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脅迫されて、抱かれてしまいました。

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一枚ずつ、ゆっくりと服を脱がされていって。

右足首には鎖がつけられていて脱げないので。
スラックスと下着はナイフで切り裂かれてしまった。


ああ、数十万するようなシャツが、スラックスが。

もったいない……。
なんて涙目になるより、自分の心配をするべきなんだけど。


全裸にされて、片足を持ち上げられて。

「うわっ、」
とんでもない場所に、ぬるぬるした指を突っ込まれてしまった。

お尻の……。

もしかしないでも。ここに、突っ込む気なんだよな?
ヴィットーリオ総帥の、アレを。

嘘だろ。
他にも相手、いっぱいいるだろうに。何で、こんな僕なんかを!?


「……を自分で弄ったことは?」
ぐりぐり指を動かすの、やめて欲しい。

「あ、ある訳ないだろ、そんな場所!?」

自慰だって、あまりしなかった。
狭いアパートだったから、出来なかったというか。


「私を受け入れるには、ここは狭すぎるな……」

そんなことを言って。
ローションでヌルヌルした棒を突っ込まれた。

うう、気持ち悪い。


一週間のうちに、色々起こりすぎだ。
母親の死に、大企業の総帥の登場。その人に葬式とか仕切られて。

誘拐されて。監禁拘束された上に。
普通の男なのに、男相手に貞操の危機に陥ってるとか。


何でこんなことになってるんだよ!?



*****


「口を少し開けなさい」

言われるまま、口を開けると。
ぬるりとした、あたたかいものが入って来た。

ヴィットーリオの舌だ。
……うわあ。

これ、キスされてるんだよな?


別れ際に、鷹ちゃんにされたのをカウントすれば、一応、ファーストキスではないものの。
大人になってからする、初めてのキスがこんなとか。あんまりだ。

ずっと勉強するかバイトで忙しくて、女の子と付き合うような暇がなかったとはいえ。
初めての性体験が、よく知らない外国人なんて。

しかも、監禁されて、脅されてだとか。
最悪すぎる!


この人なら、どんな美男美女でもよりどりみどりだろうに。
何でこんな平凡な僕なんかに、キスしてるんだろう。

それ以上のこともしようとしてるだんて。信じられない。


「んう、」
舌は、喉の奥まで入って。息苦しくなる。

「ん、んん、」
口の中を、舌が縦横無尽に這い回って。

キスをされながら、性器を擦られて。
悔しいけど、感じてしまう。


何でこんなに上手いんだよ!?

される方は慣れてそうだけど。
能力が高い人は、こういった勘もいいのだろうか。


*****


口を塞がれていて、息は苦しいし。

身動ぎする度に、お尻に入ってるが気になって不快だし。
が出そうになったら、また押し込まれるし。

でも。
大きな手で性器を弄られたら、気持ち良くて。

……ああ、頭が働かなくなってくる。

酸欠のせいだろうか。
それとも、初めて他人から与えられる快楽のせい?

今まで、ずっと禁欲したようなものだし。


「……は、」
やっと口が離れて、息が楽になった。

涙目になって見上げても。
ヴィットーリオの表情は、逆光になってよく見えない。

きっと冷たい視線を向けられているだろうから、見えなくてよかった。


「……うつ伏せになって、腰を上げなさい」
低い声で命じられた。

磁石は解除されていた。

言われるまま、うつ伏せになって。
腰を上げる。


命令をきかなければ。
鷹ちゃんにそっくりなあの子がひどい目に遭わされる。

が実際、鷹ちゃん本人なのか、良く似た別人なのかはわからない。
でも、偶然にしては似すぎてるし。

鷹ちゃんにそっくりな子がひどい目に遭う姿なんて見たくない。


せめて、あの子の名前くらいは確かめたいけど。
それには、ここから出ないといけない。

でも、ヴィットーリオは僕をこの部屋から出す気はないようだ。
飽きるまでか、死ぬまでかはわからないけど。


どうしたら、あの子に会えるだろう?


*****


「ひっ、」
お尻に入っていた棒状のを引き抜かれた。

ジッ、って音がしたのは、ジッパーを降ろす音だったのか。


腰を掴まれて。
熱いのが、入ってきた。


「うぁ、や、……ああっ、」
ぐいぐいと、押し込まれてしまう。

「く、……拒むな。私を受け入れろ、」

拒むな、って言われても。
さっきまで入れられてたディルドよりも、ずっと大きくて太くて、長い気がする。

それなのに、思ったよりも痛みを感じないのは、ディルドで慣らされたから?
ローションのせいかもしれない。

でも、こんなの、入らないって。
何でこんなにでかいんだよ!


「力を抜きなさい、……きつい、」
こっちに意識を集中しろ、って性器を弄られるけど。

中に入ってるの圧迫感の方が強い。
裂けちゃいそうで怖い。


「っく、……や、」

無理だって。
首を横に振る。


Io amoロ アモ solo teソロ テ……dulcineaドゥルチネーア


え?
ロアモソロテ。

……君だけを愛している……? ドゥルチネーアは、愛しの君、だっけ?

吐息のような。
それでいて、耳が火傷してしまいそうなほど熱い囁きに気を取られていたら。


*****


「ああっ、」
強く、腰を突き上げられた。

その衝撃で、射精してしまったようだ。

「……ふ、いやがっていた割りには、悦さそうだな。こんなに出た……」
僕の出したもので濡れた、ヴィットーリオの手。


指先までも芸術品みたいに美しいのに。
こんなもので汚してしまって。

どうしてだか、申し訳ない気持ちになってしまう。
こっちが被害者なはずなのに。


「初めてだというのに、男を受け入れる素質があるようだな? 次は、後ろだけで達してみるがいい」
濡れた手が、僕の平らな胸を撫でている。


さっきの熱い囁きとは別人みたいに、からかうように言われて。
混乱してしまう。

どっちが、この人の本心なんだろう。
イタリア語で言ったのが本音?


それとも。
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