キミとのなにか

石川 直生

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日向 爽大 柚子

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 三学期は自由登校。柚子がいつも高校の図書室や空き教室で勉強していると聞いて近くの席で爽大も勉強する。日向は、爽大に一緒に勉強しよ、と連絡したら高校にいると言われてやってくる。

 図書室で爽大と柚子が近くで勉強しているのを見て、何故かイラとする。日向は、考える。
 ん。どうしてかな。柚子たんがカワイイから? 俺、そんな心狭かったっけ。
 ーーいや、ちげえし!
 爽ちゃんが……。なんにも言ってくれないから。
 付き合ってんなら、報告くらいしてくれてもいいと思わね? こっちは教えてやったのにさ。

 爽大のアホ、欲求不満なのかな? とかいちおう10分くらい真剣に考えてたのに! もし彼女に振られたら、爽ちゃんにハグくらいなら許してあげてもいいかなって。つーか、爽ちゃんがキスして振られたとか言うから。俺、彼女に何も出来なくなっちゃったんですけど!?
 日向は、爽大にタオルを被せる。爽大は日向にニッコリと笑いかけた。
 笑顔がカワイくてドキとする。
 バカ。こっちは地味に嫌がらせしてんのに。彼女か好きな子できたんなら報告しろっての。
……こないだの、なんだったんだよ。ブツぶつ。

 ©️ 石川 直生 2020.
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