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被保護編 338年
338年1月17-2
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王妃がオーサーから離れてこちらを見た。オーサーは体を開いてその横に立った。
「レイサス、あなたに謝らなくてはいけない。ごめんなさい。あなたを愛していた。だから奪われて私のものではなくなったあなたを憎んだ。あなたの気持ちを考えなかったの。私は王妃としても母としても、人間としても失格だわ」
兄上が大股で王妃に近づき、オーサーを抱き締めた。
「ちょっ相手が違う」
かなり強く抱き締められて痛いだろう。あの細い体を。今も強く見えるが、頼りにせずにはいられないが、実際は立っているのがやっとで、強くつかめば俺でも骨を折れる体。
兄上が離さないので諦めたようだ。兄上の背中をぽんぽん叩いている。保護者だな。あるいは友人か。
王妃はそれを見て微笑んだ。
兄上がオーサーを離した。
「ファリオン、ごめんなさい。あなたにもひどいことをしていたわ。利用してしまってごめんなさい」
まさか俺も謝ってもらえるとは。こんな時が来るとは。
オーサー。俺も抱きつきたいよ。
「いや・・・いや、もういい」
何も言えないな。辛かったとか俺も悪かったとかそういう思いが言葉にならない。
「じゃ、王妃は王宮に戻っていただくということでいいですね」
「・・・そうしなさい」
「あと王妃」
「はい」
「夫が頼りにならないと妻が苦労するのって、全世界共通だと思います」
王妃が笑った。
「そう思うわ。だけど陛下はお優しい方なの」
寂しそうに笑っていた。
オーサー。兄上の主張を撤回させる事ができるなんて。
こんなに、全て誰にとってもいい結末に持っていけるのか。オーサー、あなたは必要だ。俺にも。殺されなくて本当によかった。
「レイサス、あなたに謝らなくてはいけない。ごめんなさい。あなたを愛していた。だから奪われて私のものではなくなったあなたを憎んだ。あなたの気持ちを考えなかったの。私は王妃としても母としても、人間としても失格だわ」
兄上が大股で王妃に近づき、オーサーを抱き締めた。
「ちょっ相手が違う」
かなり強く抱き締められて痛いだろう。あの細い体を。今も強く見えるが、頼りにせずにはいられないが、実際は立っているのがやっとで、強くつかめば俺でも骨を折れる体。
兄上が離さないので諦めたようだ。兄上の背中をぽんぽん叩いている。保護者だな。あるいは友人か。
王妃はそれを見て微笑んだ。
兄上がオーサーを離した。
「ファリオン、ごめんなさい。あなたにもひどいことをしていたわ。利用してしまってごめんなさい」
まさか俺も謝ってもらえるとは。こんな時が来るとは。
オーサー。俺も抱きつきたいよ。
「いや・・・いや、もういい」
何も言えないな。辛かったとか俺も悪かったとかそういう思いが言葉にならない。
「じゃ、王妃は王宮に戻っていただくということでいいですね」
「・・・そうしなさい」
「あと王妃」
「はい」
「夫が頼りにならないと妻が苦労するのって、全世界共通だと思います」
王妃が笑った。
「そう思うわ。だけど陛下はお優しい方なの」
寂しそうに笑っていた。
オーサー。兄上の主張を撤回させる事ができるなんて。
こんなに、全て誰にとってもいい結末に持っていけるのか。オーサー、あなたは必要だ。俺にも。殺されなくて本当によかった。
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