巨人の国に勇者として召喚されたけどメチャクチャ弱いのでキノコ狩りからはじめました。

篠崎笙

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キノコマスター、王様のキノコをGETする。

セントロ王国について勉強する

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大広間、というか王座の前に集まった領主達の髪や肌の色は、バルやエリアスと似た感じだった。
それで、バルが色白なのは魔王だから特別なわけじゃなく、こちらの人種的特徴だと知った。


スデステ村の人たちの肌は、浅黒くて髪は茶色で、目は緑の人が多かったっけ。
先にあっちを見てたから、あれがこの世界の標準だと思ってたんだよな。

俺は黄色人種だから、どっちにいても浮いてしまう。ここじゃ子供並みにちっさいしな!


元の世界で言うと、どの国の人に当たるんだろ?
って、一口にアメリカ人っていっても肌や目の色が色々あるから、考えても無意味だった。

そもそもイメージで語れるほど外国人の容姿に詳しくないし知識も無かった。
ダメダメじゃん。


*****


俺はバルたちが会議をしている間、魔法書や歴史の本を読んでここの勉強をすることにした。
図書室まで案内してくれた護衛の人に、ドアの外で待機してるので戻る時は声を掛けて欲しいと言われた。座って待っててもいいのに。


世界地図は見当たらなかったけど、国の地図はあったので見てみる。

この国は、大きな大陸の下、三分の一くらいあって。左上と上部は隣の国に面していて、他は海に囲まれてる。
この城がある場所は隣の国との境目に近いからか、窓から見えるのは森ばっかりで、海は見えない。どうやらかなり広い国みたいだ。


次に、歴史の本を読んでみる。
ここ、セントロ王国は二千年以上の歴史を持つ国で。昔は隣国との争いごとがあったようだけど、千年前にバルが国王になってからはずっと平和だと書いてあった。

一人の王様が長く国を治めてると、面倒事も多そうなものなのに。
それでも今まで他国と戦争とか内乱も起こらないで平和なのは、バルが優秀な王様だからなんだろう。

スデステ村の辺りは、昔から土地が痩せていて、元々人が住んでなかった土地らしい。
夏は涼しく、冬は極寒で。農耕も牧畜も厳しいからみたいだ。

でも、長く暮らすには静かで最適だから、バルは王城をここに置いたようだ。
魔術のエキスパートでもあるから、食べ物は他の領地から魔法で運べるし。

この城は深い森に囲まれていて、ちょっと見ただけだと、城があることに気付かない。
俺も、言われるまで城の存在に気がつかなかったし。

それで、村の人たちはここを空いた土地だと思ったのかもしれないな。


村の先には、隣国との国境の壁が延々とそびえ建っているらしい。
他の国とは戦争しないことを決めて、隣国と交流を持つことすらやめたようだ。

あの辺りは貧しい土地なのに。
生贄を出してまで住んでるのは、壁が建ってしまって、祖国に帰りたくても帰れないせいもあるのかな?

生贄といえば。
俺は生贄として差し出された身分だというのに、何故だかものすご~く丁寧に扱われている気がする。

服も、仕立て屋がわざわざ寸法を測りに来て、全身フルオーダーだし。半袖のままじゃ寒かったから助かったけど。
あっという間に数着こしらえてた。魔法かな?

革の靴もぴったりだし。シャツもジャケットも肌触りが良い。高級そうな生地だ。
絶対、親父の一張羅より高いぞこれ。

でも今着てるのは仮の服で、正式な服は後で届けるんだとか言ってた。
仮の服で充分ゴージャスなんだけど。フリルは勘弁。


*****


それにしても。
さっき、集めた領主達の前で、俺を膝に乗っけた状態で。俺の頭を撫でながらバルが笑顔で『紹介しよう、私の可愛い子猫ちゃんリンドガティートだ』とか言い出した時はどうしようかと思った。

みんな微妙な笑顔で固まってた。
大人って大変だ。

俺も耳を疑ったけど。三回くらい言った。”私の可愛い子猫ちゃん”って。

バルが前から言ってた謎の言葉の意味がやっとわかった。
そりゃ、側近のエリアスだって吹き出すよ。

何だよ子猫ちゃんって。

あえて流れに乗って『ニャア』とか言うべきだっただろうか。
いや、笑いを取りに行ってどうする。

会議してる間、ここの勉強をしたいからって言ってつい逃げちゃったけど。
さすがに偉い人達に囲まれた状況でバルの膝の上にはいられないよ。


ここの人たちに比べたら、身長は子供並みに低いだろう。でも、一応俺は、17歳の体育会系男子高校生な訳で。
顔面レシーバーだったものの、部活で筋トレもちゃんと参加してたから、それなりに筋肉もついている。

子猫ちゃんってツラでもない……と思う。
釣り目系というより垂れ目系だし。タヌキの方が近いかも。

それとも、この世界では”子猫ちゃん”という単語に別の意味でもあるのか?
エリアスは笑ってたし、領主達の反応はドン引きだったんで、受けた言葉の印象は俺と変わらないように思えたけど。

頭を撫でられがちなのは、ファビオもだったな。
丁度撫でやすい位置に頭があるのかな?


などと考えながら城の窓から庭を見ていたら。
気になるものを発見した。

……あれは。
間違いなくあれだ。


途端にテンションが上がる。


*****


「あの、ちょっと、庭に出てもいいかな?」

護衛の人に声を掛けると。城門から出なければ自由に散策していいとのことで。
意気揚々と庭に出た。

キノコハンターの血が騒ぐぜ! とか言って。


「あったあった」

城門の中。
庭、といっても外の森と変わりない、自然の森みたいな植物が生えているからか。キノコも豊富だった。

さすがに魔物化したキノコや動物はいない……よな?
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