神様の手違いで死んだ俺、チート能力を授かり異世界転生してスローライフを送りたかったのに想像の斜め上をいく展開になりました。

篠崎笙

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異世界で、プロポーズされる

「で、結婚式だけど。いつがいいかな? できれば早いうちに挙げたいね」
 結局は両想いで間違いなかったことを確信したウィリアムは、ぐいぐい詰めて来た。

「あ、本当に俺と結婚するつもりなんだ……?」

「勿論だよ。いくら誤解があったとはいえ、君の初めてを強引に奪ってしまったのだから。きちんと責任を取らなくてはね」
 男同士で初めても何もないと思うけど。ウィリアムは真剣だ。


 この世界、同性同士の恋愛というか結婚ってどんな感じなんだろうか? この5年間、男女の夫婦しか見たことないけど。男同士、女同士で結婚式って挙げられるのか?

 オズワルドたちの反応的には、禁忌って感じではなかったな。
 プレストンも。普通におめでとうって言ってたから宗教的にも大丈夫そうな感じ?。


 *****


「式に着る礼服は、お揃いがいいかな。色違いがいい?」

「特に希望はないけど。メニューとウエディングケーキは俺が作りたいな」
 そう告げると。

 ウィリアムは、ほっとしたように微笑んだ。
 断られるかと思ったのかな? 今更、断るわけないのに。


「つい、気持ちが急いてしまった。そういえば、まだ言ってなかったね」

 ウィリアムは、俺の手を取って。
 やけに真剣な面持ちで言った。

「……リン、君を愛している。どうか私と結婚してください」


 確かにそれは、言われてなかった。

「あ、……はい」
 緊張した顔をしているウィリアムの目を見て、プロポーズの返事をしたら。

 ウィリアムは心底安心したような顔をして。にっこり笑った。
 どうしよう。俺の推しの笑顔が尊い。


「ウィルは、いつから俺のことを……ええと、結婚したいとか、そんな風に思ってたの?」

「嫁に欲しいなと思ったのは、君の手料理を食べた時だけれど」
 早っ。
 それ、出逢った翌日じゃないか。

「中身はともかく、身体はまだ子供だからね。早く15歳にならないかなあ、とこの日を待ちわびていたよ」
 しみじみと当時の記憶を思い返しているようだけど。

 え? じゃあ最初っから性的な意味で好意を持たれてたってこと?
 やっぱり少年趣味の噂は間違いじゃなかった……? 両想いで本当に良かったな! ウィリアムが犯罪者になるところだった。今でもギリギリ危ないけど。


 大人になるまでは性的なアプローチは自重して。
 俺が15歳になったら結婚の申し込みをして、告白しようと思っていたらしい。

 いやいや、自重してなの? じゃあ本気出したらどうなっちゃうの?

 スキンシップ過多だったのは、周囲に対しての牽制でもあったって? 人目のあるところでそうやって可愛がる様子を見せて、国王であるウィリアムが目をかけてる特別な子だと、周りの人にわかるような態度を取っておけば、俺に近寄って来る恋のライバルを減らせると思った?
 そんなの杞憂ってやつだよ。架空の相手に警戒しすぎだって。俺、そんなにモテないよ……? ウィリアムのほうがモテモテじゃん。


 俺が、誕生日当日に成人になってたことに気づいて。それをウィリアムに報告した時。
 急遽誕生パーティを開くことになって。突然だったので、プロポーズはどうしよう、と内心かなり慌てながら告白のタイミングを計ってたそうだ。

 誕生日のプレゼントとしてリクエストされたのが恋の歌だったから。めちゃくちゃ恥ずかしかったけど、丁度いいやとばかりに想いを込めて歌ってくれたんだって。

 ああ、それでウィリアムの歌うラブソングを聴いた俺が、大好きって言って抱き着いたもんだから。両想いだと思った訳か。
 いやまあ結局両想いで間違いなかったんだけど。


 *****


「あっ、そうだ。ウィルと結婚したら、俺もお城に住まないとダメかな?」
 ウィリアムは王様だから、結婚したら俺は王妃的な存在になるのかな? だったら城に居ないといけない気がするけど。

「できればそうしてもらいたいけど。君の望みを優先するよ」
 愛おしそうに、頬を寄せて来る。

 だからウィリアムは俺に甘すぎるってば。

 神様から、俺のしたいことを優先させるように言われてるんだっけ?
 でも。今でも忙しい中、こうして時間を作ってここへ通って来てくれてる状態だし。

 できれば、ウィリアムの負担にならないようにしたい。


 野菜を育てるのはすでに近隣の農家の仕事になってるし。サトウキビやテングサ畑も、そろそろ人に託しても問題ないだろう。
 城の庭は広いし。乳牛になっちゃった牛とニワトリは連れて行ってもいいかな?

 スローライフもいいけど。
 それはまた、老後の楽しみということにしとくか。

 今の俺は15歳なんだし。人生まだまだこれからだもんな。


「……いいよ。ウィルのとこへ行く」

「大歓迎だ」
 ぎゅっと抱き締められて。

 目の下のホクロに、キスされた。

 ウィリアム、そんなにホクロが好きなのかな?
 さっきの質問じゃないけど、俺とホクロ、どっちが好きなの? って訊きたくなるじゃないか。
 答えはわかりきってるけど。


「ホクロが好きなのではなく、可愛いリンについているホクロだから好きなのだよ」
 ……ほらな。


 *****


 リズリーの家は今後、別荘みたいな感じに使うことにした。

 俺が居ない間の家の管理は、スペンサー夫妻にお願いした。家畜の世話もしてくれるそうだ。
 寂しくなるけど、また遊びに行くから、と約束して。


 俺がロチェスターへ行くと聞いたプレストンは、かなり残念がっていた。
 でも、結婚式は是非自分が立ち会いたいというので、じゃあ俺たちが結婚式を挙げる時は立会人をお願いする、と言ったら大喜びだった。
感想 8

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