終生飼育は原則ですから

乃浦

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被保護編 339年

339年1月6

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 裸のともやを裸の胸に抱いている。肌、体温、におい、全てを直接感じることができる。
 ようやくだ。これ以上幸せなことはない。

 結果的にはシルヴィオのおかげか。あのキスの。
 怒りが込み上げる。

 シルヴィオはああ言ったが、ともやの事が好きだ。
 シルヴィオは人に興味を持たない。私とは親しいが、私が王族ではなく、もしくはシルヴィオが公爵ではなかったら、義務がなければそもそも話したりはしなかっただろう。

 ともやには興味を持っている。ともやが何をするか、何を考えているか、何を欲しがるか知りたがる。
 それはわかる。ともやはとてもおもしろい。ともやを知りたくなるのは当然だが、許すことはできない。

 シルヴィオがこれからともやに何かするとは思わない。
 自分の立場もともやの立場も弁えている。
 だが、衝動が上回ることはある。

 シルヴィオに何かしようとは思わない。
 だがともやと二人きりにはならないようにしなければいけない。
 ともやに言っても無駄だ。レンツォーリに厳命する。

 仮にもある幼馴染としての友情と、信頼している公爵としての地位、それら全てを捨て去るつもりは無いだろう。
 無いだろうと、いつもの理性的判断を、期待している。
 ともやを腕に抱いたまま願っても説得力はないが。
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