3 / 3
コイに落ちるお年頃(最終版)
しおりを挟むコイに落ちるお年頃(最終版)
某月某日、某所の雑居ビルの屋上にて少女が遠くを眺めていた。
これといって特徴のない少女だ。ナチュラルボブに、高くも低くもない平均的な背丈。体型も一般的な少女のそれである。
強いて挙げるならば宿痾の如き隈と身に纏うセーラー服が印象的である。
群衆に紛れれば二度と出会うことはかなわないそんな平凡な容姿であった。百人にアンケートを実施すれば口を揃えて中の下と言うだろう。
しかし今は雑居ビルの屋上である。彼女――東新彩芽を除いてアンケートに答える百人どころか人っ子一人そこにはいない。しかも靴を脱いで転落防止柵をよじ登っているとなれば話は百八十度変わってくる。反転する。
今まさにこの町で一番センセーショナルな人間は東新彩芽、この人であると言っても過言ではあるまい。
一説によれば自殺前に靴を脱ぐという行為は死後の世界へ行く際土足では失礼だという、礼儀の側面があるという。令和を生きる少女、東新彩芽がそれを知っているかはまた別のお話になってくるのだが。イヤホンを付けっぱなしで礼儀も何もあったものじゃないだろう。
それは突然のことであった。彩芽は何の前触れもなくそれが当然のことであるかの如く迷いなく身体を宙に投げ出す。糸が切れた操り人形にも見える動きで身体は自然の摂理に従い自由落下していく。
そこから彩芽が地上に激突するまでものの数秒もかからなかった。頚椎が衝撃でもげ、痛みを感じることなく人生に終止符を打つことも十分あり得る状況であった。
しかし奇跡が起こったのだ。いや「奇跡」と表現するにはいささかその現象は陳腐すぎるかもしれない。幸か不幸か、はたまた無意識的な防衛本能か、下は生垣であるのに加えセーラー服という空気抵抗を強く受ける衣類を着用していたため、彩芽は骨折等の負傷、衝撃によるブラックアウトはすれど命に別状はなかったのだ。
意識を失っていたのはほんの数秒のことであり、目を覚ましたのは落下地点を偶々歩いていた学生服の少年に生垣から救出されている最中であった。「生垣から救出」ということはそれ即ち抱きかかえるということでありお姫様抱っこの形になる。
彩芽が目を覚ましたことに気付いた少年は有事の際とはいえ同年代の女子を横抱きしたことに罪悪感を覚え彼女に謝罪の言葉を投げかける。邪な気持がないことと下着が見えないよう配慮したことと共に。
しかし少年の憂慮とは裏腹に彩芽が気分を害することはなかった。むしろ、朗らかな笑顔で少年に対して言葉を返す。
「螂ス縺阪〒縺吶?ゅ∪縺壹?蜿矩#縺九i蟋九a縺ヲ縺上l縺セ縺帙s縺」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる