異世界でチート過ぎる三毛猫にされた俺は、オオカミ騎士から溺愛されてます。

篠崎笙

文字の大きさ
42 / 52
アレックス

可愛い子猫ちゃん

ユキミのしっぽを甘噛みしながら、奥を突き上げてやると。

「アレックス、それ、らめぇ、」
どんどん声が甘くなっていく。

「にゃあん、」

気持ち良さそうだ。
俺も、とても気持ち良い。

根元が、膨らんでいくのを感じる。


「にゃ、みゃああ、」

中を濡らされて。
ユキミは嬌声を上げた。


……ん?
なんか、ユキミの身体が縮んでないか?

挿入したものが、勝手に抜け出ていってしまう。


*****


「……ユキミ!?」

「にゃっ、」
ユキミは、小さな三毛猫になってしまっていた。

細いしっぽ。ほわほわな毛。ちいさな身体。
紛うことなき子猫ちゃんだ。

何だこれ。可愛すぎる……!


「猫に完全変身できたのか。すごいな」

異世界からこちらへ来た時に、自力で耳と尾を出しただけある。
守護獣の力が強いとは思っていたが。まさかここまでとは。

俺は狼に完全変身しても戦えるが。
ユキミは、この姿では戦えはしないだろう。

戦う気は、喪失するが。
全面降伏だ。


「ユキミ。猫の姿も可愛いが。まだ愛し合いたいんだが?」

そっとキスをしたら。
いつものかわいいユキミに戻った。

王子のキスで魔法が解ける、物語の姫のように。


俺の膝の上に座って。

「アレックス、大好き」
と、可愛くキスをしてくれた。


愛おしい、俺のツガイ。


*****


ユキミが完全変身した話をしたら、皆からかなり羨ましがられた。

見たかった、だと?
猫の姿とはいえ、俺のツガイの裸を見せるわけにいくか。


イアソンは、ある意味、か弱いその姿こそが最強かもしれない、という。

『だって、そんな可愛い子猫ちゃんに、ひどいことできる!?』

確かに。
皆も、納得していた。

こんな可愛らしい生き物に、どうして危害を加えられよう。
ユキミは納得していないようだが。

赤子や小さい生き物は守るべきである、と。生まれながら、刷り込みのように。もはやそれは習性になっているのである。


ユキミが手洗いに行くというので、そっと護衛につく。

……お前らは来なくていい。
まだスウェーンはいいが。何で皆してついてくるんだ。


他の者の気配がする。
誰かが、ユキミの近くへ降りてきたようだ。

緊張感が高まるが。

……しばらく様子を見よう、と手信号で皆に合図を送る。
敵意は感じられない。むしろ。


「こわくない、こわくないよ~、咬んだりしないぞ?」

うわあ、デレッデレだこいつ。

イアソン、笑うな。
聞こえたらどうする。

スウェーンまで肩を震わせている。

何? ユキミと最初に会った時の俺を思い出した?
俺はここまでひどくない! とサインを返す。


その手話を読んで。
アーノルドとティグリスまで肩を震わせている。

もう少し緊迫感を持てよ、お前ら。


*****


どうやら天井から現れたそいつは、ジャッカルの”ケモノ”らしい。

まあ、犬属なら、ひと目でユキミの愛らしさにやられてしまうのもわからなくはない。
小さな生き物は守らなくてはいけないもの、という意識が特に強いのだ。

獣に近ければ近いだけ、その本能は強くなる。
守護獣の力の強い騎士団のやつらがユキミにメロメロなのもそのせいだ。

ユキミは小さいだけでなく、中身も可愛いが。


「この宿に、騎士団の連中が来てるって情報が入ったから、様子を探りに来たんだよ」

ほう。
明け方流した情報に、もう食いついたか。

しかし、口軽いなこいつ。
まあユキミに可愛く聞かれたら、そりゃ何でもしゃべるだろうが。

お、もう一人来た。
ヘラジカか。

……こいつもチョロイな……。


2人は守護獣の力が強かったため、やつらに捕まって無理矢理仲間にされたようだ。これが初仕事だという。
なら、死刑とまではいかないだろう。

逆らわなければ、だが。


「悪いことしてないなら、まだ遅くないよ。”ケモノ”をやめて、騎士団に保護してもらったら?」
ユキミは優しいな。


*****


「ハートリーの守護獣さん。元の姿に戻って」
ん?

どうやらヘラジカの男は、人間の姿に戻ったようだ。


皆、顔を見合わせる。

守護獣を消さないで、人間に戻すことができるなんて。
有り得るのか?


「ありがとう。……君はいったい……」

よし。
このタイミングだな。


扉を開け。
ユキミを引き寄せた。

「救世の神子。”ケモノ”をこの世から消すために異世界より召喚された、俺のかわいいツガイだ」


……誰が小児性愛ロリコン狼だ。断罪するぞ。
睨んだら、震え上がった。


他の潜伏地や、仲間の情報を吐かせて。
鹿は前科もないので、王都で身柄を保護することにした。

ジャッカルの守護獣を持つジャスパーは……色々な事情があったので、案内人代わりに同行させることになった。


本日の死者は、今のところ、なし。
平和的に解決した。


*****


ジャスパーが、五年前から失踪中だという王国特級魔術師、ジャスパー=ルウェリン本人だと、最初に気付いたのはスウェーンだった。
そういえばジャッカルだし、姿絵ともそっくりだったな。

ジャスパーという名はわりといるので、気付かなかった。


昔から”ケモノ”の研究をしていたので、スパイとして潜り込んていたのかと思ったら。
うっかり捕まってしまったらしい。

それでもただの猟師に擬態し、魔術が使えることがバレなかったのは不幸中の幸いか。


「恥ずかしいから黙っててくれないかな。特に学士の子には……」

どうせバレるのも時間の問題だろうし。
アーノルドは正直に言ったほうが良いと忠告していた。


斥侯の二人が戻って来なかったことで、騎士団の到着を確信したか。

黄昏の町周辺にあった潜伏先は、もぬけの殻になっていた。
逃げたか、それともこの先で待ち受けているか。

どのみち、戦闘は避けられないだろう。


感想 0

あなたにおすすめの小説

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています

八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。 そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

不遇の第七王子は愛され不慣れで困惑気味です

新川はじめ
BL
 国王とシスターの間に生まれたフィル・ディーンテ。五歳で母を亡くし第七王子として王宮へ迎え入れられたのだが、そこは針の筵だった。唯一優しくしてくれたのは王太子である兄セガールとその友人オーティスで、二人の存在が幼いフィルにとって心の支えだった。  フィルが十八歳になった頃、王宮内で生霊事件が発生。セガールの寝所に夜な夜な現れる生霊を退治するため、彼と容姿のよく似たフィルが囮になることに。指揮を取るのは大魔法師になったオーティスで「生霊が現れたら直ちに捉えます」と言ってたはずなのに何やら様子がおかしい。  生霊はベッドに潜り込んでお触りを始めるし。想い人のオーティスはなぜか黙ってガン見してるし。どうしちゃったの、話が違うじゃん!頼むからしっかりしてくれよぉー!

生まれ変わったら知ってるモブだった

マロン
BL
僕はとある田舎に小さな領地を持つ貧乏男爵の3男として生まれた。 貧乏だけど一応貴族で本来なら王都の学園へ進学するんだけど、とある理由で進学していない。 毎日領民のお仕事のお手伝いをして平民の困り事を聞いて回るのが僕のしごとだ。 この日も牧場のお手伝いに向かっていたんだ。 その時そばに立っていた大きな樹に雷が落ちた。ビックリして転んで頭を打った。 その瞬間に思い出したんだ。 僕の前世のことを・・・この世界は僕の奥さんが描いてたBL漫画の世界でモーブル・テスカはその中に出てきたモブだったということを。

ざまぁされたチョロ可愛い王子様は、俺が貰ってあげますね

ヒラヲ
BL
「オーレリア・キャクストン侯爵令嬢! この時をもって、そなたとの婚約を破棄する!」 オーレリアに嫌がらせを受けたというエイミーの言葉を真に受けた僕は、王立学園の卒業パーティーで婚約破棄を突き付ける。 しかし、突如現れた隣国の第一王子がオーレリアに婚約を申し込み、嫌がらせはエイミーの自作自演であることが発覚する。 その結果、僕は冤罪による断罪劇の責任を取らされることになってしまった。 「どうして僕がこんな目に遭わなければならないんだ!?」 卒業パーティーから一ヶ月後、王位継承権を剥奪された僕は王都を追放され、オールディス辺境伯領へと送られる。 見習い騎士として一からやり直すことになった僕に、指導係の辺境伯子息アイザックがやたら絡んでくるようになって……? 追放先の辺境伯子息×ざまぁされたナルシスト王子様 悪役令嬢を断罪しようとしてざまぁされた王子の、その後を書いたBL作品です。

【完結】巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。

明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。 新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。 しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…? 冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。

美貌の貧乏男爵、犬扱いしていた隣国の王子に求婚される

muku
BL
父亡き後、若くして男爵となったノエルは領地経営に失敗し、多額の借金を抱えて途方に暮れていた。そこへやって来たのは十年前に「野良犬」として保護していた少年レオで、彼の成長を喜ぶノエルだったが、実はその正体が大国の王子であったと知って驚愕する。 復讐に来たのだと怯えて逃げ出すノエルだったが、レオことレオフェリス王子はノエルに結婚してほしいと頼み始める。 男爵邸に滞在すると言い出す王子は「自分はあなたの犬だ」と主張し、ノエルは混乱するしかない。見通しの立たない返済計画、積極的な犬王子、友人からのありえない提案と、悩みは尽きない美貌の男爵。 借金完済までの道のりは遠い。