大きな黒い獣。ネロが追いかけてきてくれたのだ。 わからないことばかりの異世界だけど、ネロがいるからきっと大丈夫。 少しずつ心をほどき、神に招かれた世界で穏やかな毎日を楽しむ周たち。 しかし、そんな彼らに不穏な気配が忍び寄る―― 一人と一匹がいちゃいちゃしながら紡ぐ、ほのぼの異世界BLファンタジー。 こんにちは異世界編 1-9 話 不穏の足音編 10-18話 首都編 19-28話 番──つがい編 29話以降 全32話 執着溺愛猫獣人×気弱男子 他サイトにも掲載しています。

推しのために、モブの俺は悪役令息に成り代わることに決めました!

華抹茶
BL
ある日突然、超強火のオタクだった前世の記憶が蘇った伯爵令息のエルバート。しかも今の自分は大好きだったBLゲームのモブだと気が付いた彼は、このままだと最推しの悪役令息が不幸な未来を迎えることも思い出す。そこで最推しに代わって自分が悪役令息になるためエルバートは猛勉強してゲームの舞台となる学園に入学し、悪役令息として振舞い始める。その結果、主人公やメインキャラクター達には目の敵にされ嫌われ生活を送る彼だけど、何故か最推しだけはエルバートに接近してきて――クールビューティ公爵令息と猪突猛進モブのハイテンションコミカルBLファンタジー!

転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜

隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。 目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。 同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります! 俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ! 重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ) 注意: 残酷な描写あり 表紙は力不足な自作イラスト 誤字脱字が多いです! お気に入り・感想ありがとうございます。 皆さんありがとうございました! BLランキング1位(2021/8/1 20:02) HOTランキング15位(2021/8/1 20:02) 他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00) ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。 いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!

転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される

Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。 中1の雨の日熱を出した。 義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。 それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。 晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。 連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。 目覚めたら豪華な部屋!? 異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。 ⚠️最初から義父に犯されます。 嫌な方はお戻りくださいませ。 久しぶりに書きました。 続きはぼちぼち書いていきます。 不定期更新で、すみません。

処理中です...