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嵐みたいな夜が過ぎて
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「はぅ、」
ドレスをたくし上げられて、下着を下ろされて。
性器をぱっくりと咥えられてしまった。
うわ。マジか。
本当に、男だってわかって、してるんだ。
だって、女の子にはこんなのついてないもんな。
嘘だろ。
あんた女にモテそうじゃん!
女に餓えてるわけでもなさそうなのに。何で俺なんかに、こんなことしてんの!?
*****
「~~~っ!?」
口の中は熱くて、舌で裏筋とかカリとかゴリゴリされて。
吸い付かれちゃって。
それがあまりに気持ち良くて、イってしまった。
男の口で。
信じられない。
ゼノンの手は、お尻を撫でてる。
その指が、揉むような動きをして。
片手でビンみたいのを取って、中身を出しているのが見えた。
何それ。
「ひっ、」
ぬるりとした感触。
お尻の間に、指が。
ビンの中身は、油みたいだ。
そうか。
そこは濡れないから。
そうしないと入らないから、慣らそうとしてるんだ。
固くなったアレを挿入するために。
「い、やだって、無理矢理すんのは犯罪だぞ!」
いや、誘拐も犯罪だけど。
「あう、」
暴れようとしても、また、咥えられてしまって。
あまりの気持ち良さに、抵抗する力が無くなってしまう。
だって、文字通り急所を掴まれてる……というか咥えられてるわけだし。
下手に暴れて咬みちぎられでもしたら嫌だし。
だから。
それだけで。
決して受け入れようとしてるわけじゃないんだからな!
*****
『スオウ、そろそろいいか? ……挿れるぞ』
やたら色っぽくて、甘い声。
気が付いたら、服は全部脱がされてて。
四つん這いの格好にさせられて。
腰を掴まれていて。
イエス、オッケーウェルカムカモン! な状態になってるんだけど!
いや、初めてのキスどころか初エッチまで男相手とか冗談じゃない。
絶対にノーだってば!
「や、……あああっ、」
ズブッ、と。
突っ込まれてしまった。
ゼノンのアレが。
多分、頭の部分。
意外に、引っかかりもなく、入っちゃった……。
俺。
とうとう、男に犯されちゃったんだ。
こんな、見ず知らずの。
今日会ったばかりの、言葉も通じないような相手に。
もしかしたら、プロポーズとかされたのかもしれないけど。
俺なんか、化粧して女装した姿で。
素顔も性格も。お互いの名前くらいしか知らないのに。
こんなことするの、変だよ。
*****
「ん、う、……はぁ、あ、」
一気に突き入れるんじゃなく。
ぐっ、ぐっ、と。少しずつ入ってくる。
俺の身体を気遣って、ゆっくりしてるんだろうってのはわかるんだけど。
気遣うなら、そもそもこんなことすんなと言いたい。
「ふ、……ああ、」
これ、なんか異様に長くない!?
どこまで進むんだよ。
お腹を突き破られそうで怖いよ。
もうやだ。
誰か、助けて。
「ひゃ、ああっ!」
首筋をぺろりと舐められた。
それでびっくりしたから、体内の異物を締め付けてしまったようで。
さっき、全身に走ったこれって。
もしかして、快感だった?
「や、あっ、あ、やぁ、」
ゆさゆさと、揺さぶられて。
お腹の中、ゼノンの性器でぐちゃぐちゃにかき回されて。
こんなの、気持ちいいわけないのに。
何でだよ。
これ、気持ち良い。
無理矢理なのに。
犯されてるのに。
気持ち良くなっちゃうとか、変だ。
嘘だろ。
エロ漫画じゃあるまいし。
長くて太いのが抜き差しされる度に、ぐちゅぐちゅといやらしい音がして。
恥ずかしいのに、気持ち良くて。
さっきから聞こえる、猫が甘えるみたいな声。
まさか、俺の声じゃないよな?
『ああ、可愛い。俺のツガイ。愛している。一生大切にする……!』
「ひあっ!?」
首筋に噛みつかれた。
痛い。
痛いってば。
血が出てるんじゃないの、これ!?
後で仕返しに、しっぽぶっちぎる勢いで思いっきり掴んでやるからな! とシーツを掴みながら思った。
首は物凄く痛くて。
でも、下半身は物凄く気持ち良くて。
もうメチャクチャだ。
噛まれたままお腹の中をぐちゃぐちゃに掻き回されているうちに、だんだん気が遠くなっていって。
意識が途切れた。
*****
外が明るくなってるようだ。
閉じた瞼に、光を感じる。
もう朝か。
起きないと遅刻……って、今日は代休だっけ?
学園祭、終わったのか。
……何か変な夢見たなあ。
学園祭の出し物の劇の途中で、イヌミミなのに黒い騎士みたいな恰好をしたおかしなコスプレイヤーが乱入してきて。
そいつに攫われて、城に連れてかれて、手籠めにされちゃうとか。
どんな欲求不満が見せた夢だよ。
理解不能だよ。
立派な城に住んでいる王子様? から求愛されるとか。
まさか俺、シンデレラ願望でもあったのかね?
でも、レオン、だっけ? どっちかといえば、あっちの方が王子様っぽかったな。
髪も服もキラキラしてて。
あいつは。王子って言うよりは黒い騎士みたいだった。
顔だけは良かったな。
あと、しっぽと耳の触り心地。
すべすべふわふわもふもふで気持ち良かった。
……そう、こんな感じの。
「スオウ? まだ足りないのか? くすぐったいのだが」
ん?
この声は……。
目を開けると、目の前に浅黒い肌があって。
俺の隣に、裸の男が横たわっているのがわかった。
そして俺は。
それに抱き着いてる感じで。
尻の上から生えているしっぽを掴んでいた。
何だこの状況。
*****
慌てて離れたら、ゼノンは残念そうな顔をした。
まだ寝ぼけている頭でもわかったのは。
昨日の出来事は全部悪い夢じゃなく、本当に起こったことだってのと。
今聞こえたのが、間違いなく。俺の知っている言葉。
日本語だということだ。
「あんた、日本語話せたの!?」
話せるなら、もっと早く言ってほしかった。
こっちは言葉が通じなくて、メチャクチャ不安だったのに!
「ニホンゴ? いや、俺はずっと共通語で話しているが……」
首を傾げて。
「……ああ、そうか。恐らくだが。昨夜、魂まで繋がったため、こちらの言葉がわかるようになったのだろう。教えようと思っていたので少々残念だが、嬉しいぞ」
ニコッと笑った。
魂まで……繋がった……?
誰と?
ぐわっ!
そうだった! 俺、こいつに強姦されたんだ!
と。
何故だか突然、頭の中に。
昨日ゼノンが言っていた、様々な言葉が蘇ってきた。
ドレスをたくし上げられて、下着を下ろされて。
性器をぱっくりと咥えられてしまった。
うわ。マジか。
本当に、男だってわかって、してるんだ。
だって、女の子にはこんなのついてないもんな。
嘘だろ。
あんた女にモテそうじゃん!
女に餓えてるわけでもなさそうなのに。何で俺なんかに、こんなことしてんの!?
*****
「~~~っ!?」
口の中は熱くて、舌で裏筋とかカリとかゴリゴリされて。
吸い付かれちゃって。
それがあまりに気持ち良くて、イってしまった。
男の口で。
信じられない。
ゼノンの手は、お尻を撫でてる。
その指が、揉むような動きをして。
片手でビンみたいのを取って、中身を出しているのが見えた。
何それ。
「ひっ、」
ぬるりとした感触。
お尻の間に、指が。
ビンの中身は、油みたいだ。
そうか。
そこは濡れないから。
そうしないと入らないから、慣らそうとしてるんだ。
固くなったアレを挿入するために。
「い、やだって、無理矢理すんのは犯罪だぞ!」
いや、誘拐も犯罪だけど。
「あう、」
暴れようとしても、また、咥えられてしまって。
あまりの気持ち良さに、抵抗する力が無くなってしまう。
だって、文字通り急所を掴まれてる……というか咥えられてるわけだし。
下手に暴れて咬みちぎられでもしたら嫌だし。
だから。
それだけで。
決して受け入れようとしてるわけじゃないんだからな!
*****
『スオウ、そろそろいいか? ……挿れるぞ』
やたら色っぽくて、甘い声。
気が付いたら、服は全部脱がされてて。
四つん這いの格好にさせられて。
腰を掴まれていて。
イエス、オッケーウェルカムカモン! な状態になってるんだけど!
いや、初めてのキスどころか初エッチまで男相手とか冗談じゃない。
絶対にノーだってば!
「や、……あああっ、」
ズブッ、と。
突っ込まれてしまった。
ゼノンのアレが。
多分、頭の部分。
意外に、引っかかりもなく、入っちゃった……。
俺。
とうとう、男に犯されちゃったんだ。
こんな、見ず知らずの。
今日会ったばかりの、言葉も通じないような相手に。
もしかしたら、プロポーズとかされたのかもしれないけど。
俺なんか、化粧して女装した姿で。
素顔も性格も。お互いの名前くらいしか知らないのに。
こんなことするの、変だよ。
*****
「ん、う、……はぁ、あ、」
一気に突き入れるんじゃなく。
ぐっ、ぐっ、と。少しずつ入ってくる。
俺の身体を気遣って、ゆっくりしてるんだろうってのはわかるんだけど。
気遣うなら、そもそもこんなことすんなと言いたい。
「ふ、……ああ、」
これ、なんか異様に長くない!?
どこまで進むんだよ。
お腹を突き破られそうで怖いよ。
もうやだ。
誰か、助けて。
「ひゃ、ああっ!」
首筋をぺろりと舐められた。
それでびっくりしたから、体内の異物を締め付けてしまったようで。
さっき、全身に走ったこれって。
もしかして、快感だった?
「や、あっ、あ、やぁ、」
ゆさゆさと、揺さぶられて。
お腹の中、ゼノンの性器でぐちゃぐちゃにかき回されて。
こんなの、気持ちいいわけないのに。
何でだよ。
これ、気持ち良い。
無理矢理なのに。
犯されてるのに。
気持ち良くなっちゃうとか、変だ。
嘘だろ。
エロ漫画じゃあるまいし。
長くて太いのが抜き差しされる度に、ぐちゅぐちゅといやらしい音がして。
恥ずかしいのに、気持ち良くて。
さっきから聞こえる、猫が甘えるみたいな声。
まさか、俺の声じゃないよな?
『ああ、可愛い。俺のツガイ。愛している。一生大切にする……!』
「ひあっ!?」
首筋に噛みつかれた。
痛い。
痛いってば。
血が出てるんじゃないの、これ!?
後で仕返しに、しっぽぶっちぎる勢いで思いっきり掴んでやるからな! とシーツを掴みながら思った。
首は物凄く痛くて。
でも、下半身は物凄く気持ち良くて。
もうメチャクチャだ。
噛まれたままお腹の中をぐちゃぐちゃに掻き回されているうちに、だんだん気が遠くなっていって。
意識が途切れた。
*****
外が明るくなってるようだ。
閉じた瞼に、光を感じる。
もう朝か。
起きないと遅刻……って、今日は代休だっけ?
学園祭、終わったのか。
……何か変な夢見たなあ。
学園祭の出し物の劇の途中で、イヌミミなのに黒い騎士みたいな恰好をしたおかしなコスプレイヤーが乱入してきて。
そいつに攫われて、城に連れてかれて、手籠めにされちゃうとか。
どんな欲求不満が見せた夢だよ。
理解不能だよ。
立派な城に住んでいる王子様? から求愛されるとか。
まさか俺、シンデレラ願望でもあったのかね?
でも、レオン、だっけ? どっちかといえば、あっちの方が王子様っぽかったな。
髪も服もキラキラしてて。
あいつは。王子って言うよりは黒い騎士みたいだった。
顔だけは良かったな。
あと、しっぽと耳の触り心地。
すべすべふわふわもふもふで気持ち良かった。
……そう、こんな感じの。
「スオウ? まだ足りないのか? くすぐったいのだが」
ん?
この声は……。
目を開けると、目の前に浅黒い肌があって。
俺の隣に、裸の男が横たわっているのがわかった。
そして俺は。
それに抱き着いてる感じで。
尻の上から生えているしっぽを掴んでいた。
何だこの状況。
*****
慌てて離れたら、ゼノンは残念そうな顔をした。
まだ寝ぼけている頭でもわかったのは。
昨日の出来事は全部悪い夢じゃなく、本当に起こったことだってのと。
今聞こえたのが、間違いなく。俺の知っている言葉。
日本語だということだ。
「あんた、日本語話せたの!?」
話せるなら、もっと早く言ってほしかった。
こっちは言葉が通じなくて、メチャクチャ不安だったのに!
「ニホンゴ? いや、俺はずっと共通語で話しているが……」
首を傾げて。
「……ああ、そうか。恐らくだが。昨夜、魂まで繋がったため、こちらの言葉がわかるようになったのだろう。教えようと思っていたので少々残念だが、嬉しいぞ」
ニコッと笑った。
魂まで……繋がった……?
誰と?
ぐわっ!
そうだった! 俺、こいつに強姦されたんだ!
と。
何故だか突然、頭の中に。
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