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キノコマスター、王様のキノコをGETする。
魔王の腕の中で
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「うーん。もちろん今の価値観では酷いな、って思われるけど。当時は宗教的な問題だったり、植民地とか。戦って奪うのが当たり前だったって言うか……」
こっちはそういうの、ないのかな。
キリスト教徒以外は人間じゃないから異教徒は殺してもOKな時代もあったんだって聞いた。宣教師送り込んで無理矢理改宗させたり。外国ってこわい。
日本ももちろん他人事じゃなく、色々あったみたいだけど。
残念ながら、詳しく語れるほど歴史マニアじゃないので細かく突っ込まれても困る。
知ってるのは先生から教えてもらった話だけだし、興味ない話は覚えてない。
*****
「まあそれは置いといて。そんな感じで、そもそもあの土地が誰かの持ち物だったって知らなかったんじゃないかなあ、って」
「ふむ、国によって常識が違えば考え方も違う。我が国のレーグラスを知らずに侵入していた可能性もある、と?」
説明がアバウトすぎるけど。
さすがに王様なバルは頭がいいからか、俺の言いたかったことを理解してくれたようだ。
「もし、スデステ村の人が、今住んでる場所はバルの所有する土地だってことをきちんと理解して、税金払って、森に手を出さなければ、そのまま住むのを許してくれる?」
「ううむ……」
バルは難しい顔をして悩んでいる。
さすがにそう簡単にはいかないか。数百年もこじれた話っぽいしな。
俺的には、20代から30代の美青年にしか見えないこの王様が、もう何百年も生きてる不老不死の魔術師だってのもちょっと信じられないくらいだ。
人が一度当たり前に思ったことを新たに考え直すのは難しいって、ばあちゃんも言ってた。
不老不死はともかく、バルがさっき見せてもらったような本になるくらい、レジェンド級のウルトラレアな存在だってのは理解できる。
だってものすごい美形だし。魔法もすごいし。剣の腕もすごかったのはこの目で見たもんな。
「スデステ村の住民を我が国の移民として受け入れることは、理論上では可能です」
側近のエリアスが言った。
あ、この人にも俺が話したこと、通じてたんだ?
じゃあ、完全に言葉が理解できるようになってるのか。すごいな魔法。
「だが、私の姿を見るなり逃げるのだぞ。まるで話にならん」
バルは村人たちの反応を思い出したのか、ムッとしてる。
不吉だとかなんとか、散々な言われようだったよな。
「俺でよければ説得してくるよ? 証拠……この辺一帯の土地がバルの所有物だって書類とかがあれば、それを見せて話したら大丈夫だと思う」
「一帯の土地を管理統轄する権利書の写本でよければございます」
「あるんだ?」
「ふ、言葉が拙いままでも可愛らしかったのだが。良く話すのもまた愛らしいな」
バルは苦笑してる。
……え、俺に言ったの? それ? 可愛らしいって?
そりゃバルたちに比べれば身体のサイズは可愛らしいかもしれないけど。子供が頑張ってしゃべってるみたいな意味か?
*****
ぶほぁ、って声に。
横を見れば、また側近の人が笑いを堪えていた。
確かに、俺に向かって可愛いとか言うのはおかしいよ? でもそんな、顔を真っ赤にして笑わなくてもよくない?
さすがに俺も傷ついちゃうぞ?
「エリアス、」
バルは細かく肩を震わせている側近を叱った。
「し、失礼しました。いえ、決して優輝様を笑ったのではないのです。この朴念仁……もとい、ここ数百年色恋沙汰の影も見せず仕事ひと筋だった真面目なお方がここまでメロメロな態度を取るようになるとは意外すぎまして。どうにも横隔膜の震えが止まりませんもので……」
とか言って、また笑いをこらえてた。
……自分が仕えてる主人が面白くて笑った、って正直に言っちゃったよこの側近。
ん? 今のバルは通常とは違う感じなのか?
普段は仕事一筋の、真面目な王様だとか言ったよな?
ふと気がつけば。
俺はずっと、バルの膝に乗せられている状態だった。
成人男性に違和感なく抱っこされてる男子高校生ってどうよ。
だって、がっちりホールドされて動けないし。
何か安心するし。
年齢は言ったから、子供じゃないって知ってるはずだよな?
子供じゃない男を膝に乗せて、頭を撫でてる状況って変じゃないか?
確かに、”真面目な王様”のする行動とは思えない。
側近の人が笑っても仕方ないかも。
でも、不老不死になって、もう何百年も生きてるっていうし。
いうなれば、二十歳を過ぎた孫にもお年玉をあげるお爺ちゃん的な気持ちとか?
別に嫌でもないし、まあいいか。
大きな手で頭を撫でられるのも。
バルだったら、悪くない。
*****
バルは、国中から領主を呼び出した。
緊急会議を開いて、スデステ村の村民受け入れについて話し合っているようだ。
つい軽く言ってしまったけど、おおごとなんだな。
百人にも満たない村の移民を受け入れるって、そんな大変なことなのか。
日本に置き換えて考えてみても、どうもピンと来ない。
100人の村に一人の移民なら大丈夫でも、100人の村に20人の移民だったら村の生活に影響を与えるかも、って感じ?
そもそもこの国が、どれだけの広さなのかも知らない。
隣に国があるらしいのはわかったけど。
頼めば、この国の地図を見せてもらえるかな。
世界地図とかあるんだろうか?
こっちはそういうの、ないのかな。
キリスト教徒以外は人間じゃないから異教徒は殺してもOKな時代もあったんだって聞いた。宣教師送り込んで無理矢理改宗させたり。外国ってこわい。
日本ももちろん他人事じゃなく、色々あったみたいだけど。
残念ながら、詳しく語れるほど歴史マニアじゃないので細かく突っ込まれても困る。
知ってるのは先生から教えてもらった話だけだし、興味ない話は覚えてない。
*****
「まあそれは置いといて。そんな感じで、そもそもあの土地が誰かの持ち物だったって知らなかったんじゃないかなあ、って」
「ふむ、国によって常識が違えば考え方も違う。我が国のレーグラスを知らずに侵入していた可能性もある、と?」
説明がアバウトすぎるけど。
さすがに王様なバルは頭がいいからか、俺の言いたかったことを理解してくれたようだ。
「もし、スデステ村の人が、今住んでる場所はバルの所有する土地だってことをきちんと理解して、税金払って、森に手を出さなければ、そのまま住むのを許してくれる?」
「ううむ……」
バルは難しい顔をして悩んでいる。
さすがにそう簡単にはいかないか。数百年もこじれた話っぽいしな。
俺的には、20代から30代の美青年にしか見えないこの王様が、もう何百年も生きてる不老不死の魔術師だってのもちょっと信じられないくらいだ。
人が一度当たり前に思ったことを新たに考え直すのは難しいって、ばあちゃんも言ってた。
不老不死はともかく、バルがさっき見せてもらったような本になるくらい、レジェンド級のウルトラレアな存在だってのは理解できる。
だってものすごい美形だし。魔法もすごいし。剣の腕もすごかったのはこの目で見たもんな。
「スデステ村の住民を我が国の移民として受け入れることは、理論上では可能です」
側近のエリアスが言った。
あ、この人にも俺が話したこと、通じてたんだ?
じゃあ、完全に言葉が理解できるようになってるのか。すごいな魔法。
「だが、私の姿を見るなり逃げるのだぞ。まるで話にならん」
バルは村人たちの反応を思い出したのか、ムッとしてる。
不吉だとかなんとか、散々な言われようだったよな。
「俺でよければ説得してくるよ? 証拠……この辺一帯の土地がバルの所有物だって書類とかがあれば、それを見せて話したら大丈夫だと思う」
「一帯の土地を管理統轄する権利書の写本でよければございます」
「あるんだ?」
「ふ、言葉が拙いままでも可愛らしかったのだが。良く話すのもまた愛らしいな」
バルは苦笑してる。
……え、俺に言ったの? それ? 可愛らしいって?
そりゃバルたちに比べれば身体のサイズは可愛らしいかもしれないけど。子供が頑張ってしゃべってるみたいな意味か?
*****
ぶほぁ、って声に。
横を見れば、また側近の人が笑いを堪えていた。
確かに、俺に向かって可愛いとか言うのはおかしいよ? でもそんな、顔を真っ赤にして笑わなくてもよくない?
さすがに俺も傷ついちゃうぞ?
「エリアス、」
バルは細かく肩を震わせている側近を叱った。
「し、失礼しました。いえ、決して優輝様を笑ったのではないのです。この朴念仁……もとい、ここ数百年色恋沙汰の影も見せず仕事ひと筋だった真面目なお方がここまでメロメロな態度を取るようになるとは意外すぎまして。どうにも横隔膜の震えが止まりませんもので……」
とか言って、また笑いをこらえてた。
……自分が仕えてる主人が面白くて笑った、って正直に言っちゃったよこの側近。
ん? 今のバルは通常とは違う感じなのか?
普段は仕事一筋の、真面目な王様だとか言ったよな?
ふと気がつけば。
俺はずっと、バルの膝に乗せられている状態だった。
成人男性に違和感なく抱っこされてる男子高校生ってどうよ。
だって、がっちりホールドされて動けないし。
何か安心するし。
年齢は言ったから、子供じゃないって知ってるはずだよな?
子供じゃない男を膝に乗せて、頭を撫でてる状況って変じゃないか?
確かに、”真面目な王様”のする行動とは思えない。
側近の人が笑っても仕方ないかも。
でも、不老不死になって、もう何百年も生きてるっていうし。
いうなれば、二十歳を過ぎた孫にもお年玉をあげるお爺ちゃん的な気持ちとか?
別に嫌でもないし、まあいいか。
大きな手で頭を撫でられるのも。
バルだったら、悪くない。
*****
バルは、国中から領主を呼び出した。
緊急会議を開いて、スデステ村の村民受け入れについて話し合っているようだ。
つい軽く言ってしまったけど、おおごとなんだな。
百人にも満たない村の移民を受け入れるって、そんな大変なことなのか。
日本に置き換えて考えてみても、どうもピンと来ない。
100人の村に一人の移民なら大丈夫でも、100人の村に20人の移民だったら村の生活に影響を与えるかも、って感じ?
そもそもこの国が、どれだけの広さなのかも知らない。
隣に国があるらしいのはわかったけど。
頼めば、この国の地図を見せてもらえるかな。
世界地図とかあるんだろうか?
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