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キノコマスター、結婚する。
勇者の使命
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善神ディオスはまず、この大地を創り。
次に海や森などの自然を創り。そこに人や動物などの生き物を創り、繁栄させた。
しかし、人間はその数を増やすと、お互いに争い、殺し合うだけでなく、動物を乱獲し、自然を破壊した。
善神であるディオスはそのことに嘆き悲しみ、さらには憎しみなどの悪意を抱いてしまった。
このままでは、全てを破壊する悪神に変化してしまうため、ディオスは自分から悪い精神を分離させた。
そうして生まれたのが”魔王”だった。
魔王は人界に降りると、様々な災害を引き起こし、動植物を魔物化させ、人間たちの住居や農場を破壊した。それに困った人間たちは、全国から選りすぐりの魔術士や騎士らを集め、魔王を討伐しようとした
だが、先見の術を持つ呪術者により、恐ろしい事実が判明した。
魔王を倒せば、その半身である善神ディオスも共に消滅することになる。
そして、創世の神であるディオスが消えれば、神の創ったこの世界も共に消える。
倒すのではなく、封印するしか方法はないというのだ。
残念ながら、この世界の人間には、”魔王を封じる力”を持つ者など存在しなかった。
その為、異世界より魔王を封じる力を持つ”勇者”が召喚され、今まで魔王を封じてきたという。
エリアスは言った。
「我々人類は、千年に一度、神から試されているのです。魔王の粛清により滅ぶべきか、魔王を封じ、生き残るか」
*****
……ちょっと待って!?
そんなシリアスな話なの!?
俺、責任重大じゃないか!
神様が実在するなんて。
まるで絵本やおとぎばなしみたいに現実味のない話だ。
でも、これは実際にあった話なんだろう。
だって俺が今、この世界にいるのは、魔王を封じるために召喚されたから、なんだし。
国王であるバルも。これ以上、神様から呆れられないために、戦争をしないよう、色々悩んで考えて。様々な政策を立ち上げ、試してきたという。そうして、試行錯誤の末。
自然の破壊も、人口増加の抑制、開発を制限することで抑えているんだそうだ。
城がある”静かの森”は、国の所有する森林保護地帯なので、勝手に入ってきて開発しようとしたスデステ村の人を、なるべく殺すことなく、森から追い出そうとしたわけだ。
直接、武力で追い出しに掛かるのではなく、地味ないやがらせみたいに自ら出て行かせるような方法を取っていたのは、そのせいだったんだ。
国境を隔てている防護壁も。
長年和解しようと努力してみたものの、世代が変わったりすると隣国とどうしても諍いが起こってしまうため、やむなく建てたものだという。
実際、防護壁を建ててから、この国では戦争や内乱は起こっていない。……ただし、こちら側での話だけど。
自称、旅の魔法使いウィルフレドの報告によると、向こう側では、内戦や他の国との争いが延々と続いているそうだ。
他国のことなので、その国の王が解決すべき問題だ、とバルは言った。
バルが自分で全ての国を牛耳ってしまえば話は早いのかもしれないけど。目が届く範囲は、この国だけで精一杯だという。
この国だけでも相当広かった。
それを把握してるだけでも凄いと思うけど。
神様でも、人々の争いを止められず、どうにもならなかったくらいだ。
不老不死の偉大な魔術師といえど。世界全体を救うには、一人の力では身に余るようだ。
*****
「他の国王は、どうしてそんな戦争をしたがるんだろ? みんながバルの国みたいに争いをやめて、ちゃんと管理すれば、魔王も起きなくなるんじゃないの?」
「我が国は、陛下がいるので何とか争いも起こさず、生活が成り立っているのです。他の国には陛下ほど先見の明を持ち、卓越した能力を持つ王がいない。それが原因ですな」
俺の疑問に、アダンが答えた。
バルから話を聞いて、事情がわかっていても。
もし、自分が一国の王になったとして。そんな完璧な治世は不可能だろう、と。
千年ごとに目覚める魔王のことを、きちんと国民に知らせてない国もあるみたいだ。
スデステ村の人とかもそうか。
バルが魔王だと思ってたくらいだし。それくらい強いんだけど。
先のこと……神様の憂いや、国民の将来を考えないで。その場限りの、自分の欲のために争わせる権力者が多いんだ。
不老不死で、知識も豊富。千年先のことまで考えて行動する、最強の魔術師。
そんな国王がいるから、この国は平和なのか。
やっぱり、バルってば凄い王様なんだなあ。
「そんな陛下が、よもや肉欲のためにこれほど重大な情報を伏せるとは……いやはや……」
アダンとエリアスが溜め息を吐いている。
肉欲って。
はっきり言いすぎだよ!
バルは、苦虫を噛み潰したような顔をしている。
それでも美形なのは変わらないんだけど。
この国では結婚式を挙げるまで、いわゆる”夫婦の営み”を禁じられている。
もうすぐ魔王が目覚めるとなれば、結婚式を挙げるどころじゃなくなるだろう。
つまり。
バルは一刻も早く俺とエッチしたいから。魔王が復活することを伏せて、結婚を急いだわけだ。
次に海や森などの自然を創り。そこに人や動物などの生き物を創り、繁栄させた。
しかし、人間はその数を増やすと、お互いに争い、殺し合うだけでなく、動物を乱獲し、自然を破壊した。
善神であるディオスはそのことに嘆き悲しみ、さらには憎しみなどの悪意を抱いてしまった。
このままでは、全てを破壊する悪神に変化してしまうため、ディオスは自分から悪い精神を分離させた。
そうして生まれたのが”魔王”だった。
魔王は人界に降りると、様々な災害を引き起こし、動植物を魔物化させ、人間たちの住居や農場を破壊した。それに困った人間たちは、全国から選りすぐりの魔術士や騎士らを集め、魔王を討伐しようとした
だが、先見の術を持つ呪術者により、恐ろしい事実が判明した。
魔王を倒せば、その半身である善神ディオスも共に消滅することになる。
そして、創世の神であるディオスが消えれば、神の創ったこの世界も共に消える。
倒すのではなく、封印するしか方法はないというのだ。
残念ながら、この世界の人間には、”魔王を封じる力”を持つ者など存在しなかった。
その為、異世界より魔王を封じる力を持つ”勇者”が召喚され、今まで魔王を封じてきたという。
エリアスは言った。
「我々人類は、千年に一度、神から試されているのです。魔王の粛清により滅ぶべきか、魔王を封じ、生き残るか」
*****
……ちょっと待って!?
そんなシリアスな話なの!?
俺、責任重大じゃないか!
神様が実在するなんて。
まるで絵本やおとぎばなしみたいに現実味のない話だ。
でも、これは実際にあった話なんだろう。
だって俺が今、この世界にいるのは、魔王を封じるために召喚されたから、なんだし。
国王であるバルも。これ以上、神様から呆れられないために、戦争をしないよう、色々悩んで考えて。様々な政策を立ち上げ、試してきたという。そうして、試行錯誤の末。
自然の破壊も、人口増加の抑制、開発を制限することで抑えているんだそうだ。
城がある”静かの森”は、国の所有する森林保護地帯なので、勝手に入ってきて開発しようとしたスデステ村の人を、なるべく殺すことなく、森から追い出そうとしたわけだ。
直接、武力で追い出しに掛かるのではなく、地味ないやがらせみたいに自ら出て行かせるような方法を取っていたのは、そのせいだったんだ。
国境を隔てている防護壁も。
長年和解しようと努力してみたものの、世代が変わったりすると隣国とどうしても諍いが起こってしまうため、やむなく建てたものだという。
実際、防護壁を建ててから、この国では戦争や内乱は起こっていない。……ただし、こちら側での話だけど。
自称、旅の魔法使いウィルフレドの報告によると、向こう側では、内戦や他の国との争いが延々と続いているそうだ。
他国のことなので、その国の王が解決すべき問題だ、とバルは言った。
バルが自分で全ての国を牛耳ってしまえば話は早いのかもしれないけど。目が届く範囲は、この国だけで精一杯だという。
この国だけでも相当広かった。
それを把握してるだけでも凄いと思うけど。
神様でも、人々の争いを止められず、どうにもならなかったくらいだ。
不老不死の偉大な魔術師といえど。世界全体を救うには、一人の力では身に余るようだ。
*****
「他の国王は、どうしてそんな戦争をしたがるんだろ? みんながバルの国みたいに争いをやめて、ちゃんと管理すれば、魔王も起きなくなるんじゃないの?」
「我が国は、陛下がいるので何とか争いも起こさず、生活が成り立っているのです。他の国には陛下ほど先見の明を持ち、卓越した能力を持つ王がいない。それが原因ですな」
俺の疑問に、アダンが答えた。
バルから話を聞いて、事情がわかっていても。
もし、自分が一国の王になったとして。そんな完璧な治世は不可能だろう、と。
千年ごとに目覚める魔王のことを、きちんと国民に知らせてない国もあるみたいだ。
スデステ村の人とかもそうか。
バルが魔王だと思ってたくらいだし。それくらい強いんだけど。
先のこと……神様の憂いや、国民の将来を考えないで。その場限りの、自分の欲のために争わせる権力者が多いんだ。
不老不死で、知識も豊富。千年先のことまで考えて行動する、最強の魔術師。
そんな国王がいるから、この国は平和なのか。
やっぱり、バルってば凄い王様なんだなあ。
「そんな陛下が、よもや肉欲のためにこれほど重大な情報を伏せるとは……いやはや……」
アダンとエリアスが溜め息を吐いている。
肉欲って。
はっきり言いすぎだよ!
バルは、苦虫を噛み潰したような顔をしている。
それでも美形なのは変わらないんだけど。
この国では結婚式を挙げるまで、いわゆる”夫婦の営み”を禁じられている。
もうすぐ魔王が目覚めるとなれば、結婚式を挙げるどころじゃなくなるだろう。
つまり。
バルは一刻も早く俺とエッチしたいから。魔王が復活することを伏せて、結婚を急いだわけだ。
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