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NEXT1.寮生活は私を困らせる)
trouble3.)
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「ドライヤーどこにしまったんだっけ!?」
段ボールの中をごそごそ、探してはいるんだけどちっとも見付からない。ぎゅうぎゅうに詰めて来たからどこに入れたのか自分でもわかってなくて…
もう諦めようかな。ちょっとくらい髪の毛濡れたまま寝ても平気だよね。
「………はぁ」
“別に仲良くしたいと思ってないから!!”
あんなこと言ったまま部屋に閉じこもっちゃった。バンッて大きな音を立てながらドアまで閉めて、誰も近寄らせないみたいに。
「…言い過ぎちゃったかな」
夜はなんとなく暗い気持ちになる。
だから嫌いだよね、夜って。
「ううん!向こうだって悪いよね!?デリカシーがないって言うか、困らせるようなことばっか言って来るんだもん!」
1人なのに無駄に大きな声にして、自分に言い聞かせる。うんっと頷いて段ボールの蓋を閉めた。
もういいやドライヤーは、しなくてもどうにでもなるよ。
もう寝よう。
さっさと寝ちゃおう。
明日朝が来たらもう1度、女子寮が空いてないか聞いてみる。
どうにか無理くりにでも入れてもらえないか、話して…
うん、そうしよう。
電気を消してベッドに入った。
真っ暗は怖いからちっちゃな豆電球だけ点けて、無理矢やりに目を閉じた。寝るんだ!って意気込んでふとんをかぶる。
そうやってすべてをシャットアウトしたつもりだったんだけど…
「……。」
…。
……。
…『何してるの?』
……。
『わたしここにいるよ』
…。
『ねぇ、聞こえてる?』
…!
「…え?」
パチッと大きく目を開かずにはいられなかった。なんなら電気も消してる場合じゃない。
な、なに?
どこからか声が聞こえるような…?
「なにっ!!?」
ガバッと体を起こして、キョロキョロと見渡した。
だ、誰かいるの!?
ここに誰か…!
「…いない、よね?」
電気も点けてみたけど誰もいなかった。
それはよかったけど…
いや、よかったの!?
よくないよねっ、だってかすかに声はまだ聞こえてる…
「…な、なに?どこから…」
ベッドはピタッと壁にくっ付いてる、方向的に隣の部屋とは壁1枚って感じの。
だからこの隣は智成くんの部屋。
でも聞こえてくるのは、女の人の声。
ゾクッと背筋が凍る、えっと…
これは…
その…っ
もしかして昔ここで何かあったとかある?
だって建物古いしボロいし、部屋だけキレイにリフォームしてあるのもなんか怪しいし!
バクバクと心臓の音が激しくなる。
ど、どうしよう…!?
1人暮らしなんて初めてだし、同室って聞いてたのに実際は女子もいない寮だし、夜は暗い気持ちになるから苦手なんだ…!
きゅっと小さくなるように体を丸めて、両手で耳を塞いだ。
これ以上何も聞こえてきませんように…!
『呪ってやる…っ』
「きゃぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!」
居ても立っても居られなくてベッドから飛び出して部屋から出ようとドアノブを掴んだ。
とりあえず廊下に出よう、廊下に出ても何があるわけじゃないけどここから…!
「どうした!?」
ガチャッとドアを開けると、同時に前の部屋のドアが開いた。
201号室、青色のドアの住人…
えっとまだ名前聞いてなかった!
しょっぱなから人のお腹見て来たあの…!
「大丈夫かっ」
ーとんっ
思いっきり飛び出したから勢い余って、そのまま胸に飛び込んじゃった…
「!?」
体温が、熱い。
「何かあったのか!?」
すぐさまガシッと私の肩を両手で掴んだ、そのおかげですぐに体は離れることになったけど…
真剣な顔で私を見てる。
たぶん本当に心配してくれてる。
「あ、あの…っ」
「なんだ!?」
「声が、声が…」
「声?」
だから私も少しだけ安心しちゃったの。
「隣から女の人の声が聞こえる~~~~~っ!」
うわーんと泣きたくなるくらい。
ううん、もう泣いてた。
頬が冷たかったもん。
「女の声って…っ」
「歩夢ちゃんどーしたん?斗空も…」
ガチャッと隣の部屋から出て来た。
「え、泣かしたん!?」
「俺じゃない!」
Tシャツ短パン、手にはスマホを持って…
『智成聞いてる!?私の話聞いてるの!?』
スピーカーホンから聞こえる、その声には聞き覚えしかなくて。
「それだっ!」
指を差して叫んじゃった。
『ちょっと誰?女の声が聞こえるんだけど!』
やばいっ、聞こえちゃった…!
あわてて口を押えた、今更押さえても意味なんかないけど。
「あー、りなちゃんごめんな。また後でかけ直すわ」
電話の向こうはまだ何か言いたそうだったけど、何も言わせないまま智成くんが電話を切っていた。
いいの?それ…
絶対あとで怒られるやつじゃない?
トンッとスマホをタップして私たちの方を見る。
目が合った瞬間、何か言おうとして口をひらっ
「いい加減にしろよ!」
…開いたのは、私の隣にいた方だった。
まだ名前わかんないこの、人。
「また女子にテキトーなこと言って夜な夜な電話してんだろ!しかもスピーカーホンで音量上げてんじゃねぇよ、隣に迷惑だろ!」
「ごめんごめんっ、隣に人入ったん忘れてたわ!でもテキトーなこと言うてないで、相談聞いててん!彼氏が最近冷たい言うて!」
「聞いてないだろ!スピーカーホンにしてスマホ放置してただろ!?」
「それが途中からオレのことが好きとか言うから話ちゃうやんってなって…」
なんか…
いろんなものが入り乱れてるような、じゃあ最後のあの言葉は…
「そしたら逆ギレされた!」
智成くんへの捨てセリフだったんだ…!
怖っ、女子!怖っ!!
「ねぇうるさいんだけど~、全然眠れない~!」
ガチャッと最後のドアが開いた。
黄色の、ここはさっちゃんの部屋のドア…
「誰!?」
だと思っていたのに、そこから現れたのはキラキラに輝く美少年。
真っ黒なふわふわの猫毛は耳や顔周りを少し隠して、それでもお顔の美しさはハッキリわかる。
ふわ~とあくびしながらクマのぬいぐるみを抱きしめていた。あとパジャマもかわいい。
「誰!?」
2回言っちゃった。なんか興奮して。
「えー、今日自己紹介したじゃん~?咲月だよ、さっちゃん!」
さ、さっちゃん…!?
さっちゃんの部屋から出て来たからそうなんだろうなぁとは思ってたけど、あまりに最初の時とは違い過ぎて。
女の子の格好してた時も可愛かったけど、女の子の格好してなくてもすごい…
「何してたの~?ボクもう寝てたんだけど、夜更かしはお肌の天敵なんだからねっ」
「ごめんな、壮太郎。起こしてしもて」
「その名前で呼ばないでって言ってるじゃん!」
なんかもう、次から次へとよくわかんない。
この状況何なのかさっぱりわかんない。
でも…
「ごめんなさい」
頭を下げた。
やっぱり言わなきゃ。
「え、なんで歩夢ちゃんが謝るん?」
「悪いのは智成だろ」
「そーだそーだ!知らないけどたぶん智成が悪いんだ!」
「壮太郎は知らんやん!」
みんなのことまだ知らないのに決めつけてた。
こんな人たちと、こんなとこ住みたくないって、嫌だなって。
それに…
ずっと残ってた。
「歓迎会…してくれるって言ったのに、あんな言い方して」
こうしてみんな心配して集まって来てくれたのに、ひどいこと言っちゃった。
「オレな、忘れるの早いねん!」
智成くんが大きな口を開けてケラッと笑った。
「だから気にしてないで!」
「ボクはまた今度してくれるならいいよ~、今度はやろうねあゆむん♡」
こんな私でも、誰も責めたりしない。
受け止めてくれる。
あったかい空間だったの。
「…なぁ、歓迎会って何の話だ?」
「え、とあぴ知らないの?今日あゆむんの歓迎会しよーねって言ったじゃん」
「俺その話聞いてないんだけど」
「あ、言うん忘れてた!」
「「「……。」」」
へへっと智成くんが舌を出して笑ったのが気に入らなかったんだと思う、げしっと背中に蹴りを入れられてた。
「智成はそうゆうとこがある!いっつも連絡はちゃんとしろって言ってるだろ!」
「でもなくなったから言わへんでも一緒やん、それとも仲間外れにされたみたいで嫌やった?」
「そうじゃないだろ!そんなこと思うか、子供じゃないんだから!」
「そーやって智成につっかるとこが子供だよとあぴ~」
いや、もう本当に次から次へと…
なんかコレって…
「ふふっ」
飽きないね。
「あ、あゆむん笑った!」
「笑うと可愛いな、歩夢ちゃん」
「またそうやってテキトーなこと言って口説くつもりだろ」
「口説いてないわ!本音や!!」
ちょっと言ったらいっぱい返って来るんだもん。
賑やかで騒がしくて、これなら寂しくないかもしれない…
なんてね。
そう思っちゃったんだ。
もしかしてこの先、楽しくなるんじゃないかって…
思っちゃったの。
「あ、そういえばお前名前は?」
「えっ、私!?」
「とあぴまだ知らなかったの?」
そっか、私も知らないけどそっちも知らなかったよね!?まだ言ってなかったもんね…
「三森歩夢、です」
顔を見上げる、目が合うように。
「俺は佐々木斗空」
佐々木斗空…
ふーん、斗空ね。
出会いは最悪だったし、ありえないってむかついたけど…
かすかに笑った顔はちょっと胸に刺さった、何かが。
「あゆむん、もう寝るのー?」
「あ、うん!寝ようと思ってたとこだけどっ」
「ちゃんと髪の毛は乾かした方がいいよ痛むから!」
ぐっと近付いて圧をかけるみたいに言われた。
キラキラが眩しい…っ
「それがドライヤーどこに入れたかわかんなくて」
「ボクの貸してあげる!待ってて、持って来るから!」
さっちゃんが部屋に戻って行く、頭を掻きながら智成くんもドアを開けた。
「ほな、オレも寝るかな~。おやすみ~」
バタン、バタンとドアが閉まる。
私もドライヤー借りたら寝ようかな、今ならちゃんと寝れる気がするし。
両手を上げてふぅーと背伸びをした。
「歩夢!」
え、今名前呼び捨てした?
「な、なに?」
「今度なんかあったら俺に言えよ」
「え?」
「おやすみ」
「…おやすみなさい」
バタンッと閉められた青色のドア、ただ見つめるしかできなくて。
「……え?」
次から次へとやっぱりわかんない。
胸の奥が音を出した。
…ねぇ、ドキッ?
ってなに!?
段ボールの中をごそごそ、探してはいるんだけどちっとも見付からない。ぎゅうぎゅうに詰めて来たからどこに入れたのか自分でもわかってなくて…
もう諦めようかな。ちょっとくらい髪の毛濡れたまま寝ても平気だよね。
「………はぁ」
“別に仲良くしたいと思ってないから!!”
あんなこと言ったまま部屋に閉じこもっちゃった。バンッて大きな音を立てながらドアまで閉めて、誰も近寄らせないみたいに。
「…言い過ぎちゃったかな」
夜はなんとなく暗い気持ちになる。
だから嫌いだよね、夜って。
「ううん!向こうだって悪いよね!?デリカシーがないって言うか、困らせるようなことばっか言って来るんだもん!」
1人なのに無駄に大きな声にして、自分に言い聞かせる。うんっと頷いて段ボールの蓋を閉めた。
もういいやドライヤーは、しなくてもどうにでもなるよ。
もう寝よう。
さっさと寝ちゃおう。
明日朝が来たらもう1度、女子寮が空いてないか聞いてみる。
どうにか無理くりにでも入れてもらえないか、話して…
うん、そうしよう。
電気を消してベッドに入った。
真っ暗は怖いからちっちゃな豆電球だけ点けて、無理矢やりに目を閉じた。寝るんだ!って意気込んでふとんをかぶる。
そうやってすべてをシャットアウトしたつもりだったんだけど…
「……。」
…。
……。
…『何してるの?』
……。
『わたしここにいるよ』
…。
『ねぇ、聞こえてる?』
…!
「…え?」
パチッと大きく目を開かずにはいられなかった。なんなら電気も消してる場合じゃない。
な、なに?
どこからか声が聞こえるような…?
「なにっ!!?」
ガバッと体を起こして、キョロキョロと見渡した。
だ、誰かいるの!?
ここに誰か…!
「…いない、よね?」
電気も点けてみたけど誰もいなかった。
それはよかったけど…
いや、よかったの!?
よくないよねっ、だってかすかに声はまだ聞こえてる…
「…な、なに?どこから…」
ベッドはピタッと壁にくっ付いてる、方向的に隣の部屋とは壁1枚って感じの。
だからこの隣は智成くんの部屋。
でも聞こえてくるのは、女の人の声。
ゾクッと背筋が凍る、えっと…
これは…
その…っ
もしかして昔ここで何かあったとかある?
だって建物古いしボロいし、部屋だけキレイにリフォームしてあるのもなんか怪しいし!
バクバクと心臓の音が激しくなる。
ど、どうしよう…!?
1人暮らしなんて初めてだし、同室って聞いてたのに実際は女子もいない寮だし、夜は暗い気持ちになるから苦手なんだ…!
きゅっと小さくなるように体を丸めて、両手で耳を塞いだ。
これ以上何も聞こえてきませんように…!
『呪ってやる…っ』
「きゃぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!」
居ても立っても居られなくてベッドから飛び出して部屋から出ようとドアノブを掴んだ。
とりあえず廊下に出よう、廊下に出ても何があるわけじゃないけどここから…!
「どうした!?」
ガチャッとドアを開けると、同時に前の部屋のドアが開いた。
201号室、青色のドアの住人…
えっとまだ名前聞いてなかった!
しょっぱなから人のお腹見て来たあの…!
「大丈夫かっ」
ーとんっ
思いっきり飛び出したから勢い余って、そのまま胸に飛び込んじゃった…
「!?」
体温が、熱い。
「何かあったのか!?」
すぐさまガシッと私の肩を両手で掴んだ、そのおかげですぐに体は離れることになったけど…
真剣な顔で私を見てる。
たぶん本当に心配してくれてる。
「あ、あの…っ」
「なんだ!?」
「声が、声が…」
「声?」
だから私も少しだけ安心しちゃったの。
「隣から女の人の声が聞こえる~~~~~っ!」
うわーんと泣きたくなるくらい。
ううん、もう泣いてた。
頬が冷たかったもん。
「女の声って…っ」
「歩夢ちゃんどーしたん?斗空も…」
ガチャッと隣の部屋から出て来た。
「え、泣かしたん!?」
「俺じゃない!」
Tシャツ短パン、手にはスマホを持って…
『智成聞いてる!?私の話聞いてるの!?』
スピーカーホンから聞こえる、その声には聞き覚えしかなくて。
「それだっ!」
指を差して叫んじゃった。
『ちょっと誰?女の声が聞こえるんだけど!』
やばいっ、聞こえちゃった…!
あわてて口を押えた、今更押さえても意味なんかないけど。
「あー、りなちゃんごめんな。また後でかけ直すわ」
電話の向こうはまだ何か言いたそうだったけど、何も言わせないまま智成くんが電話を切っていた。
いいの?それ…
絶対あとで怒られるやつじゃない?
トンッとスマホをタップして私たちの方を見る。
目が合った瞬間、何か言おうとして口をひらっ
「いい加減にしろよ!」
…開いたのは、私の隣にいた方だった。
まだ名前わかんないこの、人。
「また女子にテキトーなこと言って夜な夜な電話してんだろ!しかもスピーカーホンで音量上げてんじゃねぇよ、隣に迷惑だろ!」
「ごめんごめんっ、隣に人入ったん忘れてたわ!でもテキトーなこと言うてないで、相談聞いててん!彼氏が最近冷たい言うて!」
「聞いてないだろ!スピーカーホンにしてスマホ放置してただろ!?」
「それが途中からオレのことが好きとか言うから話ちゃうやんってなって…」
なんか…
いろんなものが入り乱れてるような、じゃあ最後のあの言葉は…
「そしたら逆ギレされた!」
智成くんへの捨てセリフだったんだ…!
怖っ、女子!怖っ!!
「ねぇうるさいんだけど~、全然眠れない~!」
ガチャッと最後のドアが開いた。
黄色の、ここはさっちゃんの部屋のドア…
「誰!?」
だと思っていたのに、そこから現れたのはキラキラに輝く美少年。
真っ黒なふわふわの猫毛は耳や顔周りを少し隠して、それでもお顔の美しさはハッキリわかる。
ふわ~とあくびしながらクマのぬいぐるみを抱きしめていた。あとパジャマもかわいい。
「誰!?」
2回言っちゃった。なんか興奮して。
「えー、今日自己紹介したじゃん~?咲月だよ、さっちゃん!」
さ、さっちゃん…!?
さっちゃんの部屋から出て来たからそうなんだろうなぁとは思ってたけど、あまりに最初の時とは違い過ぎて。
女の子の格好してた時も可愛かったけど、女の子の格好してなくてもすごい…
「何してたの~?ボクもう寝てたんだけど、夜更かしはお肌の天敵なんだからねっ」
「ごめんな、壮太郎。起こしてしもて」
「その名前で呼ばないでって言ってるじゃん!」
なんかもう、次から次へとよくわかんない。
この状況何なのかさっぱりわかんない。
でも…
「ごめんなさい」
頭を下げた。
やっぱり言わなきゃ。
「え、なんで歩夢ちゃんが謝るん?」
「悪いのは智成だろ」
「そーだそーだ!知らないけどたぶん智成が悪いんだ!」
「壮太郎は知らんやん!」
みんなのことまだ知らないのに決めつけてた。
こんな人たちと、こんなとこ住みたくないって、嫌だなって。
それに…
ずっと残ってた。
「歓迎会…してくれるって言ったのに、あんな言い方して」
こうしてみんな心配して集まって来てくれたのに、ひどいこと言っちゃった。
「オレな、忘れるの早いねん!」
智成くんが大きな口を開けてケラッと笑った。
「だから気にしてないで!」
「ボクはまた今度してくれるならいいよ~、今度はやろうねあゆむん♡」
こんな私でも、誰も責めたりしない。
受け止めてくれる。
あったかい空間だったの。
「…なぁ、歓迎会って何の話だ?」
「え、とあぴ知らないの?今日あゆむんの歓迎会しよーねって言ったじゃん」
「俺その話聞いてないんだけど」
「あ、言うん忘れてた!」
「「「……。」」」
へへっと智成くんが舌を出して笑ったのが気に入らなかったんだと思う、げしっと背中に蹴りを入れられてた。
「智成はそうゆうとこがある!いっつも連絡はちゃんとしろって言ってるだろ!」
「でもなくなったから言わへんでも一緒やん、それとも仲間外れにされたみたいで嫌やった?」
「そうじゃないだろ!そんなこと思うか、子供じゃないんだから!」
「そーやって智成につっかるとこが子供だよとあぴ~」
いや、もう本当に次から次へと…
なんかコレって…
「ふふっ」
飽きないね。
「あ、あゆむん笑った!」
「笑うと可愛いな、歩夢ちゃん」
「またそうやってテキトーなこと言って口説くつもりだろ」
「口説いてないわ!本音や!!」
ちょっと言ったらいっぱい返って来るんだもん。
賑やかで騒がしくて、これなら寂しくないかもしれない…
なんてね。
そう思っちゃったんだ。
もしかしてこの先、楽しくなるんじゃないかって…
思っちゃったの。
「あ、そういえばお前名前は?」
「えっ、私!?」
「とあぴまだ知らなかったの?」
そっか、私も知らないけどそっちも知らなかったよね!?まだ言ってなかったもんね…
「三森歩夢、です」
顔を見上げる、目が合うように。
「俺は佐々木斗空」
佐々木斗空…
ふーん、斗空ね。
出会いは最悪だったし、ありえないってむかついたけど…
かすかに笑った顔はちょっと胸に刺さった、何かが。
「あゆむん、もう寝るのー?」
「あ、うん!寝ようと思ってたとこだけどっ」
「ちゃんと髪の毛は乾かした方がいいよ痛むから!」
ぐっと近付いて圧をかけるみたいに言われた。
キラキラが眩しい…っ
「それがドライヤーどこに入れたかわかんなくて」
「ボクの貸してあげる!待ってて、持って来るから!」
さっちゃんが部屋に戻って行く、頭を掻きながら智成くんもドアを開けた。
「ほな、オレも寝るかな~。おやすみ~」
バタン、バタンとドアが閉まる。
私もドライヤー借りたら寝ようかな、今ならちゃんと寝れる気がするし。
両手を上げてふぅーと背伸びをした。
「歩夢!」
え、今名前呼び捨てした?
「な、なに?」
「今度なんかあったら俺に言えよ」
「え?」
「おやすみ」
「…おやすみなさい」
バタンッと閉められた青色のドア、ただ見つめるしかできなくて。
「……え?」
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胸の奥が音を出した。
…ねぇ、ドキッ?
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