幼馴染から奴隷のように扱われていた俺、誰でも奴隷にできる最強スキル<奴隷化>が覚醒! 勇者も魔王もみんな奴隷にして可愛がります

ねこ鍋

文字の大きさ
89 / 97

帝王の簡単な見分け方

しおりを挟む
「シェイド、城内にいる者全員をここに集めてくれ」

「了解した」

 シェイドがうなずく。

「城内の全員を集める? そんなことが……」

 帝王が疑うようにつぶやく。
 たがて壁にダンジョンの入り口が現れると、そこから1人の兵士が飛び出してきた。
 飛び出すというか、ほとんど放り投げられるように形だったけど。

 兵士は地面に落ちると、慌てて周囲を見渡した。

「な、なんだここは!? 突然地震に襲われたと思ったら、床に穴が出来るし、今度は中庭に放り出されるし……一体なにが起こっているんだ!?」

 混乱の極みで辺りを見回している。
 いきなり城が謎の地下に落下し、こうして別の場所に移動させられれば、混乱するのも無理はない。
 むしろこの状況で落ち着いている方がおかしいんだ。

 ここはシェイドのダンジョン内だ。
 好きなところに入り口を作ることができるし、どのモンスターがどこにいるのかもすぐにわかる。
 その力を使えば、誰がどこにいるのかも簡単に感知できるらしいんだ。
 だからダンジョン内の城にいる者の足元に入り口を出現させ、落とし穴のようにしてここに移動させてもらった。

 やがて壁に作られた入り口から、次々に人が放り出されてきた。
 最終的に集まった人数は全部で数百人くらいだろうか。
 集められた人々で中庭はいっぱいになった。
 こんなに多いと、ちょっと数える気は起きないな。

 暴動が起きないように、中庭の出入り口はダンジョンに住む魔物たちを使って封鎖しておいた。
 ドラゴンやサイクロプスなど、高レベルのモンスターばかりだ。
 下手に逆らえば命はない。
 混乱は起きていたものの、最初に突破しようとしたどこかの隊長が一撃で倒されてからは、歯向かおうとする者は一人もいなかった。

「これで全員だ」

 シェイドが淡々と告げる。
 結構すごいことをやり遂げた後なのに、それをまったく感じさせない態度だった。

 帝王が驚いたようにシェイドを見ている。

「ダンジョンを操る力……。なるほど、それがこの城を閉じ込めた力か……。恐るべき能力だが……1か所に集めてどうしようというのだ。やはり全員殺すつもりか」

「そんなことしなくても、もっと簡単な方法がある。シャルロット、頼む」

「わかりましたワン!」

 シャルロットが魔法の詠唱を開始する。
 そして帝王に向かって発動した。

「<サンダー>」

 初級の雷魔法だ。

 初級とはいえシャルロットが使えば相応の威力になる。
 強烈な電気ショックにより、帝王の体がビクンと跳ね上がった。

「「ぐあっ!!」」

 あちこちから同じ悲鳴が上がった。

 分裂体同士は全ての感覚の共有している。
 当然痛みもだ。

 雷魔法は人間の神経に直接作用する。
 ダメージよりも痺れの方が厄介な魔法だからな。
 それは人間の反射神経によるもので、よほど特殊な訓練でも受けていない限り耐えられるものじゃない。

 そんなものが突然頭の中に流れ込んでくる。
 思考がすべて真っ白に塗りつぶされるようなものだ。
 声を抑えることはできても、体の動きが一瞬止まってしまうことまではどうしようもない。

「シェイド、把握できたか」

「無論だ」

 うなずくと、集まった人たちの足元に次々と入口が現れる。
 落とし穴のように1人ずつ落とされていき、やがて20人ほどだけが残された。

 残ったのは帝王の分裂体たちと、何人かの兵士や使用人たちだ。
 もっとも、それらはみな帝王が変身した者だろう。

「なるほど……、電気ショックを与えた反応で余を見極めたか……」

「これでここに残るのは帝王だけだ。逃げ道はないし、戦力でもこちらが上。降参したらどうだ?」

「まだだ!」

 帝王が両手を空に向ける。
 他の帝王たちも一斉に同じ動作をはじめた。
 やがて手のひらに光が集まり、半球型の光の膜となって帝王たちを包み込んだ。

「余の全魔力を注いだ結界だ。しかも20人による多重詠唱型。そう簡単に破れるとは思わないことだな」

 まだこんな隠し球を持っていたのか。
 確かに強力な結界だ。
 一人でも分裂体が生き残ればいい、という帝王にとって、絶対の防御は有効な方法だろう。

 だが……。

「あら、こういうのはわかりやすくて好きよ」

 エリーが笑顔で聖剣を生み出す。

 結界とは、力で相手を弾き飛ばすもののことだ。
 形を持った暴力ともいえる。

 暴力でエリーに対抗するのは、残念ながら悪手なんだよなあ。

「どっちの魔力が先に尽きるか勝負しましょう。あ、もちろん殺す気でいくから、ちゃんと本気で防いでね」

 ニコッと笑い、手にした聖剣を全力で投げつける。
 最初の一撃目で結界にひびが入った。

「くっ、な、なんだこの威力は……!?」

 帝王が焦りの声を上げながら結界を修復する。
 そのため結界自体はすぐ元に戻ったが……。

「ここからならダンジョンを通じていつでも宿屋に戻れるのよね? 部屋に魔力回復用のポーションを100本ほど用意してあるから、だいたい聖剣4、5万本くらいなら生み出せるわよ」

「聖剣が4、5万本、だと……?」

 帝王の声が震える。

 聖剣一本でこれなら、そう長くは保たないだろうなあ。
 俺の予想通り、やがて帝王が魔力を使い果たして倒れるまで、そう時間はかからなかった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

器用貧乏な赤魔道士は、パーティーでの役割を果たしてないと言って追い出されるが…彼の真価を見誤ったメンバーは後にお約束の展開を迎える事になる。

アノマロカリス
ファンタジー
【赤魔道士】 それは…なりたい者が限られる不人気No. 1ジョブである。 剣を持って戦えるが、勇者に比べれば役に立たず… 盾を持ってタンクの役割も出来るが、騎士には敵わず… 攻撃魔法を使えるが、黒魔道士には敵わず… 回復魔法を使えるが、白魔道士には敵わず… 弱体魔法や強化魔法に特化していて、魔法発動が他の魔道士に比べて速いが認知されず… そして何より、他のジョブに比べて成長が遅いという… これは一般的な【赤魔道士】の特徴だが、冒険者テクトにはそれが当て嵌まらなかった。 剣で攻撃をすれば勇者より強く… 盾を持てばタンクより役に立ち… 攻撃魔法や回復魔法は確かに本職の者に比べれば若干威力は落ちるが… それを補えるだけの強化魔法や弱体魔法の効果は絶大で、テクトには無詠唱が使用出来ていた。 Aランクパーティーの勇者達は、テクトの恩恵を受けていた筈なのに… 魔物を楽に倒せるのは、自分達の実力だと勘違いをし… 補助魔法を使われて強化されているのにもかかわらず、無詠唱で発動されている為に… 怪我が少ないのも自分達が強いからと勘違いをしていた。 そしてそんな自信過剰な勇者達は、テクトを役立たずと言って追い出すのだが… テクトは他のパーティーでも、同じ様に追い出された経験があるので… 追放に対しては食い下がる様な真似はしなかった。 そしてテクトが抜けた勇者パーティーは、敗走を余儀無くされて落ち目を見る事になるのだが… 果たして、勇者パーティーはテクトが大きな存在だったという事に気付くのはいつなのだろうか? 9月21日 HOTランキング2位になりました。 皆様、応援有り難う御座います! 同日、夜21時49分… HOTランキングで1位になりました! 感無量です、皆様有り難う御座います♪

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

処理中です...