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エピローグ
異世界で、幸せになる。
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「結婚式というのは特別なイベントだからね。改めて、初夜を愉しもう」
嬉しそうだ。
今にも踊り出しそうな感じの足取りで寝室に向かっている。
「ウィルって意外とイベント好きだよね……」
俺がこの世界に来た日も、毎年律儀にお祝いしてくれたし。パリピというやつだろうか。
……結婚可能な15歳になるのを指折り数えてたんだったりして。
「積極的に行動するのは、君に関してだけだよ?」
忙しい仕事の合間に通って来てたのも、料理だけが理由じゃなかったって。
「この先、俺の背がメキメキ伸びて髭モサモサ筋肉ムキムキになっても、好きでいてくれる?」
「……どいつもこいつも人をショタコンみたいに……」
え? 違うの?
*****
リズリーの家を作った日、やけに真面目な顔でオズワルドとオーソンを追い返した時。
10歳の子供に無体な真似をしたのでは、と心配されていたとか。
神託スキルをミュートしたのも、あと5年待てとかうるさかったからだという。
「私にも、そのくらいの分別はあるというのに」
色々な人から言われたようだ。
「ウィルは俺が大人になって、ウィルのこと好きって言うまで待ってたのにな?」
ウィリアムは微妙な顔をした。
ちゃんと気持ちを確かめる前に手を出しちゃったのを気にしてるんだ。もういいのに。
そんなに気にするなら、言わないでおいたほうが良かったかな? でも、生涯共にする相手に隠し事はしたくないんだよな。
「前世から性的に淡泊だったし、鈍いから。あそこまでされなかったら気付かなかったと思うよ?」
「……気持ち良かったから、快楽に流されただけだという可能性は?」
「気づいてなかった? 頭撫でられたり抱き締められるの、ウィルだけにしか許してないんだけど」
それにはオズワルドたちだって気づいてた。
俺は完全に無意識だったけど、あからさまに避けてたって。
だから皆、俺たちが両想いだっていう共通認識だったんだ。
「……っていうか、いい加減、新婚初夜のカップルっぽい会話しない?」
「してもいいが。照れるだろう?」
そりゃ照れるに決まってる。だってウィリアムが格好よすぎるのがいけない。いけなくはないけど。
*****
お互い裸になって。全身を浄化して、肌を合わせる。
こんな恥ずかしいこと、正気じゃやってらんないから。ウィリアムのキスで酔わせてもらおう。
「……ん、」
キスっていうのは、口を合わせるだけじゃなくて。舌を絡ませて、舌を吸ったり、甘嚙みしたり。潔癖症にはハードルが高い行為だけど。
好きな相手だったら、気にならないどころか、気持ち良いんだって知った。
抱かれるのも。ウィリアム以外、絶対無理だ。
弱点をさらけ出して。内臓に男性器を受け入れるなんて行為。愛がなきゃ、俺にはできない。
こんなに綺麗な人が、自分に欲情して昂って。汗を流しながら息を荒げてるなんて。未だに信じられない気分だけど。感じる快楽はリアルだ。
「気持ち良い? そろそろ、動いていいかな」
ウィリアムは、何かをする前には必ず俺に確かめる。
恥ずかしいからいちいち聞かないでくれって思うけど。それは、決して無理強いしないように気遣ってくれてるからだ。この体格差なら抵抗しても無駄だし。その気になればいくらでも好きなように扱えるから。
愛されてるなあ、って感じる。
「ウィル。あ、あいしてる、よ?」
物凄く恥ずかしいけど。頑張って告げた。今日はウィリアムの好きなようにして、って。
「……全く君は。私のなけなしの理性を吹っ飛ばす気か!」
そう言いながら。
ウィリアムは、おねだりをきいてくれた。
*****
「すぐじゃなくていいんだけど。この国には、保育園はないから。小さな子を預ける施設を作りたいと思うんだ」
「ああ、義務教育も取り入れたいね」
騎士学校とか、ある程度の身分の人が通う学校はあるけど。一般国民は教会や冒険者協同組合で字や一般教養を習うしか勉強の方法がない。
15歳で天職を知ってから勉強するのも大変だ。ある程度の知識は必要だと思う。
「音楽の授業も入れたいよね」
「……もう人前では歌わないからね?」
二人きりならいいんだ。
子供の頃の食育は大事だ。小さい頃に必要な栄養が足りないと、後々影響が出てくる。
一日一食でも、その補助になるようなものを食べさせたい。
「子供の栄養を考えたメニューは、俺が作りたいなあ」
「そうだね。でも、今はまだ、新婚気分を味わいたいのだけどね?」
そう言って。
国王業お休み宣言したウィリアムは、俺にキスをした。
二人だけが幸せになるんじゃなくて。国民の皆が幸せになれるような国を目指そう。
ずっと傍で支えていくから。幸せの輪を広げていこうな。
おしまい
嬉しそうだ。
今にも踊り出しそうな感じの足取りで寝室に向かっている。
「ウィルって意外とイベント好きだよね……」
俺がこの世界に来た日も、毎年律儀にお祝いしてくれたし。パリピというやつだろうか。
……結婚可能な15歳になるのを指折り数えてたんだったりして。
「積極的に行動するのは、君に関してだけだよ?」
忙しい仕事の合間に通って来てたのも、料理だけが理由じゃなかったって。
「この先、俺の背がメキメキ伸びて髭モサモサ筋肉ムキムキになっても、好きでいてくれる?」
「……どいつもこいつも人をショタコンみたいに……」
え? 違うの?
*****
リズリーの家を作った日、やけに真面目な顔でオズワルドとオーソンを追い返した時。
10歳の子供に無体な真似をしたのでは、と心配されていたとか。
神託スキルをミュートしたのも、あと5年待てとかうるさかったからだという。
「私にも、そのくらいの分別はあるというのに」
色々な人から言われたようだ。
「ウィルは俺が大人になって、ウィルのこと好きって言うまで待ってたのにな?」
ウィリアムは微妙な顔をした。
ちゃんと気持ちを確かめる前に手を出しちゃったのを気にしてるんだ。もういいのに。
そんなに気にするなら、言わないでおいたほうが良かったかな? でも、生涯共にする相手に隠し事はしたくないんだよな。
「前世から性的に淡泊だったし、鈍いから。あそこまでされなかったら気付かなかったと思うよ?」
「……気持ち良かったから、快楽に流されただけだという可能性は?」
「気づいてなかった? 頭撫でられたり抱き締められるの、ウィルだけにしか許してないんだけど」
それにはオズワルドたちだって気づいてた。
俺は完全に無意識だったけど、あからさまに避けてたって。
だから皆、俺たちが両想いだっていう共通認識だったんだ。
「……っていうか、いい加減、新婚初夜のカップルっぽい会話しない?」
「してもいいが。照れるだろう?」
そりゃ照れるに決まってる。だってウィリアムが格好よすぎるのがいけない。いけなくはないけど。
*****
お互い裸になって。全身を浄化して、肌を合わせる。
こんな恥ずかしいこと、正気じゃやってらんないから。ウィリアムのキスで酔わせてもらおう。
「……ん、」
キスっていうのは、口を合わせるだけじゃなくて。舌を絡ませて、舌を吸ったり、甘嚙みしたり。潔癖症にはハードルが高い行為だけど。
好きな相手だったら、気にならないどころか、気持ち良いんだって知った。
抱かれるのも。ウィリアム以外、絶対無理だ。
弱点をさらけ出して。内臓に男性器を受け入れるなんて行為。愛がなきゃ、俺にはできない。
こんなに綺麗な人が、自分に欲情して昂って。汗を流しながら息を荒げてるなんて。未だに信じられない気分だけど。感じる快楽はリアルだ。
「気持ち良い? そろそろ、動いていいかな」
ウィリアムは、何かをする前には必ず俺に確かめる。
恥ずかしいからいちいち聞かないでくれって思うけど。それは、決して無理強いしないように気遣ってくれてるからだ。この体格差なら抵抗しても無駄だし。その気になればいくらでも好きなように扱えるから。
愛されてるなあ、って感じる。
「ウィル。あ、あいしてる、よ?」
物凄く恥ずかしいけど。頑張って告げた。今日はウィリアムの好きなようにして、って。
「……全く君は。私のなけなしの理性を吹っ飛ばす気か!」
そう言いながら。
ウィリアムは、おねだりをきいてくれた。
*****
「すぐじゃなくていいんだけど。この国には、保育園はないから。小さな子を預ける施設を作りたいと思うんだ」
「ああ、義務教育も取り入れたいね」
騎士学校とか、ある程度の身分の人が通う学校はあるけど。一般国民は教会や冒険者協同組合で字や一般教養を習うしか勉強の方法がない。
15歳で天職を知ってから勉強するのも大変だ。ある程度の知識は必要だと思う。
「音楽の授業も入れたいよね」
「……もう人前では歌わないからね?」
二人きりならいいんだ。
子供の頃の食育は大事だ。小さい頃に必要な栄養が足りないと、後々影響が出てくる。
一日一食でも、その補助になるようなものを食べさせたい。
「子供の栄養を考えたメニューは、俺が作りたいなあ」
「そうだね。でも、今はまだ、新婚気分を味わいたいのだけどね?」
そう言って。
国王業お休み宣言したウィリアムは、俺にキスをした。
二人だけが幸せになるんじゃなくて。国民の皆が幸せになれるような国を目指そう。
ずっと傍で支えていくから。幸せの輪を広げていこうな。
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