終生飼育は原則ですから

被保護編 338年

338年5月2-5

　残る麹に一.五キロの塩を混ぜてすり合わせる。大事をとってもっと多くしようか。麹の半分が基本だっけ？　いや来年には食べたいから、反対に少な目の方が。すぐに食べたいなら麹をもっと増やすべきだった？　わからない。
　醤油のためにちょっと減っているので一.五キロのままにしました。
　レイサスがやりたそうだったのでやってもらう。
　私の手についた塩と麹を落としてくれるのはありがたいけど、やけに丁寧と言うか執拗な気がする。

　大豆はつぶれたでしょうか。
　甕を熱湯消毒し、その中で大豆を麹を混ぜながら隙間なく詰める。いや本当は違うところで混ぜたほうがいいんだけど、甕を使ったほうが洗い物が少ないから。
　全部の大豆と麹を入れて表面を平らにし、上に塩を振って、さてどうするか。

　空気に触れないように塞いだほうがいいんだけど、何を使えばいいんだ？
　うちではラップを使っていた。酒粕を広げておくと言う人もいた。どちらもない。
　空気を遮断ね。油を広げておくか。だけどイユリスは油が高い。

　ラードを使うことにしました。溶かしたラードを垂らしておけば空気を遮断できるし、固まるから取り出しやすい。
　ラードが固まりきらないうちに重石を上に重ねて三キロくらいにした。

　皆さん、すでに手が味噌くさいと思いますが、これはそういう調味料です。
　味噌予定の甕は厩舎に置かせてもらうことにする。直射日光が当たらず、熱すぎず寒すぎない。食料保管庫だとこれが大惨事になったときに申し訳ない。


　湯煎から下ろした醤油予定は放置しておく。
　翌日確認。うーん温度？　もっとあったかい方がいいのかな。
　もう一度湯煎してそのまま放置し、翌日確認。
　お、発芽してる。また湯煎をしてその夜に、固まった大豆をほぐす。軽くなってきた感じ。
　そのまた次の日、たぶんこれはこれでいいんだろうと思える状態。

　さて、ここからがまったく謎。
　確か塩水をあの豆+麦+麹に入れるんですよ。どれくらいの量？　そしてどれくらいの塩分？
　減塩・・・梅が十八％くらいの塩分濃度だから、それに合わせるか。二十％の方がいいかな。間を取って十九％で。
　そして塩水の量がわからん。大豆はたぶん一キロ、麦が七百グラム、麹がたぶん五百グラムくらい？　ひたひたになるまで入れてみるか。

　甕を消毒して大豆たちを入れて塩水を入れる。上には油紙を掛けて縛っておく。
　よし。あとは来年だな。もうどうしようもない。
　味噌はともかく醤油が心配。一週間に一度は確認しよう。