突然見知らぬイタリアの伊達男に拉致監禁され、脅されてHされた上に何故か結婚を迫られてしまいました。

篠崎笙

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非日常的な体験をしました。

「嫌々女装をしてくれて。ホテルまで付き合ってくれて。その上、自分で準備をしてくれようとは……我慢できるか!」
バサッ、と洋服を脱ぎ捨てて。

すごい勢いでこっちに来るんだけど。


え?
覗いてたの!?

この鏡はマジックミラーで、電気をつけると寝室から丸見えになるって?
知らないよ、そんな常識!

じゃあ、脱ぐところから、全部見てたのか! エッチ!


ぎゅっと抱き締められて。
「可愛い私の宗司。これ以上私を夢中にさせて、どうするつもりだ?」

ヴィットーリオは物凄く興奮した様子で、息が荒い。
お腹に、熱いのがピタピタ当たってるんだけど。

どうするつもりも何も。
それ、僕の責任じゃなくない?


愛しているティアモ私の宝物テゾーロ ミオ
熱烈なキスをされて。


湯船の中で、突き入れられた。


*****


「あ、……いい、きもちい、」
逞しい肩にしがみついて。

指に感じる僅かなふくらみは、傷痕だ。
まだには爪を立てないよう気をつけないと。

僕を庇って、銃に撃たれて。
弾が体内に残っちゃったから、リッカルドがナイフでそれを抉り出して、縫った傷。

一週間くらいで抜糸して、だいぶ良いみたいだ。
もう塞がってるんだもんな。

治るの早すぎない?
痛そうなのは見るの嫌だし、ほっとしたけど。


「ヴィック。もう二度と、こんな怪我しちゃ嫌だよ」
肩の傷痕に触れて、告げる。

「君が望むなら、全力で回避しよう」
額にキスされて。

「ん、僕より先に死んだら、絶対許さないからな?」
頬にキスを返した。

軽い気持ちで言ったことだった。
でも。


「では、もし私が死を免れない場面になった時は、君を道連れにしよう」


あたたかいお湯の中なのに。
まるで冷水を浴びせかけられたように、ぞくりとした。


「当然、君が死ぬ時は、私も共に逝く。決して一人にはしない」
青い目は、僕だけを映している。


冗談ではなく、本気で。
死が二人を別つまで、じゃなくて。

死ぬ時ですら、離れることを許さない、というのか。


僕と出会うまでは、人間的な感情とか感覚が全く理解できなかったそうだし。
そんな事を言われたら普通の人は恐怖でドン引きだってこともわからないんだろう。

愛し合う二人なら、死出の旅路も共に逝くのが当たり前だと思ってるんだ。


実際に死線を掻い潜って。多くの死を目の当たりにしてきた男の、誓いの言葉だ。
嘘偽りない、本音に違いない。

実際、そんな直面に当たった場合。僕を道連れにして、一緒に死ぬ気だ。


何というか。
愛が重すぎるよ……。


*****


「……長生きしてね……?」
もはや長生きしてくれるのを願うしかない。

「ああ、一分一秒も長く君を見ていたいからな。幸い、私の方が年下なので、先に老衰することはないだろう」

人を年寄りみたいに言うな。
たった一歳だけじゃないか! そんなの誤差の範囲だっての。


君が死んだら生きていけない、じゃなくて。
死ぬ時は一緒、か。

端から聞いたらロマンティックな告白なんだろうけど。
何か違う……。

ああ、とんでもない男に見初められちゃったんだなあ。


「君のを含んだ湯を下水などに流してしまうのは心苦しいが……」

ヴィットーリオは名残惜しそうにお風呂の栓を抜いて。
泡だらけの浴槽を、シャワーでざっと流した。

清掃員に残り香を嗅がせるのも嫌だ、とか言ってるけど。

嗅がないよ!?
何で嗅ぐと思うわけ?


もしかして、自分基準!?

まさか普段、残り湯や枕のにおいを嗅いだりしてないよね?
とか聞けない。

肯定されたら、と思うと恐ろしすぎる。いや、100%嗅いでいると確信できる。

更に70%以上の確率で残り湯飲んでそうで怖い。
エキスとか言ってたし。

今度からもったいないとか言わないで、入ったらすぐ捨てよう。


*****


まだ身体に残っていた泡をシャワーで洗い流されて。
僕もヴィットーリオの泡を落としてやる。

何だかこうしてると、いちゃいちゃカップルに見えるな。

実際、結婚を約束した相手ではあるので、それも間違いじゃないのか。
でもまだ、いまいち実感がわかない。


タオルでわしゃわしゃとお互いの身体を拭きあった後。

バスローブで身体を包まれた状態で抱き上げられた。
いわゆるお姫様抱っこだ。

ベッドに寝かされたら。
天井にも鏡がついていることに気付いた。

すぐ横にも鏡。
風呂場の壁も鏡……というかマジックミラー。

うわ、趣味悪っ!


「最近は、鏡張りのホテルも減少してきているようで。希望通りの場所を探すのは苦労したものだ」
わざわざ探したんだ。

城の隣に理想のラブホテルを建設しようか、などと恐ろしいことを呟いている。

歴史と伝統のある古式ゆかしいマフィアの島に、トンデモ施設を作ろうとするのはやめて欲しい。
先祖に呪い殺されそう。


「こういう場所は、たまに行くから、いいんじゃないかな!」

「そうか。非日常における新たな刺激を愉しむ為の施設、という訳だな。成程。それで様々な形状の外観だったり、内装も奇抜なものが多いのか」
納得してくれたようだ。

良かった。
島の平和は守られた。


僕的にはヴィットーリオと再会してからというものの、ずっと非日常っていうか、非現実的なことばっかり続いてるけど。

そっか、いまいち現実味がないというか実感がわかないのは、まるで夢みたいな状況だからか。
納得した。ほぼ悪夢みたいなものだけど。


「では、を大いに愉しむとしよう」
夢のような美貌の持ち主であるヴィットーリオは、とてもいい笑顔で言った。


*****


「ほら、ちゃんと前をご覧。私の陰茎ペネを口いっぱいに食んでいる……そんなに美味しいかな?」
耳元で囁かれる。

「あ、んっ、……おいしい、からぁ。もっと、ぐちゅぐちゅして、」
自分のものとは思えない、甘えた声で。


こんな、うっとりとした顔で抱かれて。甘えた声で喘いでるのが自分だなんて、信じられない。

天井の鏡にも。目の前の鏡にも。
足を大きく開かされた状態で後ろから貫かれて、腰を揺らしている自分の姿が映っている。


部屋の照明は明るくて。
ヴィットーリオの性器が、間違いなく自分の中に入っているのが見えてしまう。

赤黒いのが出入りする度に、コンドームを被せられた僕のものが、ゆらゆら揺れている。


直視できないほど恥ずかしくて。
生々しくて。

いやらしい光景なのに。
つい、見てしまう。

視線を奪われる。


世にも美しい男が、自分を抱いて。
興奮して。

何度となく勃起して。
餓えた獣のように、貪っている姿を。
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