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国王攻略
東の国王アオイ・Ⅰ
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おお、葵の紋章だー。
東の王都の城に掲げられた旗は、葵の紋章だった。水戸黄門とかで見るアレそのまんまだ。
どうなってんだ、ここの世界観!?
ガルムの領地はオリエンタル風だったのに。ここは黄金の国、ジパングですか?
城は、城だった。西洋の城じゃなく、日本の城、そのまんま。江戸城……は現存しないんだった。暴れん坊で有名なアレに出てくるのは白鷺城だ。あれに似てる。
あっちは酸性雨とかで早くも黒くなってきてるらしいが。こっちは眩いほどに真っ白な城だ。
「美しいな」
リオンは城に見惚れている。うん。綺麗だよな。
俺には、違和感しかないけど。
†††
「どうしたんだい、かわいこちゃん」
ん?
……え、俺のことか?
振り向けば。蒼い髪、蒼い目の。派手なキモノを着た色男に声を掛けられていたようだ。
……キモノ、だよな? 髪型は、ポニーテールっぽいが。
「道にでも迷ったのかい? ……おおっと、そっちのアンちゃんがかわいこちゃんの用心棒だったのかい? それなら心強いな」
リオンがキモノの男を睨んだので、男は一歩退いた。
こらこら、声を掛けたくらいで殺意をこめた視線を向けるんじゃない。
キモノの男は。……東の国王、アオイ。レベル200。またの名を、遊び人のブライ。遊び人レベル300、だった。
ステータス画面のネタバレは、かくも非情だった。
まさか、しょっぱなから国王とエンカウントとは。
さすがの俺も予想してなかったぜ。でも、ここで精気を寄越せとばかりに襲うわけにはいかない。
ちゃんと、話し合いの場を設けないと。
「ええと、兄と旅行中で……」
今の髪色なら、兄弟でも不自然ではないだろう。
「そうかい。まァゆっくりしてきな。ここはいい町だぜ。おいらの名はブライ。しがない遊び人よ。困ったことがあったら、ジョーカ町の案内人、ミチに聞いてみな」
アオ……じゃなかった、ブライは鮮やかにウインクかまして。
爽やかに去って行ったのだった。
お、お約束だ……! 時代劇的お約束……!!
これ、何かのフラグだよな? この後、厄介ごとに巻き込まれて。ギリギリピンチなとこで、通りがかりのブライに助けられるんでしょ。知ってる!
……てか、世界観はどこ行った!? ファンタジーぶち壊しじゃねえか!!
それより、国王レベルよか遊び人レベルの方が高いのってどうなんだ国王様よォ!?
などと小一時間問い詰めたいけど。お約束なので言えない。
†††
「ふむ、親切な者もいるものだ。噂どおり、ここは治安の良い国のようだな」
リオンは素直に感心していた。
アレの姿は、別に驚くことではないようだ。
そっかこれ、こっちの世界では、当たり前の光景なんすね……。俺はがっくりして膝の力が抜けてきたけど。
「……今の、王様だった。お忍び中の……」
「な……っ、何故、……そうか、見えているのだったな」
でも、ステータスが見えてても、あんま記述が多いと、全部は読む気なくすからなあ。
リオンのステータスも、良く見てみれば、備考欄に”王弟”ってちゃんと書いてあった。気付かなかった……。
「しかし国王が、何故、あのような格好を?」
「せっかく本人はバレてないと思ってんだ。知らない振りしてやりな……」
不思議そうに首を傾げているリオンに、道行く町人風の町人……ややこしいな。地味な着物の男が言った。
おいおい、町人にもナチュラルにバレてんじゃねえか、国王さんよ。
ああやって、王様が自らバレバレのパトロールをしてるから、ここの治安がいいんじゃないのか、って話になった。
「あと、魔界の東の領主は、人間界と商売で交流してるって聞いた」
ジョーカ町で、商人に化けた魔族を何人か見かけて。声は掛けてこなかったけど、頭を下げられた。
四つ子の長男、ミチも見れた。やっぱり同じ顔だった。
東の王都の城に掲げられた旗は、葵の紋章だった。水戸黄門とかで見るアレそのまんまだ。
どうなってんだ、ここの世界観!?
ガルムの領地はオリエンタル風だったのに。ここは黄金の国、ジパングですか?
城は、城だった。西洋の城じゃなく、日本の城、そのまんま。江戸城……は現存しないんだった。暴れん坊で有名なアレに出てくるのは白鷺城だ。あれに似てる。
あっちは酸性雨とかで早くも黒くなってきてるらしいが。こっちは眩いほどに真っ白な城だ。
「美しいな」
リオンは城に見惚れている。うん。綺麗だよな。
俺には、違和感しかないけど。
†††
「どうしたんだい、かわいこちゃん」
ん?
……え、俺のことか?
振り向けば。蒼い髪、蒼い目の。派手なキモノを着た色男に声を掛けられていたようだ。
……キモノ、だよな? 髪型は、ポニーテールっぽいが。
「道にでも迷ったのかい? ……おおっと、そっちのアンちゃんがかわいこちゃんの用心棒だったのかい? それなら心強いな」
リオンがキモノの男を睨んだので、男は一歩退いた。
こらこら、声を掛けたくらいで殺意をこめた視線を向けるんじゃない。
キモノの男は。……東の国王、アオイ。レベル200。またの名を、遊び人のブライ。遊び人レベル300、だった。
ステータス画面のネタバレは、かくも非情だった。
まさか、しょっぱなから国王とエンカウントとは。
さすがの俺も予想してなかったぜ。でも、ここで精気を寄越せとばかりに襲うわけにはいかない。
ちゃんと、話し合いの場を設けないと。
「ええと、兄と旅行中で……」
今の髪色なら、兄弟でも不自然ではないだろう。
「そうかい。まァゆっくりしてきな。ここはいい町だぜ。おいらの名はブライ。しがない遊び人よ。困ったことがあったら、ジョーカ町の案内人、ミチに聞いてみな」
アオ……じゃなかった、ブライは鮮やかにウインクかまして。
爽やかに去って行ったのだった。
お、お約束だ……! 時代劇的お約束……!!
これ、何かのフラグだよな? この後、厄介ごとに巻き込まれて。ギリギリピンチなとこで、通りがかりのブライに助けられるんでしょ。知ってる!
……てか、世界観はどこ行った!? ファンタジーぶち壊しじゃねえか!!
それより、国王レベルよか遊び人レベルの方が高いのってどうなんだ国王様よォ!?
などと小一時間問い詰めたいけど。お約束なので言えない。
†††
「ふむ、親切な者もいるものだ。噂どおり、ここは治安の良い国のようだな」
リオンは素直に感心していた。
アレの姿は、別に驚くことではないようだ。
そっかこれ、こっちの世界では、当たり前の光景なんすね……。俺はがっくりして膝の力が抜けてきたけど。
「……今の、王様だった。お忍び中の……」
「な……っ、何故、……そうか、見えているのだったな」
でも、ステータスが見えてても、あんま記述が多いと、全部は読む気なくすからなあ。
リオンのステータスも、良く見てみれば、備考欄に”王弟”ってちゃんと書いてあった。気付かなかった……。
「しかし国王が、何故、あのような格好を?」
「せっかく本人はバレてないと思ってんだ。知らない振りしてやりな……」
不思議そうに首を傾げているリオンに、道行く町人風の町人……ややこしいな。地味な着物の男が言った。
おいおい、町人にもナチュラルにバレてんじゃねえか、国王さんよ。
ああやって、王様が自らバレバレのパトロールをしてるから、ここの治安がいいんじゃないのか、って話になった。
「あと、魔界の東の領主は、人間界と商売で交流してるって聞いた」
ジョーカ町で、商人に化けた魔族を何人か見かけて。声は掛けてこなかったけど、頭を下げられた。
四つ子の長男、ミチも見れた。やっぱり同じ顔だった。
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