異世界でチート過ぎる三毛猫にされた俺は、オオカミ騎士から溺愛されてます。

篠崎笙

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おまけ:イアソン

三毛猫は幸運を運ぶ

馬車を置いて、馬で移動することになって。
二頭立ての馬車だったため、誰かが相乗りになる。

もちろん、ユキミはアレクセイと一緒だけど。
スウェーンは鞍の後ろに荷物を載せていた。ティグリスの馬はティグリスだけでいっぱいいっぱいだろうし。


先生は乗馬が苦手だと知った。
となると。

「じゃあ、ぼくの後ろにどうぞ」
まあ、そうなるよね。

「ええっ、学士なのに、馬に乗れるのかい?」

驚かれた。
王都じゃ、騎士くらいしか馬に乗らないもんね。

ぼくは田舎育ちだし、馬が乗れないとどこにも行けなかった。
身を守るためにも乗馬は必要だったしね。

「まあ同種だし……」

馬同士。
とか言って。

「え、一角獣って、馬の気持ちもわかるの?」
真顔でずずいと迫ってきた。

この人も、学者肌だなあ。


「ヒトの気持ちもわかるけど。だいたい」
「精神感応力か。すごいもんだねえ」
とか言いながら、普通にぼくの腰に掴まってきている。

変わってるなあ。
通常、そういうことを聞いたら、心を読まれるのが嫌で寄って来ないのがほとんどなんだけど。


*****


オウィスの館は、悪意で気分が悪くなるほどだった。

アレクセイは、ぼくとユキミに外に出てるよう指示した。
オウィスを粛清するのだろう。

あれは、よくないものだ。

ユキミは、自分だって清廉潔白なわけじゃない、と言った。
言い方が、少し気に掛かった。


ユキミは”ケモノ”化を一斉に解除した。
戻したのは、ユキミのお願いで現れた精霊たちを、アレックスの指示によってどうにか残った魔術師や魔法師だった。

彼らも、こちらの勝利を確信しているようだ。


アレクセイ達が館から出てきて。
館を焼き尽くしたいという要望に、ユキミは館を更地にしてみせた。

更地は無理だって、先生ががっくりしてた。
流れで先生のゴーレムを見られたのは面白かったけど。


*****


先の町で一泊することになって。

宿は貸切にして、周囲の安全を確認して、結界を張った上で、寝た。
今日も盛りだくさんの一日だったなあ。


朝になって。
露天風呂があるというので、入りに行った。

汗を流して湯に浸かると、心地好い。

「おっ、イアソンじゃないか」
「おはようございます、イアソン」

先生とアーノルドが入ってきた。
廊下で会ったらしい。

「おはよう。いい朝だね」
ぼくも挨拶をする。

先生は、頭をかいて。
「ゆうべも入りたかったんだけど、中でイチャイチャしてるのがいてねえ。まいったよ」

ああ、アレクセイか。
「しょうがないよ、ロリだから」

「困ったものですね」
アーノルドが頷く。


「馬車の中でも思ったけど、すっごい身体だなあ」
先生は、ぼくを見てしみじみと言った。

おじさん羨ましいよ、と言いながらぺしぺし叩かれる。
まったく嫌な気がしないのが凄いな。


何故か三人で筋肉談義になって。
風呂の隅で、スウェーンが微笑んでそんなぼく達を見ていた。

この人、ほとんど気配がないんだよね。
闇魔法の付与された弓矢でのフォローは心強いけど。

気配消しすぎてて、たまにびっくりする。


*****


次の所では、堂々と”ケモノ”が礼拝堂を建てて、集落を乗っ取っていた。

今回、ユキミの護衛兼後方支援は先生とアーノルドだ。
じゃあ思いっきり暴れられるな。

嫌な気配がするやつだけを粛清して。
後は外に誘導した。


目くらまし程度の攻撃で、幹部の腹に風穴が空いてしまって。
精霊魔法が強化されてることを知った。

ユキミの恩恵かな?

そしてユキミが放った特級魔法”劫魔の火炎”で見事礼拝堂は消滅。
後からやってきた三人も、粛清された。


その時に、ユキミが悩んでいたことを知って。
やっぱりこの子は優しくていい子なんだなと思った。

治癒能力に、精霊魔法、神聖魔法まで特級とか。全能どころじゃない。
もはや神だよ。

それなのに、全然普通の子なんだ。
面白いな。


「じゃあ、みんなで世界を救っちゃおう!」
その言葉通りに。


みんなで世界を救ってしまったんだ。


*****


帰りは移動魔法円を使わないで、ゆっくり帰ることにした。


「露天風呂、離れの方にもあるんだってよ」

先生に誘われて、ちょっと先にある露天風呂に入った。
こちらも貸切だ。

「いやー、大仕事の後の風呂は格別だねえ」

すっかりリラックスしてる。
両脚放り出しちゃって。

もう映写石で記録してないからって、だらけすぎじゃないかな。


「馬並み、とまではいかないけど、こっちもご立派だよな!」
……どこを見て言ってるのかな?

「しかしこの立派さには敵うまい」
と、立ち上がって。

水気を飛ばした、ふさふさのしっぽを出した。

「ご立派で……」
掴んでみたら。


「はうっ、」
先生は、びくり、と身体を震わせて。

真っ赤になってる。

……あれ?

先生も、あれ? という顔をして。
ぼくを振り返った。


ぼくも立って。
馬のしっぽを、十年ぶりくらいに出した。

先生は、そろそろと、しっぽに手を伸ばして。


握られた途端。
全身に、快感が走った。


「っ、」
「まさか……」

先生は、ぼくを指差して。


「ツガイ!?」


*****


そうとわかったら。
先生を抱き締めて。唇を奪ってしまった。

「んうううっ、」

先生のしっぽを掴んで。
揉むようにしてやると、身体の力が抜けていって。

ふにゃふにゃになったのを、膝の上に乗せて。
後ろを慣らしていく。


「ちょ、待った。俺が受けるほうなの!?」
「……こんな全身ふにゃふにゃ状態で、ぼくのこと抱けるの?」

黙ってしまって。
むう、とぼくの胸板に身体を預けてきた。

恥ずかしそうなのも、かわいらしい。


ああ。
ツガイって、こんな愛おしいものなんだ。

とろとろになるまで慣らして。
後ろを向かせて、貫いた。

「くぅ……、イアソンの、おっきすぎ、だって、……ああっ、」

腰を揺らすと、鳴き声を上げる。

特級魔術師で。
格好良くて。ぼくよりも強いのに。

ぼくの腕の中ではかわいく鳴いて。快楽に腰を振ってるなんて。

どうしよう。
何回抱いても、収まらないよ。


ねえ、もっとぼくの名前を呼んで。
好きって言って。

ぼくも、それ以上に返すから。


*****


先生は、すっかりのぼせてしまって。

お姫様抱っこで運んでたら、アレクセイが面白がって映写石で記録してた。
それ、あとでデータちょうだい。


途中で馬車を引き取って。
帰りもずっと一緒だ。

アレクセイはすごいな。
ぼくなら、手に入れたツガイとは、ひと時も離れたくないよ。

先生も、そうみたい。


王国に戻ったら、魔術師と学士の仕事に戻るっていうし。
仕事場も、そんな離れてない。

いつでも会える。ぼくの愛おしいツガイと。


三毛猫は幸運を運ぶって、本当なんだと思う。
ぼくにも、幸せを運んでくれた。




おわり
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