51 / 51
第51話 エピローグ
しおりを挟む
夏休みが終わりを告げた。
心無しセミ達の声も日に日に弱々しくなっている気がする。
気温も少しずつだが下がっている気がして、太陽も徐々に秋に向けて準備してくれているのだろうか。
それでも充分に暑いがね。
「アーヤーノー! おーきーろー!」
夏休み明けの1発目の登校日。
夏休み前から変わらずアヤノを起こしに来たのだが、最近寝起きが良かったアヤノが夏休みが終わると、また寝起きが悪くなった。
「アーヤーノーン! 遅刻するぞー」
「う、うーん……」
ようやく声が出てアヤノは寝ぼけた顔をしながら上半身を起こす。
「ほらほら。起きた起きた」
目を掻きながら眠そうにこちらを見た。と思ったらそのまま寝転がろうとするので俺はすぐさま手を伸ばして彼女の背中を支える。
「ファニーファニー。1回起きたならサクッと起きようぜアヤノさんよぉ」
「眠い」
「だろうな。でも、もう夏休みは終わったんだ。現実を受け止めて、朝は早く起きなきゃいけない」
「分かった」
素直に頷くとアヤノが言ってくる。
「リョータローがおはようのキスしてくれたら目覚める気がする」
「え? ――ととっ」
突然そんな事を言われて手に力が入らなくなったが、何とか耐える。
「してくれないの?」
無表情で言ってくる。そんな台詞を寝起き数秒後によく無表情で言えたものだ。
「いや……。それは……。あれじゃない? 恥ずいというか……」
「恥ずかしいの?」
「だって……。ねぇ?」
「変態なのにウブ?」
「へ、変態ちゃうわ!」
「そう……。でも、良い。起きる」
そう言いながらアヤノは起き上がりベッドから降りる。
「お、おお! 何と素直な事だ。よきかなよきかな」
「リョータローの童貞丸出しのウブな顔が見れたから良しとする」
「ど、どど童貞ちゃ――」
「違うの?」
「ち、違わないです……。はい……」
「ふふ。うんうん。素直でよろしい」
アヤノは無表情で俺の頭を撫でてくる。
これ、どういう状況なの……。
「つか、そんな事してないでさっさと学校行くぞ」
俺は照れながらも彼女の腕を振り払う。
「うん。行く」
そう言いながらアヤノはアクションを起こさない。
「――なんで突っ立ってんの?」
「着替え。したいんだけど?」
「え? あ、ああ……。俺の事は構わずにどうぞ?」
「一緒に着替えたいの?」
「アヤノの育ってない所を久しぶりに拝みたいね」
そう言うとアヤノは「ふっ」と鼻で笑った後に枕を思いっきり振りかぶって投げてくる。
「出て行って!」
すぐさまアヤノは制服に着替えてリビングにやってくる。
ショートヘアの制服姿は今日初めて見るので、俺は固まってしまう。
ダメだ……。俺、完璧にショート派になったかも……。
「なに?」
「制服姿に見惚れちゃって」
素直に言うとアヤノは視線を逸らして「なんなの……」と嬉しそうに呟いた。
そのまま機嫌良くアヤノはダイニングテーブルのいつもの席に座る。
「なに……してんの?」
「紅茶」
俺は時計を指差して叫ぶ。足はキッチンへ向かっている。
「馬鹿言ってんじゃねーよ。何時だと思ってんだ! 可愛ければ何でも許されると思ってるのか!?」
「思ってる」
「ああ! そうさ! その通りだ! 正解だ! 俺はアヤノの言う通り紅茶を淹れるだろう! 遅刻覚悟で淹れるだろう。そしてお前はこう言う――」
「バイクに乗れば間に合う」
「――ってな! アッハッハ! その通りだぜ。俺達には校則破りのチート技を使うしかないぜ」
そう言いながら手では素早く紅茶を作り、そのままアヤノに提供する。
「良いの? いつもなら校則が――って、ブツブツ文句言うのに」
「いや、その……」
アヤノは紅茶を1口飲んで首を傾げる。
「アヤノとくっつける口実になるかなー……と……」
そう言うとアヤノは無言で立ち上がり俺の前に来る。
そしてそのまま正面から抱きついて来る。
「くっつきたいのならいつでも言えば良い」
「お、おうふ……」
アヤノの良い匂いがダイレクトに来て、股間のセンサーが敏感に察知した。
あかん……。このままずっといたい気になるが、学校に行かなくては……。と自分に勇気がないのを学校の際にしてアヤノの両肩を掴んでゆっくりと離す。
「は、早く学校行かないと」
「ぷぷっ。童貞拗らせてるね」
「う、うるへー! 童貞童貞いうな!」
♦︎
「リョータロー」
朝は結局チート技で遅刻は免れた。
そして夏休み明け初日は半ドンで終わり、しかも通常授業ではなく、LHRだった。
その議題は【文化祭】についてであった。
夏休み明け1発目から文化祭の議題とは思ってもみなかったな。
文化祭の出し物はすんなりと決まり、我がクラスは『劇』をする事になった。
しかも、そのヒロインにクジでアヤノがやる事になったのだ。
アヤノは決まった瞬間に「演技力はある」と言っていたが、どう考えてもデジャヴなんだよな……。
そんな事を考えていると、アヤノが俺の席まで来て呼びかけてくる。
「いつもの所に行こう」
いつもの所。旧校舎の自販機の所だろう。
「あ、ああ」
俺は頷いて立ち上がり彼女と共に指定された場所へ向かった。
「――演技には自信がある」
自販機前に着くなりアヤノが言ってくる。
「うぇ? 本当か?」
俺はジト目でアヤノを見てやると「ただ……」と付け加えて言ってくる。
「私の感性に他の者共が付いて来れない可能性がある。だから、他の者共代表でリョータローに私の演技を見て欲しい」
「他の者共て……。分かった。それじゃあ――」
俺はスマホを操作して、有名な演劇の【ロミオとジュリエット】の簡単な台詞を彼女に見した。
「この『ああーロミオ。あなたはなんでロミオなの?』をやってみしてくれ」
「なめてるの? こんなの余裕」
そう言ってアヤノは「ごふんっ! ふっ!」と咳払いをして、軽く肩を動かして右手を上空に伸ばして台詞を言う。
「『なんでなん? なんであんさんロミオなん?』」
「ぶっ!」
なんで関西弁なん……。しかも若干京都風の……。いや、京都の人あんさんとか言わねーよ。
「どう?」
「クセが凄すぎるな」
「クセ? どこら辺が?」
「自分で分からない所と含めてクセがエグい」
そう言うとアヤノは心底分かってない様な表情を見してくる。
「何が違うのか、しっかり教えてよ」
そう言われて俺は頭を掻きながら笑ってみせる。
「しゃーないな。教えてやるよ」
お世話のバイトは辞めて、アヤノと付き合う事になった。
だけれども、まだまだこのクーデレお嬢様にはお世話が必要みたいだな。
(完)
心無しセミ達の声も日に日に弱々しくなっている気がする。
気温も少しずつだが下がっている気がして、太陽も徐々に秋に向けて準備してくれているのだろうか。
それでも充分に暑いがね。
「アーヤーノー! おーきーろー!」
夏休み明けの1発目の登校日。
夏休み前から変わらずアヤノを起こしに来たのだが、最近寝起きが良かったアヤノが夏休みが終わると、また寝起きが悪くなった。
「アーヤーノーン! 遅刻するぞー」
「う、うーん……」
ようやく声が出てアヤノは寝ぼけた顔をしながら上半身を起こす。
「ほらほら。起きた起きた」
目を掻きながら眠そうにこちらを見た。と思ったらそのまま寝転がろうとするので俺はすぐさま手を伸ばして彼女の背中を支える。
「ファニーファニー。1回起きたならサクッと起きようぜアヤノさんよぉ」
「眠い」
「だろうな。でも、もう夏休みは終わったんだ。現実を受け止めて、朝は早く起きなきゃいけない」
「分かった」
素直に頷くとアヤノが言ってくる。
「リョータローがおはようのキスしてくれたら目覚める気がする」
「え? ――ととっ」
突然そんな事を言われて手に力が入らなくなったが、何とか耐える。
「してくれないの?」
無表情で言ってくる。そんな台詞を寝起き数秒後によく無表情で言えたものだ。
「いや……。それは……。あれじゃない? 恥ずいというか……」
「恥ずかしいの?」
「だって……。ねぇ?」
「変態なのにウブ?」
「へ、変態ちゃうわ!」
「そう……。でも、良い。起きる」
そう言いながらアヤノは起き上がりベッドから降りる。
「お、おお! 何と素直な事だ。よきかなよきかな」
「リョータローの童貞丸出しのウブな顔が見れたから良しとする」
「ど、どど童貞ちゃ――」
「違うの?」
「ち、違わないです……。はい……」
「ふふ。うんうん。素直でよろしい」
アヤノは無表情で俺の頭を撫でてくる。
これ、どういう状況なの……。
「つか、そんな事してないでさっさと学校行くぞ」
俺は照れながらも彼女の腕を振り払う。
「うん。行く」
そう言いながらアヤノはアクションを起こさない。
「――なんで突っ立ってんの?」
「着替え。したいんだけど?」
「え? あ、ああ……。俺の事は構わずにどうぞ?」
「一緒に着替えたいの?」
「アヤノの育ってない所を久しぶりに拝みたいね」
そう言うとアヤノは「ふっ」と鼻で笑った後に枕を思いっきり振りかぶって投げてくる。
「出て行って!」
すぐさまアヤノは制服に着替えてリビングにやってくる。
ショートヘアの制服姿は今日初めて見るので、俺は固まってしまう。
ダメだ……。俺、完璧にショート派になったかも……。
「なに?」
「制服姿に見惚れちゃって」
素直に言うとアヤノは視線を逸らして「なんなの……」と嬉しそうに呟いた。
そのまま機嫌良くアヤノはダイニングテーブルのいつもの席に座る。
「なに……してんの?」
「紅茶」
俺は時計を指差して叫ぶ。足はキッチンへ向かっている。
「馬鹿言ってんじゃねーよ。何時だと思ってんだ! 可愛ければ何でも許されると思ってるのか!?」
「思ってる」
「ああ! そうさ! その通りだ! 正解だ! 俺はアヤノの言う通り紅茶を淹れるだろう! 遅刻覚悟で淹れるだろう。そしてお前はこう言う――」
「バイクに乗れば間に合う」
「――ってな! アッハッハ! その通りだぜ。俺達には校則破りのチート技を使うしかないぜ」
そう言いながら手では素早く紅茶を作り、そのままアヤノに提供する。
「良いの? いつもなら校則が――って、ブツブツ文句言うのに」
「いや、その……」
アヤノは紅茶を1口飲んで首を傾げる。
「アヤノとくっつける口実になるかなー……と……」
そう言うとアヤノは無言で立ち上がり俺の前に来る。
そしてそのまま正面から抱きついて来る。
「くっつきたいのならいつでも言えば良い」
「お、おうふ……」
アヤノの良い匂いがダイレクトに来て、股間のセンサーが敏感に察知した。
あかん……。このままずっといたい気になるが、学校に行かなくては……。と自分に勇気がないのを学校の際にしてアヤノの両肩を掴んでゆっくりと離す。
「は、早く学校行かないと」
「ぷぷっ。童貞拗らせてるね」
「う、うるへー! 童貞童貞いうな!」
♦︎
「リョータロー」
朝は結局チート技で遅刻は免れた。
そして夏休み明け初日は半ドンで終わり、しかも通常授業ではなく、LHRだった。
その議題は【文化祭】についてであった。
夏休み明け1発目から文化祭の議題とは思ってもみなかったな。
文化祭の出し物はすんなりと決まり、我がクラスは『劇』をする事になった。
しかも、そのヒロインにクジでアヤノがやる事になったのだ。
アヤノは決まった瞬間に「演技力はある」と言っていたが、どう考えてもデジャヴなんだよな……。
そんな事を考えていると、アヤノが俺の席まで来て呼びかけてくる。
「いつもの所に行こう」
いつもの所。旧校舎の自販機の所だろう。
「あ、ああ」
俺は頷いて立ち上がり彼女と共に指定された場所へ向かった。
「――演技には自信がある」
自販機前に着くなりアヤノが言ってくる。
「うぇ? 本当か?」
俺はジト目でアヤノを見てやると「ただ……」と付け加えて言ってくる。
「私の感性に他の者共が付いて来れない可能性がある。だから、他の者共代表でリョータローに私の演技を見て欲しい」
「他の者共て……。分かった。それじゃあ――」
俺はスマホを操作して、有名な演劇の【ロミオとジュリエット】の簡単な台詞を彼女に見した。
「この『ああーロミオ。あなたはなんでロミオなの?』をやってみしてくれ」
「なめてるの? こんなの余裕」
そう言ってアヤノは「ごふんっ! ふっ!」と咳払いをして、軽く肩を動かして右手を上空に伸ばして台詞を言う。
「『なんでなん? なんであんさんロミオなん?』」
「ぶっ!」
なんで関西弁なん……。しかも若干京都風の……。いや、京都の人あんさんとか言わねーよ。
「どう?」
「クセが凄すぎるな」
「クセ? どこら辺が?」
「自分で分からない所と含めてクセがエグい」
そう言うとアヤノは心底分かってない様な表情を見してくる。
「何が違うのか、しっかり教えてよ」
そう言われて俺は頭を掻きながら笑ってみせる。
「しゃーないな。教えてやるよ」
お世話のバイトは辞めて、アヤノと付き合う事になった。
だけれども、まだまだこのクーデレお嬢様にはお世話が必要みたいだな。
(完)
21
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
居酒屋で記憶をなくしてから、大学の美少女からやたらと飲みに誘われるようになった件について
古野ジョン
青春
記憶をなくすほど飲み過ぎた翌日、俺は二日酔いで慌てて駅を駆けていた。
すると、たまたまコンコースでぶつかった相手が――大学でも有名な美少女!?
「また飲みに誘ってくれれば」って……何の話だ?
俺、君と話したことも無いんだけど……?
カクヨム・小説家になろう・ハーメルンにも投稿しています。
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
退会済ユーザのコメントです
ありがとうございます♪
クーデレ女子っていいですよねー♪♪