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国王攻略
東の国王アオイ・Ⅱ
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「では、交渉は難しくなるかな?」
「いや、治安がいいっつっても、他の国と比べての話だし。人間による犯罪自体がゼロってわけじゃねえしな。ちょっとおとり捜査してみる」
というわけで。
おとりとして、浴衣姿でふらふらと出歩いてみた。
わざと財布を落として金貨をばらまいて、手持ちで結構な現金を持っていることをちらつかせたり。
1ソチンのお菓子に1モッコリ出して困惑してみせたり。
世間知らずのお坊ちゃまですよ~感を出すのだ。
†††
「かわいい坊や、お菓子をあげようか」
見るからに悪そうな男に声を掛けられる。
お、来たか?
「でも、知らないオッサンからモノを貰っちゃダメって母上が……」
かわいこぶってみせる。
おふくろに言われたのは本当である。
しかもつい最近。
「誰がオッサンじゃい! 俺ァまだ26だ!」
「そうか、俺は29だ」
「えっ……マジすか、サーセン……」
頭を下げながら去って行った。
ただの上下関係に弱い、イキった兄ちゃんだった。
ちっ、紛らわしいな。
ザリ、と砂利を踏む音。……今度こそ来たか?
「あ~れ~(棒)」
後ろから、荷物のように抱え上げられた。
「な、何をなされますー(棒)」
「坊や、随分とお小遣いを持ってるようだな? おうちはどこの大店かい?」
いかにも悪者のような刀傷の、目つきの悪い男だ。
名前はザコ、職業は盗賊。誘拐犯キタコレ!
それにしても、ひでえ名前だな。まあ、意味とかは違うんだろうけど。
エロマンガ島も、別にエロくないしな。
「お、俺にナニするつもりなの!? エロいことするんでしょ! エロ同人みたいに! いやー、おかされるー(棒)」
「だ、黙れ、誰がお前みたいなガキにんなことするかってんだァ!?」
じたばた暴れてたら、浴衣の裾が乱れて太股があらわになった。
それを見て、真っ赤になってやんの。
†††
「ちょいと待ちなァ!」
ハイ来た! 来ましたよ! 時代劇的お約束な絶妙なタイミングで。
ものによっては助けは現れず、殺されちゃったりするんだけども。必ず殺す仕事人とか。
「ブライさあぁん! 助けてー」
でもお殿様だし。絶対来てくれると思ってた!
「げっ、国お……ブッ、」
危うくネタバレしそうになった男の鳩尾に、思わず容赦のない膝蹴りを入れてしまった。
それを言っちゃあいけねえよ。
「か弱い子供を攫った挙句、陵辱しようたぁ、許せねえな」
ブライは刀……のような柄をしたレイピアを構えた。
レイピアかよ!?
いやあ、これは美しい”構え、刀”っすね。
「待っ、か弱くねえぞこのガ……うぐぁー!?」
俊足で側に寄っていたブライが男を蹴り倒し、俺を抱きとめた。
……って、斬らないのかよ! そのレイピアは飾りだったのか!?
暴れん坊なら成敗! する場面なのに。アオイ様は成敗はしないのか。ちょっとがっかり。お庭番がいないから? 成敗だと一族郎党打首獄門だから?
暴漢は、青い黒子みたいなのに引き摺られてった。
この後、お白州での裁きになる流れか? お奉行様じゃないのに!?
まあでも、お礼は言っておこう。
「ありがとう、ブライさん。助かりました」
お奉行、じゃなかったブライは、俺の肌蹴た胸元や太股をめっちゃ見てる。
男のこんなサービスシーン、時代劇には不要だよな、普通……。
いや、時代劇じゃねえ。落ち着け俺。
†††
「は、離れるんだお坊ちゃん、いけねえよ、このままじゃ俺ァ、あんたを……、」
頬染めてる。遊び人のくせに。
すげえな、”えっちなからだ”の威力……。
「……いいんです、俺、あなたになら……」
潤んだ瞳で見上げる。
……って、ナニやってんだ俺。
などと冷静になってはいけない。死ねる。不死だけど。精神的に死ぬ。余裕で死ぬ。
「あの、二人っきりになれる場所へ、連れてってください」
俺のおねだりに、ブライは応えた。
「いや、治安がいいっつっても、他の国と比べての話だし。人間による犯罪自体がゼロってわけじゃねえしな。ちょっとおとり捜査してみる」
というわけで。
おとりとして、浴衣姿でふらふらと出歩いてみた。
わざと財布を落として金貨をばらまいて、手持ちで結構な現金を持っていることをちらつかせたり。
1ソチンのお菓子に1モッコリ出して困惑してみせたり。
世間知らずのお坊ちゃまですよ~感を出すのだ。
†††
「かわいい坊や、お菓子をあげようか」
見るからに悪そうな男に声を掛けられる。
お、来たか?
「でも、知らないオッサンからモノを貰っちゃダメって母上が……」
かわいこぶってみせる。
おふくろに言われたのは本当である。
しかもつい最近。
「誰がオッサンじゃい! 俺ァまだ26だ!」
「そうか、俺は29だ」
「えっ……マジすか、サーセン……」
頭を下げながら去って行った。
ただの上下関係に弱い、イキった兄ちゃんだった。
ちっ、紛らわしいな。
ザリ、と砂利を踏む音。……今度こそ来たか?
「あ~れ~(棒)」
後ろから、荷物のように抱え上げられた。
「な、何をなされますー(棒)」
「坊や、随分とお小遣いを持ってるようだな? おうちはどこの大店かい?」
いかにも悪者のような刀傷の、目つきの悪い男だ。
名前はザコ、職業は盗賊。誘拐犯キタコレ!
それにしても、ひでえ名前だな。まあ、意味とかは違うんだろうけど。
エロマンガ島も、別にエロくないしな。
「お、俺にナニするつもりなの!? エロいことするんでしょ! エロ同人みたいに! いやー、おかされるー(棒)」
「だ、黙れ、誰がお前みたいなガキにんなことするかってんだァ!?」
じたばた暴れてたら、浴衣の裾が乱れて太股があらわになった。
それを見て、真っ赤になってやんの。
†††
「ちょいと待ちなァ!」
ハイ来た! 来ましたよ! 時代劇的お約束な絶妙なタイミングで。
ものによっては助けは現れず、殺されちゃったりするんだけども。必ず殺す仕事人とか。
「ブライさあぁん! 助けてー」
でもお殿様だし。絶対来てくれると思ってた!
「げっ、国お……ブッ、」
危うくネタバレしそうになった男の鳩尾に、思わず容赦のない膝蹴りを入れてしまった。
それを言っちゃあいけねえよ。
「か弱い子供を攫った挙句、陵辱しようたぁ、許せねえな」
ブライは刀……のような柄をしたレイピアを構えた。
レイピアかよ!?
いやあ、これは美しい”構え、刀”っすね。
「待っ、か弱くねえぞこのガ……うぐぁー!?」
俊足で側に寄っていたブライが男を蹴り倒し、俺を抱きとめた。
……って、斬らないのかよ! そのレイピアは飾りだったのか!?
暴れん坊なら成敗! する場面なのに。アオイ様は成敗はしないのか。ちょっとがっかり。お庭番がいないから? 成敗だと一族郎党打首獄門だから?
暴漢は、青い黒子みたいなのに引き摺られてった。
この後、お白州での裁きになる流れか? お奉行様じゃないのに!?
まあでも、お礼は言っておこう。
「ありがとう、ブライさん。助かりました」
お奉行、じゃなかったブライは、俺の肌蹴た胸元や太股をめっちゃ見てる。
男のこんなサービスシーン、時代劇には不要だよな、普通……。
いや、時代劇じゃねえ。落ち着け俺。
†††
「は、離れるんだお坊ちゃん、いけねえよ、このままじゃ俺ァ、あんたを……、」
頬染めてる。遊び人のくせに。
すげえな、”えっちなからだ”の威力……。
「……いいんです、俺、あなたになら……」
潤んだ瞳で見上げる。
……って、ナニやってんだ俺。
などと冷静になってはいけない。死ねる。不死だけど。精神的に死ぬ。余裕で死ぬ。
「あの、二人っきりになれる場所へ、連れてってください」
俺のおねだりに、ブライは応えた。
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