私が恋していいわけがない。

風戯 林檎

文字の大きさ
2 / 3
地獄から天国&地獄への移り変わり

御主人様への対応

しおりを挟む
私は指導役の『南香』さんに色々と教えてもらい、早くも疲れを感じていた。そんな中一人の男性が帰ってきた。

「只今、」

それは大人の男性の様な優しい声の持ち主だった。私は思わず二階から顔を出すと、メイドが集まっているのを見て、御主人だと気付きお迎えに上がった

「おかえりなさいませ」

ほかのメイドたちと声を合わせて私も言った。それに返事をしながら、男性は何故かこちらに向かってきた。焦った私はおどおどとなると、「どうされました?」と思わず真っ赤になりながら言ってしまった。

「君、新人のメイドだよね?僕は長男の『龍哉』です。どうぞよろしく」

私に声をかけたと思うと、優しい声で髪をさらっ、と持ち上げてこちらを見て自己紹介をされた。少しびっくりした。その方は『龍哉』と名乗る長男だと知り、目を丸くさせては、ついつい見とれてしまった。

「はい、よろしくお願いします。私の名前は『優希』です。」

龍哉様の笑顔につられ、私も自然に笑がこぼれた。なんて綺麗な顔なんだろう。そう思いながら部屋へと鞄をお持ちした。

「実はね、君のことは既に他の兄弟に伝えてあるんだ。少し大変かもしれないけど、面倒お願いね?」

「そうなんですか?わかりました。それでは、私はこれで失礼いたします。」

どんな兄弟なのだろうと考えながら、部屋に戻ろうとした。しかし、すぐには部屋にもどれなかった。次は次男が帰ってきたのだ。私は、今日はまとめて帰ってくるんだな。と思いながらメイドスマイルを作り、出迎えた。

「おかえりなさいませ。」

すると、その方は私に抱き着いてきた。正直「セクハラ!?」とか、変な事考えてしまった。我ながら少し恥ずかしい。まぁ、そんなことしているうちに、後ろからまたまた、男性の声が聞こえた。

「おい、何やってるんだ。急に飛び出して、危ないだろ、」

そう呼びかけてきたのは、抱き着いてきた方の少し上のお方だった。そう、この人たちは次男と三男だった。

「あぁ、君が新人のメイドかい?確か名前は『優希』だとか。」

「まじ!?優希ちゃんっていうんだ!いい名だ!」

あぁ、もう!何なの?急すぎるだろ。自己紹介する前に私のこと!?何なんだ!
そんなこと考えながら、むむむっとしていると、それに気がついたのか。次男が話しかけてきた。

「すまない。私は、如月家次男『悠』だ。よろしく頼む。」

「俺は、三男の『颯希』だ!よろしくな!」

すっごくクールな次男と、馬鹿って思うくらい元気な三男だった。本当にこの兄弟は何なのか。でも、お顔は、やはり美男だった。元気系男子、クール系男子、落ち着き系男子。どれも最高だと思った。そのうち、玄関にふと目をやると、もうひとりの男性がいた。きょとん、としていると声をかけられてしまった。

「おい、新人のメイドか?なんたって、俺と同じ学校に行って、1日中付き添いだとか。」

この、ドSな御主人は私の決められた御主人様『青龍』なんだそうだ。末男だった。私は、それに少し萌えてしまったが、これがのちのち、変な方向に進むとは思わなかった。

「はい。よろしくお願いします」

メイドスマイルを作り、部屋まで鞄をお持ちすると、それでは、とその場から逃げようとした時だった。私の視界はふわっ、変わり気付けば青龍に押し倒されていた。私はすかさず顔を隠したが、剥がし取られた。

「メイドのなんだろ?ご奉仕するのがあたりめーだ。」

そんなことを言いながらニヤッ、と笑った。やらしー顔してるな。と思いながらそれに冷静に対応した。

「失礼ですが、御主人様。私共メイドはこういう事に手を出してはいけないのです。」

顔が真っ赤になるのを抑えて言えば、青龍は「なえた」と言い、どいてくれた。少し優しいのかな?と思っていたら。思わぬことを声に出され、きっ、と睨んでしまうほどだった。

____これからお前は俺のおもちゃだな。

これが青龍の放った言葉だった。私はそれに血の気が引き、青ざめてしまった。なんにせこの方はすごいドSなんだそうだ。さっきのことで、私はいつ手を出されてもおかしくない。と危険を感じていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

25年の後悔の結末

専業プウタ
恋愛
結婚直前の婚約破棄。親の介護に友人と恋人の裏切り。過労で倒れていた私が見た夢は25年前に諦めた好きだった人の記憶。もう一度出会えたら私はきっと迷わない。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

処理中です...