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6章 失踪
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しおりを挟む───急に出て行ってごめんなさい。
自分でも馬鹿な事をしていると自覚しています。こんな私を愛してくれるあなたを、私を信じてくれているみんなを裏切ってまでここを出て行くなんて。
でももう耐えられませんでした。やっぱり私は公の場に出るべきではなかった。再び人の目に晒されるのは、考えていたよりも苦しいものでした。それはあなた達が余りにも私に暖かい眼差しを向けてくれたからです。私は幸せな世界を知ってしまいました。
何より私と関わる事で、あなた達まで私に向けられた痛い視線や言葉をぶつけられて欲しくありませんでした。勘違いだと、綺麗事だと言われても、可能性がある限り嫌なのです。
事業に関しては全てニイナに伝えたつもりです。これからはあの子を軸に頑張ってください。さっき公の場に出るべきではなかったと書いたけれど、やっぱり役に立てて良かった。
私に生きる気力を与えてくれてありがとう。私に生きていく力を与えてくれてありがとう。傷一つなく滑らかだった手が、今では乾燥してささくれ立った働く手になりました。それはここにいた私の勲章であり自慢です。
ローガン。初めて私を守ってくれた人。そんなあなたを私も愛していました。こんな卑怯な伝え方をしてごめんなさい。あんな素敵な指輪を受け取れなくてごめんなさい。
きっとあなたは私を探そうとするだろうけど、どうかそっとしておいて下さい。ここに来る前から、私は私だけのために生きていこうと決めていました。本当にありがとう。さようなら。
ミラ・イヴァンチスカ───
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