魔王転生~勇者と魔族と人間と神、男の精気でレベルアップ!?

篠崎笙

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魔王への試練

北の王都へ

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「レベルとか名前とかHP、MP、装備とかスキルとか称号とか見られる画面だけど。……まさか……これ、俺だけにしか見えないのか?」


そのまさかだった。
しかも、普通、魔法は長い呪文を覚えて詠唱する必要があるし、手に入れた装備やアイテムは全部自分の手で持ち歩かなきゃいけないという。

考えてみりゃ当たり前の話なんだが。
魔法はスキル一覧からポチッとすれば使えるし。装備も一括でできるし。荷物は全部、ステータスボックスにぶっこんでた……。


これ、そんなチートアイテムだったのか……。
ゲームに慣れてたせいか、ステータスバーとか見えても、違和感無かったんだよな。


†††


「第一、スキルが見えていたら、弱点がわかってしまうのではないか」
と言うけど。

「何で? 弱点とかは別に表示されてねえけど?」


得意なスキルや魔法から苦手なものが予想できるから、それをぶつければ勝てるだろう、とか言ってる。
なるほど、その手があったか。俺はそんなこと考えたことなかった。

やっぱりリオンの方が、魔王に向いてると思うんだが。


「……小鳥はそんな卑怯な真似をしなくとも、そのままで無敵だろうがね」
肩を竦めてみせた。
ああ、卑怯な作戦って自覚はあったんだな。

「でも俺、まだ魔界の四大公よりだいぶレベル低いし。無敵でも何でもねーけど……?」

まだ魔法の全てを把握して使いこなしてるわけじゃないから。
レベルが下でも、魔術のエキスパートであるスレイにも負けそうだ。


「君の提案、賛成してくれたのだろう? 信じられないことだよ。血を好み肉を食らい、ヒトを争わせるのが生き甲斐の魔族が、あの条件を呑むなんて。……皆、君を愛しているのだろうね」
どこか拗ねたようにリオンは言うが。

……そうかな? みんな、優しいけど。

まあ、魔族からの好意は感じるな。でも、それは俺が魔王だからだし。魔族は魔王に従うのが本能なんだ。そういう性質の生き物……魔物なので。


リオンは目を瞠った。
「ああ、そうか。それゆえ……魔神様は私に、魔王に次ぐ魔族にする、と仰られたのか。それだけの力があれば、魔王の伴侶と名乗りを上げても、口出しできまい」

「いや、アイツ、そんな親切じゃねえと思うぞ……」


絶対、何らかの嫌がらせを仕掛けてくる。
俺にはわかる。


†††


リオンの馬に同乗させてもらって、北の王都へ向かった。

そう遠い場所では無く、馬の足で半日くらいの距離だというが。……充分遠い気がするのは、移動魔法に慣れきってしまったせいだろうか。
だって魔法なら、場所の記録さえすれば、一度行った場所は一瞬で行けるもんな。

ヒトは一度楽をすることを覚えると、楽なほうへと堕落してしまう生き物なのである。
俺はもうヒトじゃねえけど。


リオンは移動魔法を持ってないのかと思ったら、もう二度とここには来ないだろうと思って、位置をチェックしておかなかったんだと。幼馴染だっていうのに。哀れ、国王。

しかし、ゲームの飛行艇とか空飛ぶ自動車みたいに、好きな場所に縦横無尽に移動できないのは不便だな。つってもゲームは限られたマップ内だけど。

移動魔法はいちいち自分がその場所へ行って記録しないとダメとか、面倒なこともある。
まあ、その点、一回覚えてしまえば超便利なんだが。

飛行魔法もあるが。鳥や竜以外で飛ぶものない世界だから、目立ってしまう。


†††


リオンの腕の中で。いつの間にか、眠っていたらしい。
王都の前で、揺り起こされた。


「小鳥、起きて。……くちづけで目覚めさせることが出来ないのが残念だ」
とか言いながら、額にキスされた。

……こいつはまったくもう。
何でこう、恥ずかしいことを呼吸をするように普通に言えるんだ!?


リオンの腕の中で安心しきって熟睡しちまう俺も俺だけど。
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