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ローラン・ロートレック・ド・デュランベルジェの人生

Je vois la vie en rose avec toi.(あなたと一緒に薔薇色の人生を見る)

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アンリの性器を腹筋で擦るようにしながら、中を穿ってやる。

「は、……あ、ん、」
小刻みに腰を揺するのも気持ち良いようだ。

唾液で濡れた乳首がまた、煽情的で。
気を抜くと、滅茶苦茶にしてしまいそうになる。

凶暴な衝動を、どうにか抑えながら、奥まで腰を進めていく。


「んっ、……まだ?」

「もう少し……っ、全部入った」
根元まで収めると。

入り口はきつく。
中はあたたかく包み込まれ、気持ち良いが。

もうしばらくは馴染むまで、動かないでおく。


*****


アンリは自分の腹を撫で、俺が入っているのを確認している。
中の俺にも、その手の動きが伝わる。

[はぁ、……すごい、ロロので、お腹の中、いっぱいになってる]
「……っ、」
だから、煽るなと。

「ああっ、」
興奮し、体積が増え。

中から圧迫されたアンリが見悶えた。
何で更に大きくなるのかって? あんたが煽るのが悪い!


アンリの身体を抱き込み、中に収めたまま、小刻みに腰を揺する。
いわゆるポリネシアンセックスのような要領で、挿入したまま、愛撫を施す。

[ん、……ぁん、なにこれ、]
「……治まったら、好きなとこ、いっぱい擦ってやるから」

挿入可能なまでに慣らしたとはいえ、本来はそういった行為に使う場所ではない上、体格差もある。

完勃ちした状態で激しくピストン運動をすると、傷つける恐れがあった。
すぐに治せても、痛い思いはさせたくない。


そうやって、しばらく腰を揺すっていたら。

[あ、なんか、来る。……ん、きもちいいの、来ちゃう]
ぎゅっと抱きつかれた。

自分から脚を絡ませ。
俺の胸に、自分の胸を擦りつけてくる。こりこりとした乳首の感触。

「く……っ、」
痛いくらいの締め付け。

[あ、あっ、ロロ、ロロ、]
アンリが、中でイったのがわかった。


何も知らない無垢な身体だったアンリが、ドライでイくようになるとは。

後ろだけで達し、満足そうでいて気だるげな表情も色っぽく。
もっと色々な表情が見たくなった。


欲望は果て無く。さらにその先を求めてしまう。


*****


休暇としてもぎ取った一週間。

ベッドからほぼ出ず、アンリと睦み合って過ごした。
このために寝る暇も削って準備してきたのだ。

完全体の懐妊を期待されているかもしれないが。

俺はアンリがその気になるまで、アンリの女の部分を暴くつもりはない。
妊娠出産は軽々しくするものでもない。

ましてやアンリの自意識は男だ。無理強いすれば、心身を病む恐れがある。


アンリの腹を自分以外の何かで埋めるのも嫌だ。
そのくらいなら人工子宮を作り俺が孕んだ方がまだマシだと言ったら、物凄く嫌そうな顔をされた。
じゃあ人工授精でフラスコで育てると言うと、これも引かれた。どうしろと。


ともあれ、俺は王佐であり王配だ。
国王であるアンリの望むまま、行動するだけである。

すべて陛下のお望み通り。


この世界に”ジャパニーズオタクカルチャー”を広めたい、というアンリの理想を実現するためにはどのくらいかかるかわからないが。
魔素の豊富なこの世界では、細胞を操作すればほぼ不老不死も可能だ。

魂を別の器へ移動させることも。

だから、焦ることはない。
二度目の人生を謳歌しようじゃないか。


俺の人生は薔薇色だ。英司が傍にいる限り。

あんたと一緒なら、何だってできる気がする。
いや、どんな願いも叶えてみせよう。そのために俺はこの世界に転生したのだから。


まずは、仮面舞踏会という名の”コスプレ”から実現させようか?
俺の美しき、国王陛下。





おわり
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